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['25 コンサドーレ] vs.ロアッソ熊本 〜フレキシブルは空転〜

2025明治安田J2リーグは第2節。

開幕節を敵地大分で落とした札幌はキャンプ地熊本で第2節。
形や狙いはふわっとながらも見えたが、安い失点が2つあっての敗戦となった開幕節。それを経て、今節はより緊張感があり昇格候補(昇格が絶対的な目標)としての結果が求められる。

対する熊本は、開幕節は優勝候補に挙げられている長崎に対し善戦するも1点差で敗れた。確かな手応えを感じる大木サッカー6年目、開幕から2戦続けて前評判では昇格候補の相手に対し今節はどんなサッカーを見せるか。

↓今節のハイライトはこちらから。

↓前節の記事はこちらから。


概要・スタメン

試合データ

まずは試合概要から。
結果は3-0で熊本の完勝。
札幌からすれば、前節に比べて攻撃的だったことを証明するようにシュート数は11本。前節比で+6本。しかし枠内シュートは熊本を上回ったものの得点はゼロ。逆に、失点は3本の枠内シュートで3失点。うーぬ(2試合連続でうーぬが出てしまいました)。

ではこうなったのはなぜなのか、今節も見ていきましょう。
今節の記事では失点を積み重ねてしまうことに関する、間接的な原因・理由について仮説を立ててみましたのでしっかり読み込んでくれればと思います。


スタメン

札幌は前節から6枚のメンバーチェンジ。
大きく変わったのは最前線で、ワントップには大嘉・2シャドーに長谷川と克幸が入りました。個人的には、前節で長谷川・克幸は結構岩政サッカーのやりたいことにハマりそうだなと思っていたので、ある程度予想通りというか期待通りのスタメンでした。大嘉は競れるしガッツあるので期待。

キャンプ前?頃?から岩政監督は「その週で調子の良い選手を使っていく」と明言していた中でこの入れ替わり具合。しかも、今回は前節の敗戦もあり何かを変えることも必要だったのでしょう。そういう意味でもメンバーチェンジがあったのかと。この岩政監督のメンバー選考に関するフレキシブルさは特徴ですね。

(しかし、逆にこれはパニクっている結果なのか…?とも捉えられます。その理由は後半で触れます。)

一方、熊本は前節から1枚の変更。
右ワイドの大崎に変えて藤井が入りました。大崎はスピード感のあるアタッカーですが、今節は藤井をチョイス。
ベンチに大崎はいますが、前節大崎に変わって投入された大本はベンチ外となりました。まあ、大きく変わったところはそんなところですかね。


フレッシュさからくる流動性

札幌のビルド

まずは、札幌保持時の状態から見ていきます。
前節はCHが降りて3枚で組み立てとかは前半中盤からでしたが、今節は序盤からCHの高嶺が最終ラインに降りて組み立てに参加。大崎は右へ、ミンギュは左へ、そして高嶺が中央に降りる形。また、両CB(大崎・ミンギュ)はペナ幅のポジショニングをしている感じでした。これは岩政監督がベトナム時代に設定していた約束事?らしいんですが、ここは今節意識して取り組んでいたのかなと思います。
ところで、もう1枚のCBである右CB 西野はどこへというと、CHのラインに上がっていました。大崎とミンギュがビルドに参加することになる(+高嶺が降りる)のでバランスをとって西野は1個前にポジショニング。ビルドの中では、近藤への中継役や中盤でインサイドに入りながらパスコースになったりかき回したりという役割があったかなという印象。

ワイドに関しては、今節は両サイドとも近藤・宏武ということでどちらも1v1で仕掛けることができるようなプレイヤーなのでここまで持って来れれば仕掛ける体勢でアタックフェーズに持って行けそうという期待感があります。前節は右の近藤だけに集めてそこで1v1をやらせるという形でかなり右に偏っていたので、今節のような配置なら両サイドに選択を持つことができます。


