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札幌vs.C大阪 ~浮つきの一戦~

J1リーグは今節から後半戦。札幌は前半戦を一桁順位でターンし好調を維持し続け後半戦へ。自慢の得点力と不安な失点はどう変化するのか。
そんな重要な後半戦のスタートはセレッソ大阪と。前半戦では3-2でしぶとく勝利した。一方でセレッソも好調さが見え、上位維持は堅くACL圏内・優勝争いにも加われるほどである。前節(vs.神戸 〇2-1)の勢いそのままに連勝なるか。

前半


札幌はいつのもようにビルドアップからのサイドアタックを多く仕掛けるスタイルに対し、セレッソはハイプレスとブロックを使い分け良い守備の意識を持ち取り組む。攻撃に関してはシンプルなカウンターやサイドからのチャンスメイクを主とした。
試合は開始早々から動いた。3分、セレッソは左サイドを破るとクロスをレオセアラが合わせ先制。札幌の軽率な入りが失点につながった。アグレッシブな立ち上がりから先手を打ったセレッソ。
その後はチャンスメイクから攻めに出続ける札幌だったが、ゴールは奪えず。というかシュートが撃てない。札幌の悪い特徴になってしまうコネるサッカーが続いてしまう。時間をかけた攻撃に対して、セレッソは帰陣の速さやブロックの使い方が功を奏する。DFラインだけでなく、SHのプレスバックやネガトラの速さに目が張る。特に、カピシャーバの献身的な上下動と正対する金子の攻撃への対応は素晴らしかった。しかし、さすがはJ1トップのドリブラーの金子に破られるシーンも多い印象だったが、ここはクロス精度や中のDFのクリアで難を逃れる。
一貫して札幌の攻撃とC大阪の守備からのカウンターの流れが続くと、17分。札幌のビルドアップのミスをカットした加藤がミドルシュート。ネットに突き刺さり追加点。なんとも勿体ないミスからの失点となった札幌。ダメージのデカい失点。セレッソとしてはハイプレス+圧縮しコンパクトな陣形から得点に繋げた。

見事なハイプレスからセレッソが2点目


2点差を追う札幌は攻撃に力をより一層入れるも息詰まる展開が先程同様に続く。さらに、ビルドアップについては窮屈にしてくるセレッソの守備に追われ、奪われるリスクを減らすために金子等が下がって受けるシーンが増えるもそれがはまることもなく。逆にWBの高さを活かせず、下で持っても囲い込みの速いセレッソの守備に対応され前を向くこともできず。また、相手のプレスをはがすために前線にロングボールを送るも上背のないFW陣には収まらず。セカンドもイマイチ回収できず。敵陣自陣関係なく、セレッソの守備時のバランスやポジショニングは緻密で見事な対応力の基となっている。
38分、セレッソは押し込みからペナ前のこぼれを喜田がシュート。ゴール左上隅に突き刺さるゴラッソ。なんと0-3。痛手となる3点目、苦しむ札幌、戦意喪失か。
それでも前半終了間際のCK。荒野が合わせてようやく1点を返す。

後半

お互い交代はなく、1-3のスコアで後半開始。
後半も札幌の攻撃時間が続く。前半は左サイドの連携や崩しを多用していたが、後半は金子の突破に頼る形に。
金子の突破からはもちろんチャンスは生まれるがシュートを撃ち切るシーンは全くない。セレッソとしては、金子に対して枚数をかけてディレイを促し、その間にボックス内を固めれば良いので単純な作業的な形で守りを固めリードを保つ。
得点を奪えず時間だけが刻々と過ぎていく。すると、76分、右サイドで拾ったレオセアラのクロスをゴール前に入った香川が技ありのシュート。ダメ押しの4点目が決まる。押されている中でしっかりブロックを敷き、奪ってからの良質なカウンターで仕留める。リード時の振る舞いをはっきりさせ理想的な形からGET。
敵陣でプレーする時間の続く札幌は相も変わらずシュートが撃てない。負のループが続いている印象。
結局、試合は1-4でセレッソの勝利。絶望的ともいえる敗戦から何を得るか何が変わるか。本来の姿がこれ?小柏のようにタテへの速さがあるプレイヤーがいないとこんなもん?…苦しい試合が続いてしまうのか。

総括

札幌の前半の攻撃は、左サイドからが多くあった印象。ルーカス・菅・トーヤ・浅野・チェックが絡んで崩したり、速さを見せるシーンがあった。右サイドで金子が起点になって仕掛けるシーンももちろんあったが、今日も含めて最近はパッとしない。やはり、枚数をかけられて守られると苦しいのか、またはWBとしての意識が強いのか、サイドに張りすぎて大外に追いやられている印象がある。ただ、駿汰のアンダーラップやサイドで引き付けることは重要ではあるが、何もかもちぐはぐでうまくいっていない。新たなプランが必要である。
ビルドアップに関しては皆が思うと通りだが、ミスがおいてしまうのは仕方ないといえば仕方ない。しかし、そのミスの仕方を考える必要がある。どんなミスでも許容することはやめたい。今節はバックパスをカットされたが、いつもならGKまで戻せる。これはパスの強さやコントロールのミスが関係していると考えられ、それはリードされていることやプレスのよる圧力によるものかと思う。バックパスをやめれという意見があるかもしれないが、ビルドアップにおいて急ぐ必要というのはないのだ。時間がない時には放ることもあるが、前半からそんなことをしてしまうとロストの確率が上がり、相手は回収するだけで良いのだ。さらに、小柏のようにウラで受けれる選手もいなく、収められるターゲットもいないのでロングの意味もない。
急ぐ必要がないという話に戻るが、ビルドアップ時にテンポや素早さを求めると繋ぐことを放棄し組み立ての意味を見失うことになる。DFを引き付けパスを出すこともなくなるので、DFは狙いを定めやすく受け手の余裕もない。

今試合は前半で気を折られた感じで、勢いも殺された印象。前半戦の勢いはどこに行ってしまったのか、自慢の得点力もどうした!?という…。なんだか上位だからといって気が抜けているのでは。毎試合気合を入れなおしていると思うが、失点してすぐに気が滅入っているように見える。
次節はアウェイ神戸戦。イニエスタの最終試合ということもあり、札幌にとっては異様な雰囲気になるだろう。イニエスタが最後だからといって勝利をプレゼントするわけにはいかない。勝負事の世界だし、リーグの大事な1試合である。簡単なゲームにはならないと思うがやることをやりきってほしいところ。まだまだ期待しているし勝利が見たい。気持ちを見せてくれ!!


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