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「バリーシール」;出来るだけあなたに伝わるように書く感想文<42>
「バリーシール」(映画/2017)
トム=クルーズ主演の伝記的犯罪映画が本作。原題は「American Made」。CIAによる米国の中南米政策と、コロンビアの麻薬王に翻弄されるすご腕パイロットの実話。
アメリカの光と闇を描く作品として一見の価値はあると思う。
でも別に見なくていいし、金掛かってんなという印象だけを受ける。
「アメリカンドリーム」という言葉は今でも存在するのだろうか。
欧米の高等教育制度や、米国における近年の階層格差というのは、欧州諸国や日本が戦前までに作ったものが再び構成されつつあるような違和感を感じる。成り上がり国家で、その機会を与えられる人々はそれでもまだ存在すると言えるのだろうか。
もちろんフロンティアが存在しにくくなっていることは歴史が証明しているし、フロンティアを見つけることはこれまで以上に難しいことも明白だと思う。しかし、米国のこの繁栄がチャンスを比較的平等に与える国家だったからというのがもっともらしい理屈である以上、マグセブンが牛耳る状況はその国が自らフロンティアを押しとどめることに繋がるような気がしてならない。麻薬でドリームを掴むことはよろしくないとは言いつつも、そんなドリームが存在し得ない国になってしまうのであれば、その国は終焉を迎えても当然のことなのではないか。