降りる克幸・ターゲット大嘉

また、今節は2シャドーに長谷川と克幸が入りました。克幸に関してはCHとトップ下の中間くらいの役割で、ビルド時には高嶺が降りることでスペースのできた中盤に降りていきボールを引き出すシーンが多くありました。フィニッシュワークのところでは、サイドからのクロスに対しペナ内に入っていくシーンもありと、攻撃時は広範囲に動きながら。あとは、ミドルシュートもあるのでポジティブな武器を持っている。

一方、長谷川は前線に残る形でワントップの大嘉に対し衛星的な立ち位置でサポート。これは、上図にあるようにビルドのスタート位置からロングをどうしても放りたいタイミングがあるのですが、今節はターゲットが大嘉(競れるしボールに対し積極的)。ここで収まった後やレイオフを受けるのが長谷川。そこでのサポートと引き取ってからのチャンスメイクに期待というところか。

と、ビルドの形はこんな感じ。
前節よりも前線の流動性はあり、特に敵陣まで入ってからが結構良かったと思います。サイドアタックでは長谷川や宏武が積極的にボールに絡みながらクロスを上げたり。逆サイドの近藤は相変わらず1v1でぶっちぎってクロスやCK獲得まで行けていました。

今節で重要なポイントだったのは大嘉の存在。
ビルド時など後方からロングボールが入る際には競れる(ボールに触れる)のでターゲットになりますし、クロスに対しても同様な特徴があるのでサイドの選手はクロスを積極的に上げることができたのではと思います。前半は割と大嘉のところでチャンスもあり得点の匂いも。また、ウラへ抜け出す動きも見せていてDFラインを押し下げる・シンプルにチャンスへというシーンも。しかし、2,3個のチャンスを決めきれないというのが痛い。前節も前半で決めきれていれば状況は変わっていた…と思うので今節も決めたかった。


一方、熊本の守備を見てみましょう。

熊本のpressing

熊本は札幌のビルドに対してほぼマンツーでついているようでした。
札幌のビルドの入り口が3+1or2なのに対し、最前線を3枚で当てて枚数を揃える(3v3の構図)。そして、それ以降の中盤〜最後方までは全てマンツーで捕まえている。札幌はGK菅野を使いながら+1でフリーをどこかで作りたい。

特に、ワントップの大嘉・トップ下的な動きをする克幸はマーカーが常にいるよう。これに関しては、熊本は前節の長崎戦で長崎のエジガルやマテウスジェズスをマンツーで見ることで、長崎の攻撃に歯止めをかけようとしていました(強力なキーマンに自由を与えない=相手の攻撃に自由を与えない)。それに加えて、元はアンカーである上村周平が相手のトップをマークすることで最終ラインに入っていました。これは今節も同様に同じ形で取り組んでいました。

なので、熊本はブロックを組んだりする時、3バックからWBを下げて5バックにするよりもアンカーの上村(ど真ん中の選手)をそのまま最終ラインに入れることで5バックにするという形にしていました。ただし、右WB 豊田は5バックの一番右になって5バックの一員となっていました。
左WB 古長谷を下げて5バックにしても良いのですが、古長谷は攻撃的な配置にしたいという狙いなので前に残している。結果、上村を最終ラインに入れることで古長谷を下げる必要を無くしています。


近藤の1v1の局面

しかし、古長谷が下がらない(または下がるのが遅れる)ことにより、札幌のアタックの特徴である近藤のところは1v1の形になります。前節の大分は近藤に対し1v2になるように守備をし数的優位な状態で近藤に挑んでいました。結果、近藤を封じることに成功しました。ですが、今節の熊本は古長谷の帰陣が遅れるので近藤に割と自由を与えてしまいます。なので、クロスを上げさせてしまったりCKを獲得されたりと、”やりきられて”しまいます。
ただ、逆サイドに関しては、WBの豊田が下がっているということもありこちらは2v1で自由を与えない守備ができていました。これに対し、札幌は左サイドの攻撃は流動性や積極的にアーリーでクロスを入れていくことで引きついてきたDFを無効化します。

