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コラム#② コロナ禍で図らずもJリーグが得た副産物

2020年シーズンは、歴史に深く刻まれるシーズンとなった。
新型コロナウイルスが世界的に蔓延し、日本政府は緊急事態宣言を発令。
スポーツ界だけでなく、コンサートなど人々が一堂に会するイベントは軒並み中止。
サッカー界も未知なるウイルスと対峙しながら、多くの決断を迫られた。

日本人の真面目な性格も相まって、一度観客動員を開始するとフェーズ(Jリーグが規定したコロナウイルス感染症ガイドライン)から12月末時点で一度も逆戻りすることはなかった。
無事シーズンを戦い切れたことは、選手、スタッフ、サポーター、多くの関係者の多大なる尽力があったからに違いない。
心からJリーグに関わる全ての人に拍手を送りたいと思う。

さて、今回はそんな2020シーズンを冷静に振り返ってみたい。
失ったものだけではないような気がしてくる。
コロナ禍前を取り戻すことを目指しつつも、コロナの代償として得た「良い部分」も継承できればこの駄文の価値がさらに高まるはずだ。

Topic①
スタジアムの座席は全席指定席に。

新型コロナウイルスは、感染力が強いため、「密」にならないことが求められた。
そのため、観客席は隣の席から一つ分開けることが必須条件となった。
そこで採用されたのが、全席指定席というチケットの販売方法だ。

これまで、スタジアムのエリアによって指定席という販売方法はあったが、自由席のエリアは特定の席が決まっていなかった。
そのため、観客はスタジアムの開門と同時にスタジアムになだれ込み席取りをした。
洋服やタオル、時にはペットボトルなどのゴミを使って席を確保し、時には席を取っていたのに人が来ず、埋まらない席も存在した。

もちろん当時から席取りに関する場内アナウンスや貼り紙など対策はしていたが、こんなもので解決するはずもなくないがしろにされていた。
これがコロナ禍と共に一気に解消された。

デジタル上で、すべての座席が管理され、チケット購入と同時に指定の席が確保される。(映画館の座席確保と同じような仕組みだ)
これにより、座席の管理と観客の行動をコントロールすることが可能になった。
スタジアムはより安全になったはずだ。
(デジタルやるじゃんって思う)

ちなみに、せっかく読んでくれているのだから、僕のアイデアも一個書いておこう。

現状、デジタル起点(チケット購入のタイミング)に席の確保がなされているが、これを座席起点でも考えてみると新たな観戦体験が可能になるはずだ。
方法は2つ
①座席にセンサーを取り付け、そこの座席に人がいるかを判定する。
※背もたれのところに光の有無を判定するセンサーを取り付ければ、「光がなくなった=人が座っている」と判定可能だろう。

②PASMOのようなカードで座席にかざしてもらい、座っているかどうかを判定する。
発想は、湘南新宿ラインのグリーン車と同じ要領だ。
グリーン車では座席の上部にあるカードをスキャンするところにかざすとランプが変わり、座っているかどうかを判定している。

①の方法を使えば、チケット購入者と座っている座席の位置及びその人が本当に来たのか?を判定可能だ。
(新たなデータマーケティングとして、サッカー界がデータを売るということにつながるかも?)
※これ以上は一旦静かにしておく。
もう既に誰かが考えているかも知れないし、ビジネスになってるのかも。

Topic②
暖かい観客の反応が増加。

僕の肌感覚でしかないけれど、声を失った観客(大声は観戦時禁止となったため)は、プレーに対する反応を基本的に拍手でしか表現できなくなった。
要はプラスの表現しか発揮できなくなったのである。
これがリーグには大きくプラスに働くことになる。

ひとつ目が、相手選手への敬意を表現するクラブが増えた。
例えば選手紹介時。相手チームに古巣の選手がいるサポーターはブーイングをするのが常だった。
(ただブーイングをする術を失った)サポーターは、拍手で選手を迎えるようになった。
するとどうか、選手が相手チームのスタンドに向けて挨拶するようになったのだ。

とても暖かいシーンがコロナによって図らずも生まれた。
それにこの難局をサッカーに関わるみんなで超えていこうという想いが行動に現れたのではないだろうか。
この素敵な表現はこれからもずっと残っていくと嬉しい。

Topic③
サッカーのある日常を幸せに思えた。

最後はやっぱり、これに尽きる。
サッカーのない週末が3月から7月頃まで続いた。
苦しかった。辛かった。
たかだかサッカーごときなのに。
僕なんか選手でもなければ、関わってもいないのに。

サッカーのない日常は日常ではなかったし、試合結果を見れない日々は長くさみしかった。
やっぱりサッカーが好き、と一体何人の人が思ったことか。

これまでも、これからも、Jリーグがさらに発展していくように。
みんなの生活の一部として輝き続けるように。
微力ながら、サポートしていけたら嬉しいです。
(注:今はなにも関わっておりません。JリーグファンのただのDAZNユーザー)

それでは。

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