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「Once Upon a Time in... Hollywood」;出来るだけあなたに伝わるように書く感想文<63>
「Once Upon a Time in... Hollywood」(映画/2019)
クエンティン=タランティーノが監督、ブラッド=ピットとレオナルド=ディカプリオがダブル主演を務めた作品。両者が共演するのはこれが初めての作品だそう。第92回アカデミー賞で、本作は作品賞を含む10部門にノミネートされ、助演男優賞と美術賞を獲得した。史実として、ハリウッド女優シャロン=テートがチャールズ=マンソン率いるカルト集団「マンソン・ファミリー」に殺害された事件を関連させている。
舞台は1960年代後半の米国・ハリウッド。映画俳優として落ち目の男(ディカプリオ)と、その男のスタントマンを務める男(ブラッド=ピット)の物語。
50年代はテレビドラマを中心に西部劇の主演を張ったリック=ダルトンも、ヒッピーの時代には取り残されてしまい、映画に出演したとしても悪役が多かった。酒浸りになり、セリフを覚えきれず演技をするリックだったが、それでもかつての映画とその誇りからイタリアでの西部劇の撮影の誘いはどうしても乗り気になれないのであった。。
とっても面白かった。やはりタランティーノ作品は何が言いたいのかわからないが、少しでもわかる部分があると嬉しい。
1960年代のハリウッドの雰囲気をとても解像度高く描く。街の雰囲気もそう、退廃的な空気もそう、なかでも映画の撮影技法や現場が描かれ、文字通りのonce upon a timeを理解する。そういった部分でも見ごたえがある気がする。
タランティーノ作品を鑑賞した後に筆を取る人間は、どうしても自分自身の感性、レンズを通して見た思いを書き綴りたくなってしまう。僕もそう。
だけど、今回は辞めよう。よかった。それでいい。そして分からないものを分からないままおいておく強さを心に置いておきたい。