という札幌保持での状況でした。チャンスはあったもののあと一歩のところでネットを揺らせない札幌…。
コーナーも前半は相当数あり、キッカーを務める克幸が何度も質の高いボールを入れるが決めれず。普通のオープンプレーから得点を決めれないなら、セットプレーでとれないとより厳しいですね。


ちなみに札幌の左サイドは宏武がボールを持って1v1しようかなってところですが、サイドの崩しの連携として長谷川が角を取る動きで深くまで侵入しようとするシーンも何度かありました。試合全体を見ていても、左サイドはもう1個くらい深くまでいけないかなと思っていたので、こういう長谷川の特徴的な動きは崩しの形には必要ですね。欲を言えば、宏武がもっと深い位置で近藤のように仕掛けたりできればベストです。

一方で、アタックフェーズでの札幌DFラインに目をやると大体2枚くらいしか残っていない。しかも同数だったり、収まるFWが相手にいるならそこで時間を作られて押し上げられてピンチ(大分戦はそうだった)。後々出てくる、3失点なんかはその形ゆえの失点でしたからどうにかしないといけないところ。キャンプ中はごまかしが効いていたのかな?


1stプレスの重要性

では、続いて熊本保持の状況を見ます。

熊本のビルド

熊本はビルド時3CB+アンカーの上村が入り口となる。
中盤はアンカー・IH・OHと枚数はいるため、この近い距離感でダイレクトパスなどを用いて札幌の守備網を剥がしていく。
最前線は三島・半代・藤井を配置し3v3の状態になる。前線は枚数をかけながら背後を狙う動きも入れていくことで、札幌のDFに警戒させる。

守る札幌は3-4-2-1の2-1の部分である、前線3枚でpressingをかけていく。相手の3CBに枚数ハマるが、時に熊本はGK佐藤(古巣対戦ですね)を使いながら4枚でビルドをしていくシーンもあった。そのため、枚数的には4v3で熊本の方が+1枚余す状態でパスを回すことができる。GKを入れることでどこかでフリーを作る狙い。


熊本のビルドは、アンカー上村のポジショニングが肝で何度も上村を経由して前進していた印象。上村は札幌の1stプレッシャーである中島大嘉の背後を取りながらスペースで浮いて受けようとする。大嘉は背後にいる上村のコースを消しきれないままボールホルダー(上図1枚目ではセンターの袴田)にpressingする。なので、熊本は前進のきっかけとなる上村にパスを通していける。

札幌からすれば熊本の中盤には枚数もおり、そのもっと背後(札幌DF側)には攻撃陣もいることで馬場や高嶺はポジショニングは少し後ろに気を取られる。なので、上村にパスが入った時に2ndプレスが遅れる。その遅れが原因で熊本の思うようにパスを繋がれ、芋づる式にプレスが剥がされる。一歩遅いのだ。

しかし、これは元を辿れば1stプレッシャーの大嘉(トップ全般だが)のpressingの技術次第で解決できる事象ではある。

例えば、上図のようにFW(1stプレス)から中央の上村のコースを消しながら外へ向かって限定できていれば、最終的に大外でボールを奪えるor奪えなくても前進を防ぐことができる。1stプレッシャーのpressingの技術が高ければ相手のしたいようなビルドに制限をかけることができ、こちら側からすれば守備からリズムを作り相手にペースを与えないことになる。
実際に、今節では大外に追い込んで前進させなかったシーンもあったのでできなくはないはずだ。

加えて書いておきたいのはシャドーの帰陣について。
1stプレスが効果的でなく前線3枚が剥がされた時にシャドーの足が止まっているシーンが多く見受けられた。そのため、そのまま押し込まれると5バック+2CHだけになるので少し手薄な印象。ここで、シャドーが2枚とも帰陣できていれば5-4のブロックでより強固に守れるはず。プロなら5-4のブロックでちゃんと守れるはず。そういうところでの走力も気にしないといけない。


