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これまで読んだ書籍の中で参考になった本をまとめてみた①守備編

 みなさま, はじめましての方ははじめまして, べっこういも⚽️と申します。私の趣味はサッカー観戦で, 普段Xにて戦術や技術, はたまた経営戦略等についてポストしたりしています。これまではXだけで全て済ませようとしていたのですが, やはり140字で全てを説明し切るのは難しい, それならばと課金しても長いポストは読みにくくて見てくださる方々に不親切すぎるので, ものは試しでnoteを使ってみることにしました。
 とはいえ, 何を書き出せばいいのかわからないので, まずは読んだサッカー系の書籍の中で「参考になったな〜」と感じた本を簡単にまとめてみることにしました 。まずは, 守備の本から始めていきたいと感じております。



松田浩「詳しいことはわかりませんが、サッカーの守り方を教えてください」

 スチュワート・バクスターの指導を受けてゾーンディフェンスに目覚め, 監督としてアビスパ福岡, ヴィッセル神戸, V・ファーレン長崎等にて強固なゾーンディフェンスを築き上げ, 現在はガンバ大阪にてFB本部長を務める松田浩の一冊。とても平易な表現でゾーンディフェンスについて説明されている。 「こういったケースがあるがどうすればいいのか」といった実戦的な質問ベースのQ&A形式で話が進んでいくので, 「どうやってプレーすればいいのか」が理解しやすい。「ゾーンディフェンスとはイワシの群れの動き」「ボール周辺の雲行きを見る」といった表現は積極的に使っていきたい。サッカーを始めたて・見始めたての人にぜひお勧めしたい。


松田浩「サッカー守備戦術の教科書-超ゾーンディフェンス論」

 こちらも松田浩の一冊だが, 上記の書籍よりもより体系的にゾーンディフェンスについて学ぶことができる。多くの図を使いながら, 実際の試合に基づいて分析・批評がなされているため, 実際に試合を見るときに参考になる。クロップをはじめとするラングニック派のゲーゲンプレスと呼ばれるハイプレス戦術にも, 背景にはゾーンディフェンスの理論があることを示唆している。付録のトレーニング集やノートも必見。

footballhack「4-4-2ゾーンディフェンス セオリー編/トレーニング編」

 
「懐理論」で有名なfootballhack氏 (http://footballhack.jp) の著作。松田浩氏の2冊と比較してさらに実戦的でそのまま自チームに適用しやすい内容が書かれている (具体的なチャレンジ&カバーのポジショニングなど)。それに加えて, ゾーンディフェンスをどう崩すか?についても書かれており, 攻守両面から学ぶのに適している (正しいインサイドキック, 正対などの話も出てくるので, 蹴球計画を齧っておいた方がいいかも)。また, 洋書形式 (左から右に読む) のため, 技術書や工学書を読むのに慣れている人はこちらの方が読みやすいかもしれない。

フランチェスコ・マクリ, 宮崎隆司「守り方を知らない日本人 日本サッカーを世界トップへ導く守備のセオリー」

 イタリア人の指導者がブラジル大会やJリーグの守備を見て, どのようなエラーが頻発しているのか, そしてそれを誰も気にも止めないこと (せいぜいGKかDF個人が批判されるくらい)  を手厳しく指摘し続けるという一冊。かつてトルシエが言ったとされる「日本には守備の文化がない」とはどういうことなのかを理解するのに最適で, Xでよく使われる「お気持ち守備」はこの本がオリジナルなのではないかと考えている。2017年の本であるが, 現象としてはグラスルーツでもプロでも同じことが頻発しているため, 日本の守備文化は現在でも変わっていないと言える (個人の技術で言えば改善はしているが…)。現在は絶版のため高い。カンゼンさん, 再販かKindleで出して欲しいです…


宮崎隆司「世界が指摘する岡田ジャパンの決定的戦術ミス」

 こちらは2010年の南アフリカ大会の前に出た一冊。「守り方を知らない日本人」と同様に岡田ジャパンの守備の問題を手厳しく指摘し続けており, またそれが岡田ジャパンの攻撃にも悪影響を及ぼしていることを指摘している。結果的に岡田ジャパンは南アフリカ大会でベスト16と健闘したものの, その根本要因は解決されることがなく, ザッケローニ率いる4年後のブラジル大会では大惨敗を喫し, 日本に守備文化がないことを再確認させられることになった (イタリア人の指導者であるザックがソリッドな守備を浸透させられなかった要因は, 「通訳日記」を確認されたい)。これら2冊と同じことは松田浩の「守備戦術の教科書」でも指摘されているため, まずはそちらを読むことをお勧めしたい。


ダビド・ビジャ, DV7サッカーアカデミー「ダビド・ビジャのサッカー講座 試合で活躍するために大切な11科目」

 個人の技術トレーニングに焦点を当てた一冊。身体の向きを中心に攻守に話を展開していく。主に保持側の技術ベースではあるが, 守備時の身体の向きや視野の取り方, 相手への対処方法 (相手を自由にさせないプレーの仕方) について説明されている。重要なのは相手を見ること, 味方を助けるプレーをすることであることが, 本全体の中で強調されている。

ジョナサン・ウィルソン「サッカー戦術の歴史 2-3-5から4-6-0へ」

 フットボールという競技が誕生してから現在までにどのような戦術の変遷が起こっていったのかについて詳しく説明されている。2バックから始まった初期, オフサイド導入による3バックの台頭なども興味深いが, 特に面白かったのはアリゴ・サッキが過去の戦術の改良版として構築した現代型ゾーンディフェンス台頭ある。それによりリベロやスイーパーは絶滅していった (ただしスイーパーGKや偽CBといった形で現代に復活しつつあるのも事実)。現在ポジショナルプレー対策としてマンツーマンが復権しつつあるが, 過去の戦術を遡れば, それに対するソリューションも自ずと出てきそうである (それが最近噂のリレーショナルプレーなのかもしれない)。高すぎて普通の人は買えないので, 近所の図書館で借りることをお勧めします (なぜか県立図書館や市の中央図書館には割とおいてある)。

 今回はこちらの8冊を紹介させていただきました。振り返ると, ここ数年はゾーンディフェンスが何か, 守備の原則とは何かを自分の中で理解・整理するフェーズであったと感じております。機会があれば, こちらについてもまとめていきたいと考えております。次の投稿のテーマは今のところ「これまで読んだ書籍の中で参考になった本をまとめてみた②サッカーが上手いとは何か」を予定しています。

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