【J1第30節ジュビロ磐田対清水エスパルス マッチプレビュー】〜みんなでプレビュー静岡ダービー〜
ダービーの注目選手は、
ジュビロ:藤川選手
エスパルス:ドウグラス選手
ジュビロサポーターの皆さん、お世話になっております!エスパルスサポーターの皆さん、初めまして!ジュビロサポでレビュー等を書いている そうと申します。ご覧いただきありがとうございます。
静岡ダービーのプレビューということで、いつも通り、対戦相手(エスパルス)の特徴と個人的注目ポイントをまとめます。が、その前に。
今回は、エスパルスサポーターのゆぅちゅん(遊猫)@Nikonさんから、以下の企画を提案していただきました!静岡ダービーを盛り上げようとサポーターが協力するのはいいですね。お声を掛けていただきありがとうございました!ということで、今回は気合いを入れて書きましたのでお付き合いください(笑)。上記の注目選手について、理由は後述します!
今回は2部構成です!
第1部は、スタッツ等のデータから静岡ダービーの展望と、ジュビロがエスパルスをどう攻略したらよいかの私案をまとめます。
第2部は、直近3試合から見えたエスパルスの攻め方・守り方を第1部で提案した攻略案の根拠としてまとめます。
ではさっそく。
【第1部 データから読み解く静岡ダービー】
静岡ダービーの過去対戦成績は、ジュビロの24勝6分19敗(リーグ戦のみ)と、ジュビロが勝ち越していますが、直近5試合に限れば、2勝1分2敗の完全な5分!(カップ戦等々を含めると部が悪いので見ないフリ 笑)
拮抗していて面白いですね!
続いて、今シーズンの両チームのスタッツをまとめます。両チームともシーズン中の監督交代がありましたので、監督交代後のスタッツ示しています。()内の数字は、指揮したリーグ戦の試合数を意味します。
ここから見える両チームの特徴は、
・ジュビロはボールを保持したい。一方、エスパルスはボール保持にこだわらない。
ここで面白いデータを紹介します。
下図は、エスパルスの今シーズンの試合結果とポゼッション率の関係性を示しています。
この結果を見ると、エスパルスは、ポゼッション率が50%より高い試合ではほとんど勝てていない (勝率16.6%)のに対し、ポゼッション率が50%以下の試合での勝率は、39.1%。そして、勝ち点を獲得した試合に限れば、56.5%です! 約9割の勝ち点を相手にポゼッションを許した試合で獲得しています!
そのため、ジュビロがボールを保持する展開はエスパルス有利かに思えます。しかし直近3試合(リーグ戦)に限れば、
ポゼッションを許した試合で敗戦するという逆の傾向が伺えます。
つまり、ここで言いたいのは、
ジュビロがボールを保持する展開が予想されるが、浦和戦や広島戦を参考にすれば勝機が見える!!
ということです。
ただし、そこはダービー。
ダービは激しい球際が多い印象ですが、実際に前回のリーグ戦対戦時のスタッツを見てみると、
デュエル数が165回。この数字は、両チームとも今季最多のデュエル数となっています。やはり、ダービーは激しい展開が必至ということです。
ここまでをまとめると、
・ジュビロはボールを保持したい。
一方エスパルスは、デュエルの多い(テンポの速い)展開を好む。
・エスパルスは、ボールを保持された試合で敗戦を喫している(直近)。
・ダービーは激しさ必至。
つまり、データから見たダービーのポイントは、
ジュビロがいかにボールを保持する時間・展開を作れるか
だと考えます。
ここまでが第1部です。
ここからは、”なぜジュビロがボールを保持することが有利に働くのか”について、ピッチ上の現象からまとめます。
この後もよろしければお付き合いください!
