「エクスペンタブルズ ニューブラッド」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文⑨
「エクスペンタブルズ ニューブラッド」(映画/2024)
配信やテレビで見ても良かったと感じる作品。たしかに起こる事件はその顛末を考えると、シリーズが続くにつれ大きくなっていると言える。前作やその前の作品を踏襲した関係性が、さまざまな方法で加わっているところも、複数回にわたるシリーズ化がなされている作品だからこそである。でもこの作品を物足りないと感じてしまったのはなぜなのか?それは出演者の豪華さが劣っているからだけではない理由を感じる。
僕は映画の「つながり」を感じることが好き。基本的には伏線がそれにあたるが、登場人物の関係性やその演者の過去の出演作品も僕の「つながり」というカテゴライズには含まれる。映画を体験するとき、僕はいろいろ想像を巡らせながら鑑賞する。特にそれが商業映画なら、なおさらだと思っている。
そのつながりが今作では薄かったと感じる。ネタバレをするわけではないが、人を殺す手法があまりにも淡泊に感じてしまう後半の展開である。最後の展開も、ある意味予想できたし、そうならなければおかしいと思ったぐらい。ふたりが横に並ぶ演出も予想で来てしまった。展開し回収するのが映画の魅力だとすれば、その回収方法が淡泊で記憶に残っている状態のままだったことが大きいのかもしれない。
「あー、すげぇーなぁ」という感想のみを抱かせる映画が、この映画シリーズだと思っていた。内容は無くても楽しめるという強みを過去のシリーズは有していたと僕は思う。今回はそれすらも感じることが出来なかったのは、私の感性が不足してきていることが大いに影響しているのかもしれない。でも、多くの映画鑑賞者がこんな感想を抱いているような気がしてならない。