ーーー[ここから重要]ーーー

ところで、キャンプ中の2トップ(3-4-1-2)のスタートはアマドゥバカヨコと白井陽斗だった。ある記事では、アマドゥが守備のスイッチを入れていたという旨の話もあり、アマドゥのpressing技術は高かったのではとも伺える。実際、キャンプ中のトレマでは失点も少なく複数失点は珍しい方だった。しかし、シーズンが始まる前にアマドゥと白井が負傷離脱。結果、1stプレスを担うFW陣はキャンプ中に軸となっていた2選手はどちらもおらず…ということに。なので、ジョルディや大嘉を使うことになった(アマドゥ・白井よりはpressing技術が低い?=キャンプ中にスタメンではなかったということが証拠)。そして、前節・今節と2,3失点してしまうことになった。
FW以外のメンバーはキャンプ中から変わっておらず、現在コンサ界隈で論点にもなっている「大崎はCBじゃない方がいい」という点においてもキャンプ中は大崎はCBで出ていた。で、失点はそれほど多くなかった。となると、後方の守備も軽かったり欠点はあるのかもしれないが、本当の原因は前線の守備にあるのではと考えられる。前線が相手に簡単に前進させない守備をできていたから、そもそも自陣まで入られることも少なかっただろうし、入られたとしてもある程度時間をかけさせて自分たちがしっかり戻る時間も確保できていたのでは。あるいは、キャンプ中は3-4-1-2でトップ下が相手のアンカー(1stプレッシャーの背後)をケアできていた。

また、札幌は攻撃時に片方のCBも上がるので最後方は2枚しか残らない。だいたいミンギュと大崎なのだが、みんな心配しているのはその一枚である大崎が年齢的に動けなくなっているから危険性が高いという話だろう。しかし、奪われたとしても前線が相手の前進に歯止めをかける守備をしている・プレーを一旦切ることができている という形でやってきたからこそ後ろは2枚でも問題なかったというのがキャンプ中だっただろう。また、その前線に連動して中盤の選手も前へ前へと守備の圧力をかけれていたのでは。

(以下に貼ってあるポストにこの話を少しまとめています。)伝わりにくいかもしれませんが、結論、「前線のプレス次第で守備の良し悪しが決まる」という仮説です。



1失点目

前半28分、熊本が先制。サイドからのクロスに半代が合わせてプロ初ゴール。
このシーンですが、熊本は前節の長崎戦でも同様の形からゴールを決めていました。なので、札幌としては熊本のクロスへの対応が緩かったのかなと。警戒すべき形です。しかも、半代のマーカーである西野は半代を自分よりもゴール側(内側)においてしまうという重大なミスを起こしてしまいました。半代はほぼフリーで合わせる形になりました…。

この失点で「直前の大崎のクリアが悪い!」とか言ってる人が割といましたが、クロスが入ってくる時に大崎は戻りながらの対応になりましたし、クリアも利き足とは逆の左足です。よって、クリアが不十分にはなるでしょうし、とは言っても最初のクロスに対してはまあ普通の対応でしたしセットし直すくらいに時間は稼げてました。なので、大崎のクリアが悪いというより西野のマークのつき方が悪いと言うのが正しいのかなと思います。戦犯探しをするつもりはありませんが。
もっと原因を辿れば、前線のプレスが緩まった結果、熊本のCBは"自由な状態で"ウラにボールを放り込んで、そこから熊本のチャンスになっていました。ここでも1stプレスの重要性が確認できます。

失点の原因として、安直にそこに直接的に関わっているプレー(大崎のクリア?や西野のマーク)を批判するよりもっと根本にある間接的な問題にフォーカスするべきかと思います。現状の札幌では1stプレスが失点(守備全体)の問題であると考えます。自陣深くまで入られる時点でもう危ないんですから、そうさせている原因を探らないと。


前半は札幌もチャンスがありましたが決めきれず。逆に熊本が自分らのパスサッカーを貫きながらも、カウンターなど速攻も見せ先制に成功。1-0で熊本がリードして折り返し。


