どうして企業にとって健康診断が大事なのか
企業にとって従業員はとても大切な存在です。日本の社会においても働き方改革や、人生100年時代といった仕事に対する捉え方も変わってきているため、企業としても新しい取り組みが必要となってきております。
この記事では、従業員の健康管理の基本となる健康診断の重要性について従業員と企業の視点から述べていきます。
1 健康診断の目的
健康診断の目的は以下の3つとされています。
企業と従業員が良好な関係を築くためにも健康診断は重要なものであり、労働安全衛生法により企業は従業員に対して健康診断を受けさせる義務があります。
企業;実施義務(労働安全衛生法第66条)
安全配慮業務;労働者に対して、医師による健康診断を実施しなければならない。
企業は健康診断の結果を見ないと安全配慮ができないため、健康診断結果を提出するよう従業員に要求し、中身を確認する必要がある。
従業員;受ける義務(労働安全衛生法第66条第5条)
自己保険業務;従業員は企業の実施する労災防止の措置に協力しなくてはならない。自己保健業務違反にて、仕事上何らかの負荷が事業者に起きた場合、事業者はペナルティーを課すことが可能。
2 健康診断を受けるメリット 〜従業員〜
従業員が健康診断を受けるメリットとして下記などがあります。
定期的に自身の健康状態を把握することができる
病気の予防や、早期発見などに繋がり結果として医療費の負担が減る
費用を企業が負担してくれる
自覚症状のない病気や生活習慣病の予防ができる
企業によっては就業時間内で健康診断に行ける
自身にて定期的に通院を行なっている方でも健康診断で行う全ての項目を検査しているとは限らないため、職場の定期健診をしっかりと受けることが大切です。
3 健康診断を受けるメリット 〜企業〜
従業員に対して健康診断を受けさせることで得られる企業のメリットとして下記などがあります。
・条件によって福利厚生費に含まれる
先程も述べたように、労働安全衛生法によって企業は従業員に対して健康管理を行う義務を負っています。健康診断は、この健康管理義務を果たすための福利厚生として認められています。法律上の義務を果たす意味でも、福利厚生として健康診断を実施することが大切です。
・業務の生産性の向上につながる
健康診断を通して従業員の心身の健康が保たれることに繋がります。心身の健康は仕事に対するモチベーションやパフォーマンスにつながります。体調不良や生活習慣病などの減少にもつながるため、組織全体への雰囲気も良くなります。
・企業の安定的な成長につながる
企業を安定的に成長させていくには利益を確保する必要があります。
上記にあげた業務の生産性向上による業績アップに加え、体調不良による欠勤や生活習慣病、うつ病などによる休職者、離職者を減らせる可能性が高めるため、会社の費用負担の削減にもつなげる事ができます。
4 まとめ
この記事では従業員の健康管理の一つとしての健康診断について述べさせていただきました。
企業が働き方改革を実現させる上で、労働時間を増やさずにいかに生産性を向上させる働き方を実現させるのかを問われる事になります。
従業員の健康があってこそそのような働き方を実現できるのではないでしょうか。