【第2部 ピッチ上の現象から見たエスパルス攻略】
ここからは、いつものプレビュー通り、エスパルスの攻め方・守り方についてまとめながら、ボールを保持する展開からどう攻略するかに焦点を当てて、述べていきます。
〇スタメン
下図は、直近3試合のエスパルスのスタメンです。
システムは3試合すべてで4231。変化があったポジションは、右サイドバックと右ボランチの2か所です。残りの9か所の選手は、ダービーでもスタメンだと思いますが、残りの2人はコンディション等もあるようなので、どうなるかは分かりません💦
ただ、システムの変更はないと思われますし、選手が変わってもやることは変わらないので、特に今回は深掘りしません。
一方のジュビロは、前節の鳥栖戦で最終ラインに変更がありました(詳細は鳥栖戦レビューをご覧下さい👇🏻)。
しかしこれは、対戦相手を考慮した変更だと思うので、ダービーではこれまで通りの布陣だと予想します。
個人的には、ムサエフ選手もアリかなと思っているのですが、最近はなかなか出番がありません。(フベロ体制の当初はスタメンで出ていたのにどうしたんでしょうか。。。)
さて、ここからはエスパルスについて詳細に見ていきます。
【エスパルスの守り方】〜浦和戦・広島戦から見えたエスパルスの隙〜
〇ボール比保持時時のエスパルス
相手がボールを保持している時のエスパルスは、ブロック形成を優先します。相手が自陣に侵入してきたらアプローチに行くというスタンスです。
特徴は、
①中盤4枚は中央を封鎖。
②サイドに出たら、SH(図では金子選手)がアプローチ。
③トップ下(河井選手)は相手の中盤へのパスコースを遮断。
です(上図)。
②の補足ですが、3バックの広島や浦和のハーフディフェンダー(両脇のCB)とWBの2人をSHがケアする形でした。
エスパルスは上述したように、パスが出てから(出そうになったら)中盤がアプローチというスタンスなので、CB3枚でビルドアップを試みる相手には、CB3枚に対してドウグラス選手1人で対応していました(上図)。
したがって、この状況では攻撃方向を限定できず、相手にボール保持を許す展開となりました。
フベロ体制のジュビロは、中盤の選手が降りて2CBと合わせて3枚でビルドアップを試みまし。したがって、上図と同様の形を作り出せます(下図)。そのため、ジュビロがボールを保持する展開は作れると思います。
ただし、今回はダービーなので、エスパルスが前からプレスをかける可能性も否定はできません。
ですので、ジュビロは相手をよく見て対応をする必要があります。
【注目ポイント①】序盤の展開
ジュビロがボールを保持する展開となるのか、それとも落ち着かない展開になるのか
【狙いたいスペース】
上述した理由から、ジュビロがボールを保持する展開は作れると予想できます。しかし、中央を固める相手に対して外回りのパスだけでは攻略はできません。
そこで狙いたいのが、
①中盤と最終ラインの間(以下、ライン間)
②CB-SB間
の2つのスペースです。
このスペースは、どのチームを相手にしても狙いたいですか、エスパルスもこのスペースを使われて危険なシーンを作られていました。
それぞれのスペースを使われたシーンをまとめます。
【狙いたいスペース①】~ライン間~
浦和戦で何回か見られたのがこのようなシーン。
中盤の選手(上図では竹内選手)がCBに対してアプローチに行ってしまい、ライン間を空けることが何回かありました。エスパルスの中盤は前への意識は強い一方、空けたスペースへのケアの意識は高くない印象でした。
しかし、中盤の選手がここまでアプローチに来ることはあまりないため、狙いたいのは1つ前。
3列目の選手に預けることで、エスパルスの中盤の選手を引っ張り出し、エスパルスのライン間を空けるような工夫が必要となります。先発が予想される藤川選手は、ライン間でのパスの受け方・反転が上手く、チャンスを創出したシーンが鳥栖戦でありましたので、ライン間の攻略は彼に期待したいところです!
ただし、中央を閉める意識が強いエスパルスに対して、安易な縦パスは引っ掛けられてカウンターを受ける危険性もあります。
湘南がまさにこのパターンでした。湘南は、ポゼッションにこだわらず、縦方向への意識が強いというチームカラーもありますが、縦パスをひっかけられてはエスパルスに攻め込まれ、自分たちのリズムを作れていませんでした。
即ち、ボールを保持する上で大切になるのが、焦れないことです。
上述したように、エスパルスのSHはハーフディフェンダーとWBの2人(ジュビロに置き換えると、CBとSB)をケアしなければならず、守備面で相当な上下動が求められます。そのせいもあってか、後半になると中盤の選手間が間延びし、縦パスを通されるシーンが増えていました。
ジュビロとしても安易な縦パスは狙わず、じっくりエスパルスの選手間を広げることが有効です。
【注目ポイント②】
焦れない:安易に縦パスを狙わない
【狙いたいスペース②】〜CB-SB間〜
続いて、CB-SB間を使われたシーンです。
広島戦の失点シーン(2点目)がこちら。
右WBの柏選手がボールを持っている状況で、CB-SB間(二見選手-松原選手間)へ走られた際に、エスパルスは中盤の竹内選手が対応をしました。おそらく中盤の選手が対応することが約束事になっていると思われます。その結果として空いたスペース(上図、スペース)に柏選手がワンツーで走りこむのですが、
