【PickUpMatch】#007.J1初の連勝へ。鍵はセカンドボールにあり。
代表ウィークで1週間空いたJリーグ。第7節が各地で行われた。
前節横浜FCホームで2-1で破った徳島はJ1リーグ初の2連勝を目指し敵地清水エスパルスのホームに乗り込んだ。
結果は3-0で、徳島が清水を完璧に攻略した。僕が観てきた徳島ヴォルティスのゲームで最もゲームプランと内容が一致したゲームだったんじゃないかな。
そんな完勝ゲームをレビューしてみる。
Topic①:立ち上がりから見せた強烈な姿勢
前半開始から徳島ヴォルティスの明確な意思を感じた。ボールを持つことを恐れず握り、ゲームをコントロールするという意思である。
開始早々ボールを持つと、最終ラインからもキーパーの上福元を交えながらビルドアップを行う。
このゲームでは、最前線に垣田をスタートから起用したことで、困った時の逃げ道をチームとして持てたことも大きかっただろう。
前線でタメることができる大型FWがいるだけで、敵チームは否が応でも意識せざるを得ず、前からのプレッシャーにブレーキがかかるのだ。
また今節ボランチで初スタメンとなった鈴木徳真が完璧な働きを見せる。
最終ラインがボールを持った瞬間、清水のFWの間に降り、中間でパスを堂々と受け、卓越したボールコントロールで前を向き、2列目に的確にボールを出していく。
(手元でデータを見れないのではっきりとは言えないが前半のボールタッチするパス成功率は両チーム通じてトップだったんじゃないかな?)
鈴木徳真が間に降りることで、センターバックに一つの選択肢をもたらし、その結果徳島の中盤に自由が生まれた。
岩尾が敵FWの脇に降りる時間ができ、フリーになる瞬間が増えたのだ。これにより、清水のディフェンス陣が捕まえられなくなってしまった。
(エスパルスのスタメン、西澤健太と金子翔太は数試合スタメンから外される可能性が高そう、、。)
リンクマンとして前線と最終ラインの繋ぐ役割をしっかり果たすと、徳島の2列目に位置する宮代や渡井の良さが際立った。
中盤でゴール方向に向かってプレーできたことでパワーが増し、チーム全体が前進する推進力になった。
U24日本代表戦でも改めて浮き彫りになったが、後ろと前を繋ぐ中盤の安定感がいかにゲームをコントロールし、引いては勝敗を分けるかが明確なゲームとなった。
Topic②:セカンドボールを制するのはどちらか
①では、徳島のJ2時代から積み上げてきているビルドアップと戦い方をボールに対する立ち位置と共にコメントしてきた。
清水エスパルス戦なぜ①がうまくいったのか、それを紐解く鍵がTopic②のセカンドボールにあったと僕は思う。
①でも挙げたが、鈴木徳真のプレーが徳島ヴォルティスに前向きのパワーを与えることになる。
観れる人はぜひDAZNでチェックしながら読み進めてほしい。まず前半27分(先制点)のシーンだ。
最終ラインでボールに一度関わると、上福元から前線の渡井にロングボールが出る。このこぼれ球をいち早く予測し、マイボールにしてしまった。
自分の頭をボールが超えた瞬間に次のプレーへの予測ができており、かつファーストタッチが前に向かっている。宮代の能力の高さもゴールにつながった要因だが、徳真のゲームを読む力(個人戦術)の高さが得点を生んだ場面だった。
また、57分ゴール前での守備のシーン。徳島のディフェンスがクリアしたボールが相手に出たが、的確なポジション(前向きで敵に相対できる位置)にしっかりと戻り、持ち前の予測で原からスライディングでボールを奪った。
彼の良さが存分に発揮されたシーンだったと思う。
ほんとに目立たないプレーだけれど、こういう細かいところでマイボールにし続けられたことが徳島ヴォルティスが試合を通じて優位に進められた要因だと思う。
※参考※
あくまで参考なので、メモ程度に読んでいただければと思うが、84分のシーンはセカンドボールが拾えないとどうなるかの例が見られた。
徳島のチャンスシーンだったが、セカンドボールの攻防で競り負け、エスパルスのシュートシーンまでつながった。サッカーに「たられば」は禁物だが、この一瞬が勝敗を分ける。
Topic③:子供達に真似して欲しいプレー
ここでは、このゲームで見られた良いシーンを記載しておきたい。
31分のボールの受け方について。
センターバックがボールを持った瞬間、後ろに数歩バックステップを踏みながら、ボールを引き出し、より高い位置で前向きになったこの場面。
ゲームの展開を読む力とパスコースの把握、いろんな要素が詰まったとても良いシーンだった。(ちなみに僕はサッカーをしてた頃、この動きが大学生に入るまでできなかった、、笑)
このバックステップを数歩踏むことで、相手のプレッシャーを回避できると同時に、ファーストタッチをより相手ゴール付近で触ることができる。洗練されたとても貴重なシーンだった。
鈴木徳真選手には今後も期待!
ぜひ頑張ってください!!
それでは。
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