後半

剥がすのが上手いのは

後半の保持時の状況も整理しておきます。

札幌のビルド 後半

札幌はハーフタイムで左CBをミンギュ→トーヤに変えましたが、陣形的には変わらず。ビルドも前半同様の形で、高嶺が最終ラインに降りながら。で、後半はビルド時のポジションチェンジがかなりありましたが、これは熊本のマンツーマンの守備を剥がすための動きでしょう。どこかで守備のズレを引き起こし、パスコースを作ったりスペースを作ったりで前進しようというもの。しかし、いかんせん札幌としてはそれをうまくできない。ので、パスを回しながら熊本の守備陣を引き込ませてそれをウラ返すようにしてロングボールを前線に供給するというのが狙いになります。


逆に熊本の保持時の場合。

熊本のビルド 後半

GK佐藤をうまく使いながら+1を作り出していました。それに加えてダイレクトパスの精度も高いので簡単に札幌の守備を剥がして前進。前半から試合を通してこの前進方法がうまくいっていたなという印象。
熊本は前線に競る・収めるタイプのFWはいないということで、繋ぎながら敵陣に入っていくということにリソースを割き、その精度を高めています。その精度の高いポゼッションサッカーが大木サッカーですが。

ポゼッションという意味では熊本の方が上手いなと印象で、札幌はポゼッションもまあやりたいけど最終的には前線に当てて収めさせたい狙いがあると思います。なので、ビルドの部分は相手を引きつけるための餌を撒いているということです。そして、前線に収まればサイドに散らして1v1かグループワークで角を狙っていく。orウラに走れるFWがいるならば(白井など)ウラ一発で決定機へなどでしょう。
ビルドで相手を釣りながら前線にポーンとロングで当てるのは、他のJ2クラブもやっているようです。オリジナリティではなさそう。


2失点目

49分に熊本が渡邉怜歩(れある)のゴールで追加点。名前カッコ良い。

この失点はトーヤがもたついた結果かなと思います。相手のロングに対し大崎がヘッドでトーヤに預けて、もう一度受け直しから組み立てようというのをやりたかったと思うのですがミスになりました。ここも大崎が悪いとは思わないし、トーヤがミスってしまったのも責めれないと思います。チームとしては、ここでクリアをしてまた相手に拾われ守備からとなる(pressingかけても熊本に剥がされてしまう)よりも、マイボールにできそうなところで2,3本繋いで落ち着かせたいというのがあったはずです。後半終盤にも同じような形があり(浮き玉ではなくゴロの処理でしたが)そこでは繋ぎきってアタックへ繋がっていました。そういう流れでボールを再び前に運んでいきたいんでしょう。

大分戦後のコメントでは、以下のようなこともあり、やはり展開をオープンにするよりもマイボールの時間を多くして繋ぎながら相手の背後・角をとっていきたい。そういう狙いがあってのプレー選択なはずです。簡単に批判するよりもなぜそうなったのかをもう少し考えないと、ただ岩政監督・大崎にヘイトが向くだけかと思います。ちゃんと狙いもありますし、各方面で出ている記事やインタビューを読んでいればプレーについて理解できると思うんですがね。だって、残りの問題は選手個人のコンディションとか技術的な面ですよね。戦術が間違っているんですか?


2トップの意味

そういった技術的な面で攻撃もうまく組み立てられずチャンスはあまり作れない札幌。選手交代でスパチョークや青木を入れて反撃を図りますがなかなかうまくいきません。

札幌選手交代後の変化

スパチョークと青木の投入後は、元のトップ+スパチョークの2トップぎみでトップ下に青木が入る形だったかなと思います。青木がフリーマン的な役割でピッチを上下に自由に動きながらボールを引き出す。前半でいうところの克幸と同じようなプレー。

また、2トップになったことでサイドへの関わりも多くなった印象。特にスパチョークは左サイドの崩しに関わり何度かチャンスメイクしていました。2トップ同士が広がることでサイドでの崩しに関わる枚数も増やすことができ相手CBも引っ張ることで、トップ下(ここでは青木)に自由を与えることもできる。キャンプ中は最前線が2トップ+トップ下だったのでサイドの崩しの活性化と、トップ下の自由なプレーである程度うまくいっていたのかなと推測します。じゃないとずっとキャンプで3-4-1-2を使わないですから。

