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魅力を育てる (対話編)

大人の言うことを素直に聞くけど、閃かない子ども達に、指導者がどう接していくかについての岩谷篤人氏との対話

自分で考えるようにさせる

考えるようにさせるためには、喋らせないといけない

そういう地道な努力はすぐに結果はでてこないし

半年続けて・・・1年続けて・・・2年続けて・・・

少しづつ生意気になってくるというか・・・

生意気になってきたというのは、自分の考えが出てきているということ

子ども達が相手を見て「上手くないな・・・勝てるわ」とか自分から思うようになったら、見極めをするようになってきているということ

それは、考えているということ

俺が驚いたのは、最近の子は何も考えていないというか、ただぼ〜と歩いて、緊張しているのかしていないのかさえ、わかりにくいというか・・・

相手をなめているなら、なめてやればいいのに・・・

そうしたら、指導者が怒るわけや

「お前ら、何なめてるんや!もっと真剣にやれ!相手は相手でやってきているから、ボール大事にしなさい。」

すると、「わかった」ってやりだす

それの方が、子どもらしい

少し自分勝手な、自分の考えがあって・・・

それを、相手に何か言ったらいけないとか、相手とも仲良くしなさいとか、そんなことばっかり言って

大人に言われてからしか本気で戦う子はいないし、相手をおちょくってやるって遊ぶ子はいないし・・・

相手をおちょくれって言わないと、相手をおちょくらない・・・

遊ぶことまで、練習してやらないといけない・・・

何が楽しくてサッカーやってる・・・


日本の指導者は大変・・・

親のやることも、やっていかないといけない・・・

学校のやることも、やっていかないといけない・・・

友達で育てることも、育てていかないといけない・・・

サッカーも、教えていかないといけない・・・

ましてやこんな社会になって、

人としてどう生きていかないといけないかにも、触れていってあげないといけない



魅力的な人というのは?

俺は自分が関わった子どもが、人生に成功してほしい、夢をかなえてほしいとか、そんな風に思っていない・・・

例えば、仕事で成功してほしい、社会で成功してほしい、サッカーで成功してほしいとか・・・

成功してくれたら、それはそれでいいことやけど・・・

俺は自分が関わった子は


人に好かれてほしい

魅力的であってほしい

もててほしい

なんかいつもそう思っている


男って、どうあるべきか?

人として、どうあるべきか?

どんなことに魅力を感じるのか?

どんなふうにすれば、「あの選手を好きや」と思ってもらえるのか?

俺はいつもそう思っている


あいつの言葉はかっこいいよな

あいつは信頼できるよな

あいつの言うことはいつも熱いよな

あいつ好きやな

何かそんな人になってほしいと思っている



脳と心を育てなければ魅力ある選手はうまれない

魅力は、どんなものなのか?

魅力に対して努力する姿は、どんなものなのか?

魅力はプレーだけじゃない・・・


その子の発想力とか

瞬間的にどんなことを思ったのか

どれぐらいの心の余裕があったのか

どれぐらい真剣やったのか

そういう姿に心打たれることが多い


それこそ、泥臭くっていう言葉は俺は嫌いやけど・・・

自分のミスをカバーするために、ものすごく頑張って走るし滑るし、チームが危ないときに、そういうことやる子も、

その心が、俺は魅力があると思う


何か瞬間的にしたときの閃きに、何か魅力を感じる

それを使った瞬間

そのタイミング

味方とのコンビネーション

・・・etc


ただボールをつないでいるとか、正確にやっているとか、それだけに本当の魅力は感じないと思う・・・

技術は、1年、2年、3年、10年、20年・・・続けていたら上手くなる

リフティングでも、今1000回つけない子でも、1年、2年、3年・・・やっているうちに、いつかできるようになる

でもそんなことより、もっと大事なのは、それを使う脳

脳を育てずして、魅力のある選手は絶対でてこない



大物になるには、そういう時期が必要

技術なんかは指導者の力ではなくて、はっきり言って練習していたら勝手に上手くなる・・・

俺と関わってくれている指導者のチームなら

選手に、一味も二味も魅力がある

発想力とか考えている事とかに魅力がある

そういう選手を育ててほしい


逆に言わせたら、こいつら生意気やなって批判する人達もいるかもしれない

俺なんかは、たくさん批判されてきた

生意気や、子どもらしくない、挨拶さえちゃんとしない、そうやって型にはまった大人には嫌われて結構と思ってやってきている

中学生ぐらいになったら、いらないことも言うようになる

対戦チームがリフティングして数回で落としたら、うわ〜めっちゃ下手やとか、平気で言ったりする

そうすると生意気やとか、そういうことを言われる・・・

そうしなさいと言っているわけではないけど・・・

そういう風に誘導しているのは俺なんやけど・・・


いけないことはいけないって、いつかは注意していかないといけない時期はくるけど、

育成の途中段階では、早い段階から大人の言うことを聞かせて、大人の思ういい子にしてしまうのではなくて、

そういう時期は、子どもは通っていかないといけないと思っている

思春期という時期があるみたいなもんで・・・

脳を鍛えていく段階では、そういう時期を通ってこないと、大物にはなってこない



岩谷篤人氏との対話の中から、魅力的な人を育てるには、関わる大人の人としての度量が問われていることに気付かされる。子ども達にどう生きてほしいか?を考えると、結局ブーメランのように自分が問われてくる・・・



問いを投げかけるのは、相手の考えを知るためでもあり、話に食いつかせるためでもあります。でも、岩谷篤人氏が問いを投げかけるのは・・・



岩谷篤人氏との対話。少年の時は変わらなかった二人は、中学年代で差がひらき、高校に行ったらレベルが違う選手になっていた・・・狭いところへ切り込める選手か・・・切り込めない選手か・・・その差は選ぶプレーを変えてしまい、埋めることのできない差になっていく・・・切り込める選手は、結局パスは鋭くなる。

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岩谷篤人氏についての参考記事

野洲はまるで今年の川崎フロンターレを先取りするようなパフォーマンスを見せていた。両SBを高く上げ、CBの間にアンカーが落ちてビルドアップを開始。選手同士の距離を短く保ち相手を自陣に押し込むと、高い位置から厳しい守備で奪い 再びハイテンポのパス回しを始める。岩谷が求めたのは、足もとの技術だけではない。「世界最速のプレスバック」と号令をかけ続け機敏な守備も加味していた。

「こういう守備を実現するには、こんな繋ぎが必要なんや。それをJFA関係者やJリーグの監督たちに見てもらって、将来の参考にして欲しかった」(岩谷)

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*対話編では、岩谷篤人氏と指導について対話をする中で、岩谷氏の言葉・思考をできる限り忠実に文章化しています。

育成のための指導力を伸ばしたい!

子ども達のプレーを変えたい!

football を変えたい!

そんな志を抱いた指導者の一助になれば幸いです。


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