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常に考える癖をつけるから、自ら行動していくようになっていく(考察編)

問いを投げかけるのは、相手の考えを知るためでもあり、話に食いつかせるためでもあります。でも、岩谷篤人氏が問いを投げかけるのは・・・

考えることを癖づけていく

岩谷篤人氏の指導では、選手に問いを常に投げかけます。それは選手に

『常に考える癖をつけるため』

今から何の話をすると思う?

何で集合してもらったと思う?

何でこのルールでやると思う?

何を練習すると思う?

何が狙いの練習やと思う?

・・・etc

問いを投げかけることによって、「この人は何を考えているのだろうか?どういう意図でこの問いを投げ掛けてきているのだろうか?」と『相手の思考』を考えるようになる。

何も考えていない頃は、相手は何を考えているのだろう・・・?正解がわからない・・・?と思考を停止して、相手の答えを待っている状態になる。

でも常に問われて、相手の意図を考えているうちに、自分ならどう考えるだろうと、結局は自分の思考を確認することになっていく。

また、岩谷篤人氏の問いは正解を答えさすための問いではない。だからこそ、その問いへの答えに対していつも

「この人が言うことも、この人が言うことも間違いではないと思っている・・・」

「そんなこと考えるんや、勉強になるな・・・」

考えたことを尊重した上で、

「俺が思うのは・・・」と話していく

つまりは、考えは多様でいい!

でも上手くなるなら、こう考えるとどうなる?みたいなアプローチにより、考えることの楽しさ、奥深さを引き出そうとしている。

それは、指導を通してだけではなく、指導者に話をするときにも、そう思考するように導いてくれている。

その繰り返しのなか、選手は『言葉の中に隠された意図』『練習に隠された指導者の意図』を考えるようになる。

このルールで勝つには、何が重要か?

相手にとって嫌なことは何か?

どこがチャンスになっているのか?

何でピンチになっているのか?

上手くなっていくために、何にチャレンジすべきか?

・・・etc

自ら考え、行動していく。

まずは考えることを癖づけなければ、間接的に指導することはできない・・・


考えない癖をつけると、直接的に言われた言葉だけで行動し、言われたことを正確に上手にこなすだけになっていく・・・

「常に考えるようにしむけないと、考えない人になっていく・・・それでは閃かない・・・」

『常に考える癖をつけていく!』

それは、サッカーにおいて重要である以上に、その子が生きていく上で不可欠な癖

どんな問いを投げかけるか?

そここそが、人を育てるために、避けては通れない指導者のセンスが問われている



考えさせるための共有イメージ

考える癖をつけるアプローチをすることは大切ですが、何を考えるようにしていくのか?

そこに指導者の違いがあらわれてきます。

岩谷篤人氏の指導では、こうプレーしなさいという直接的な指示による指導よりも、選手のイメージを膨らませる話を重視している。

どんな選手が上手いか・・・

どういうプレーをしているときに魅力があるか・・・

このチームがゴールを生み出すのは、どんな時か・・・

何を思っているのか・・・

・・・etc

チームに新たなイメージを持たせる時には、何度も何度も話をして、イメージを持たせていく。

選手のプレーから選手の思考を想像し・・・

問いを投げ掛けて考えさせ・・・

またイメージを膨らませる話をして、共有イメージを選手の脳に作り上げていく。

選手に問いかけながら、変わってきている部分に焦点をあて、互いの共有イメージを強固にしていく。


その繰り返しにより、指導者の思考から発していたイメージが選手に伝染し、

選手の思考側から、そのイメージを表現したプレーになりはじめると、

選手の思考の癖になるまで、何も言わずにプレーを見守り続ける。



その際に、指導者の影響力が強ければ強いほど、選手は今話したことを実行することに集中してしまうため、

新たなイメージを持たせる中、今までチームにできあがりつつある良い共有イメージが消えてしまわないように、必ずチームの『良いプレーを解説する』ことを忘れない。岩谷篤人氏は、

「いいプレーがでたときに、指導者はいいプレーだと選手もわかっていると思いこんでいるが、選手の思考はバラバラに認識している可能性がある・・・

だからこそ、こういうプレーは、いいプレーだ・・・ああいうプレーがでたときに、このチームの魅力がでてくる・・・

チームに共有イメージを持たせるために、『解説』する必要がある。」


指導者の思考から発したイメージを、選手がただ実行しているだけなのか?

選手の思考から共有イメージを発して、プレーしはじめているのか?

その見極めにより、同じ練習メニューでもアプローチは変わってくると思います。



岩谷篤人氏との対話。考えるようにさせるためには、喋らせないといけない。そういう地道な努力はすぐに結果はでてこないし・・・半年続けて・・・1年続けて・・・2年続けて・・・少しづつ生意気になってくるというか・・・生意気になってきたというのは、自分の考えが出てきているということ・・・


岩谷篤人氏との対話の中から、魅力的な人を育てるには、関わる大人の人としての度量が問われていることに気付かされる。子ども達にどう生きてほしいか?を考えると、結局ブーメランのように自分が問われてくる・・・


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岩谷篤人氏についての参考記事

野洲はまるで今年の川崎フロンターレを先取りするようなパフォーマンスを見せていた。両SBを高く上げ、CBの間にアンカーが落ちてビルドアップを開始。選手同士の距離を短く保ち相手を自陣に押し込むと、高い位置から厳しい守備で奪い 再びハイテンポのパス回しを始める。岩谷が求めたのは、足もとの技術だけではない。「世界最速のプレスバック」と号令をかけ続け機敏な守備も加味していた。

「こういう守備を実現するには、こんな繋ぎが必要なんや。それをJFA関係者やJリーグの監督たちに見てもらって、将来の参考にして欲しかった」(岩谷)

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*考察編では、岩谷篤人氏の指導の奥にある意図を導き考察し、できる限り伝わるように筆者の言葉で記載しています。

育成のための指導力を伸ばしたい!

子ども達のプレーを変えたい!

football を変えたい!

そんな志を抱いた指導者の一助になれば幸いです。

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