しかしながら、得点は決めきれずという札幌。
刻一刻と時間は過ぎていく。


3失点目

迎えた91分、熊本に3点目。試合を決定づけるダメ押し点となりました。
この失点は単純に走力不足でしょう。まずは、起点はトーヤの背後を取られたところからですが、直前までトーヤは攻撃参加していましたし後半は頻繁に攻撃参加していた。よって、体力的には相当来ていて戻りきれずというところでしょうか。そして、ラストパスに塩浜が合わせてゴールという流れ。塩浜のマークは馬場でしたが、この数分前に馬場は足を伸ばすようなシーンがあったのでこちらもだいぶ限界が来ていたのかなと思います。今節は球際のところでだいぶファイトしていましたし。

が、この失点に限らず札幌の後方は大体2枚しか残っていないのでロング1本でも押し込まれたらピンチです。ここは現状、枚数で解決するしかなさそうです。蹴らせないためにpressingをがんばろうにもpressing技術の高いプレイヤーはいないのかな?ってところなので。


結局3-0でホーム熊本が勝利。


総括

開幕2連敗、2試合続けての複数失点と無得点。
現状厳しいですし結果を求めたいところ。

個人的にはキャンプ中に軸として考えられていたアマドゥ・白井のコンビが離脱したのがここまで窮地に追い込まれている?原因なのではないかと考えます。この記事でも書いたように、守備の1stプレスや前線からの守備で相手にペースを握られるかどうかがわかってくると思うんですね。攻撃に関しても、その2人が2トップとしてバッチリはまっていたから3-4-1-2でできたし、きっとトップ下に青木を置いて自由に動かしながらとか、守備は相手のアンカーを青木が見たりしながらで対応できてたはず。しかし、そういうのができなくなり相手のタテへの推進力を抑えることができずに、押される展開が続き手薄で脆弱な後方は簡単に失点をしてしまう…という流れになっている。想定通りにいかず少しパニック状態なのか。

もちろん、今節でも1stプレスのところで前線3枚でマークを受け渡しながらというシーンもありました。特に後半の最初のところ。

岩政監督も試合後のインタビューで「守備の課題は解決してから話します」的な発言をしていましたが、これはアマドゥ・白井の復帰を待っている状態を表しているのでしょうか。

以下のようなポストをする根拠は以上のことからです。


そう考えると今いるスカッドでどうにかしないといけないというのが苦しいところで、現状を変えるには個々人のスキルアップ(守備の技術もパス等の攻撃的な技術も)を図っていかないといけない。したがって、今は我慢の時期だと捉えていますし、個人的にはアマドゥ・白井が復帰(もう一度フィット)してからは無双できるんじゃないかと考えています。
確かに、勝利を重ねていかないといけない状況下で負けるのはやばいんですが、どうしようもないのが現状でしょう。監督を解任しても意味ないですよ。「解任しろ」とかすぐ言う人は背景とかキャンプからのことを含めて何も考えていないんだなと思っています。

結果が欲しいというのは自分もサポーターとして思っています。
けど実際どうしようもなくなっているから見守って応援するしかない。けど、形も狙いも見えてきているし、昨年活躍できなかった選手たちも良いプレーを見せてくれた。そういった選手達に今は期待するしかないでしょう。前半で点が入れば勝てると思います。
ただ、危惧しているのは結果だけを求めたところでJ1に上がったとしても、上がった先で狙いのない即興劇をやってもそれこそ地獄を見るんじゃないかということ。

その戦術の大枠がある中で、目の前の相手、自分のマーク、対峙する選手…に勝つことでチームの勝利に繋がっていく。まずは次節の山口戦。どんな形でも得点を勝利を見せて欲しいところです。今戦える選手を信じるしかないです。

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