EURO2024イングランド対スロバキア 本当に少しずつ良化
劇的な試合となったイングランド対スロバキア。ギリギリの試合となってしまったサウスゲート監督への批判は収まりません
一方で確実に良化の兆しが見られました。詳細に振り返って行きます
まずは基本フォーメーションから。イングランドは今までと同様4-2-3-1、スロバキアは4-3-3
劣勢だった前半
相変わらずサイドでパスの出しどころがなくなる
スロバキアはかなり前からプレスに来ましたが、GKまでは追いません。中央を締めて、サイドへのパスかロングボールのどちらかに選択肢を限定させる形。ここはかなり徹底していた印象です
特にイングランドのサイドにボールが入ったらそこで刈り取ろうという狙いを感じました。これまでの試合を見てイングランドのサイドは奪いどころと判断したのでしょう
実際、イングランドはサイドでボールが取られてカウンターを受けるケースが多かったです。右サイドでメイヌー選手が上手くパス交換に加わって崩すケースもありましたが、点は取れず
前からのプレスが嵌まるようになった
改善された点として、前からのプレスは嵌まるようになりました。これまではトリッピアー選手がDFラインに留まり気味で、その手前の敵選手がフリーになりがちでしたが、今回からトリッピアー選手も前に出るようになりました。スロバキアはパスの出しどころがなくなってしまい、かなり困っていた印象です
押し上げ不足でセカンドボールを取られる
問題はその後。スロバキアはあっさりロングボールを蹴ります。そこでイングランドはボールを回収できません。ロングボールを競った後のセカンドボールが拾えなかったことが要因です
更にその要因として、DFラインの押し上げが足りなかったことがあると思います。イングランドは前線がハイプレスに向かう中、DFラインが押し上げず、中盤との距離がかなり空いていました。そこにロングボールを差し込まれ、セカンドボールを拾われてしまっていました
失点シーンもロングボールのセカンドボールが相手に拾われたところから。DFラインの押し上げ不足もグループステージから継続している課題で、解消されないまま失点に繋がってしまいました
大きく戦い方を変えた後半
3バック的に変化しサイドの選手を前に押し出す
イングランドは後半にかなり戦い方を変えました。そしてそれはかなり有効だったと感じます
まずメイヌー選手(追記:またはライス選手)がDFラインに下りるようになりました。3バック的に変化し、その分ウォーカー選手とトリッピアー選手がかなり上がる形。左サイドはフォーデン選手が内に入り、トリッピアー選手が外に張って、前線が5トップや6トップに近い形になりました。サカ選手が左SBに入ってからはこの傾向が顕著に。これにより相手DFラインに対して数的有利が生まれました
とにかく縦にパスを差し込む
そして数的有利の前線にとにかく縦パスを入れるようになりました。DFラインに入ったメイヌー選手かボランチのライス選手からとにかく縦。多少ボールを取られようがとにかく縦。そして内が締められたら逆サイドに大きくサイドチェンジ
この戦法は大きく功を奏し、サイドを何度も突破。多数のクロスを上げるようになります。しかしクロスの精度に欠けてなかなか点が取れず…
結局はセットプレー2発で逆転勝利。イングランドの選手の一つ一つのプレーはとても気迫がこもっており、同点シーンはとても感動しました
後半の戦い方ができれば良い勝負をするのでは
個人的には後半の戦い方はとても良かったと思います。カウンターも結構食らってましたが、サイドでボールが詰まりにくくなり、何度もサイドを破れるようになりました。後はクロスの精度を如何に上げるかと中央を如何に崩すか、更には後半のような戦い方が最初からできるかだと思います
なんだかんだ言って課題が一つずつ解消されていっている感はあります。次の試合も更に良くなる気がしますし、楽しみにしたいと思います