松原選手がボールウォッチャーになり、対応が遅れてしまいます。最終的にゴールエリア近くで上げられたクロスを決められ、失点しました。
つまり、CB-SBに選手が走りこむことでエスパルスの中盤の選手を引っ張り、空いたスペースを利用した広島の得点シーンでした。
ジュビロの課題として、スペースを作る動きが足りないことは何度か述べていますが、ダービーでどれだけ相手を動かすことができるか注目したいです。
また広島戦の1失点目は、2点目同様、右SBの鎌田選手がボールウォッチャーになったことが要因の一つなので、SBの対応も狙いどころになりそうです。
【エスパルスの攻め方】〜湘南戦から見えたエスパルスの怖さ〜
エスパルスのボール保持時の特徴は、逆SHが中央付近に移動することです。
それにより相手の守備意識は中央によるため、エスパルスはサイド攻撃を主攻とします。ただし、目的はこれではありません。
ジュビロのSHも内側に移動しますが、エスパルスと目的は異なります。ジュビロは、ハーフスペース(簡単に言うとCB-SBのレーン)を利用したいのに対し、エスパルスのSHが内側に(中央付近まで)移動する目的は、ドウグラス選手のサポートだと思います。
象徴的だったのが、湘南戦のこのシーン。
左サイドにボールがある時、右SHの金子選手は中央に移動します。
①前線から下がってきたドウグラス選手に縦パス。
②③ドウグラス選手は、金子選手にダイレクトで落として、ワンツーで湘南ディフェンスラインの裏に抜けだす。
ドウグラス選手は、ビルドアップにはあまり関与しませんが、ボールを受けに降りて、ダイレクトで近くの選手に落とすシーンが何回かあり、攻撃のスイッチとして機能していました。
またドウグラス選手は、現在12得点で得点ランクが2位。かつ、リーグ戦3試合連続ゴール中!!ジュビロは彼を自由にさせないことが最も重要です。
【注目ポイント③】
ドウグラス選手を自由にしない
〇エスパルスのボール保持時
第1章のスタッツでも述べましたが、エスパルスはボール保持にこだわりません。ジュビロのように形状変化(ポジション移動)を起こすこともないため、プレスにかけられやすいのが特徴です。
そしてエスパルスの最終ラインは、プレスをかけられると無理をせずロングボールという選択を取ります。この時、ドウグラス選手がターゲットなのでしょうが、あまり明確ではなく、相手の選手しかいない場所に蹴ってしまう場面が度々ありました。
ジュビロの442は、エスパルスの4231に対し、システムの噛み合わせ上、目の前の選手を捕まえればパスコースを消せます(上図)。加えて、ダービーであることを踏まえると、ジュビロは前からプレスをかけることが予想できます。
その際、上述したように、エスパルスはロングボールを蹴ると思われるので、そのセカンドボールを拾い、再びボール保持をする展開を作りたいです。実際に広島や浦和は、ボール保持で押し込む→奪われてもプレスでロングボールを蹴らせる→セカンドボールを拾う→ボール保持で押し込むのループが成り立ち、ボールを保持し続けることでエスパルスの選手間を広げることに成功していました。
これがジュビロも狙いたい展開であり、僕がジュビロのボール保持を支持する理由です!!
【注目ポイント④】
前からのプレスで蹴らせたセカンドボールを拾えるか
以上がジュビロ視点からのプレビューです。
個人的な注目ポイントは、
①序盤の展開
ジュビロがボールを保持する展開となるのか、それとも落ち着かない展開になるのか
②焦れない:安易に縦パスを狙わない
③ドウグラス選手を自由にしない
④前からのプレスで蹴らせたセカンドボールを拾えるか
最後に〜静岡ダービー〜
勝者が強者。静岡ダービーに関しては、多くの人が思ってるはずです。ただし、1つ明確にしたい僕のスタンスは、お互いに挑発し合うような関係は望まないということです。
清水エスパルスは好きなクラブの1つです。理由は、僕が静岡県出身者であり、清水エスパルスが静岡県のクラブだから。もちろんアスルクラロ沼津や藤枝MYFCも同様です。単純な理由ですが、それが僕のスタンスです。
クラブや選手達も絶対に負けない!!という気持ちはあれど、挑発し合う関係性は望んでないと思います。そうでなければ、両チームの選手が一緒にトークイベントなんてしないと思います。
それに、North London is REDだなんて言ってしまう選手もいないわけですし(伝わる人にだけ伝われ!)。これはこれで、嬉しいのですが(笑)。
ですので、ジュビロサポとエスパルスサポ、お互いにダービーを盛り上げていけたらいいなと常々考えていました。そんな中で今回は、お互いにプレビューを書くという機会を設けていただき、その結果エスパルスサポターさんと交流の機会を持てたのは (SNS場ですが笑)、とても嬉しかったです!そして、この交流は今後も継続していけたらいいなと思います。
クラブレベルにおいても、また再びジュビロとエスパルスが優勝争いを繰り広げたら楽しいんだろうなーーと思っています。
今の順位で何言ってるんだって話ですが、これは個人的な夢(望み)です。
もちろん優勝するのはジュビロですが(笑)。
繰り返しになりますが、ダービーは勝者が強者です。ラグビーW杯やルヴァン決勝のような、熱い熱い展開を期待しましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました!
※データはSofaScore参照です。