大木伸夫トーク&ライブ(2023.1.13)
チケット争奪戦を勝ち抜き、大木伸夫のトーク&ライブに行った。こういった類の大木さんのイベントは初めてだが、Fanicon会員でもある僕としては1時間という設定が心配だった。138億年の宇宙に比べれば大したことないので2時間でも3時間でも話してほしい。
が、チケット1,600円という安さの理由が千葉市さんの規則だか何だからしく、だとすれば1分の延長も難しい。何事も表裏一体である。公的機関にとって規則は太陽より重い。
その前にせっかくなので、会場である千葉市科学館の展示を見たりした。黄金比が凄いということが分かった。黄金比が何なのかはちょっとググったくらいでは分からなかった。謎を解くはずが謎が深まった。謎を見つけることが知るということだ。
数日前にたまたま、昔録画した爆問学問の素数ゼミの話を見ていたので、亀の甲羅やハチの巣の、形の意味を興味深く見た。壊れにくく無駄のない形も、素数の年に地上に出るから他種と交わりにくいセミも、それが秘訣と知ってそうしたわけではない気がする。たまたま秘訣を捉えていたから現存している。
その流れで聞く大木伸夫の宇宙の話はまた味わい深かった。大木さんはよく言っているし、監修したプラネタリウム「星になるまで」もそうだが、美しい星空とか星座の意味とかではなく、宇宙が好きなのだ。だからメルヘンチックではなく現実の話になる。宇宙レベルで見ると国境など些細なことなのでアルマ望遠鏡のプロジェクトは多くの国が共同で実施しているが、一方で国家間の競争も必要、と言うのがらしいところである。
宇宙の果ての無さに気づいたエピソードも良い。壁にたどり着いた時、そこが果てだと感じる人。その向こうに続きがあるから果ては無いと感じる人。
FREE STARはどのバージョンで聴いても至高だ。嘲笑は初めて聴いた。138億年を意識しているからこそ、今この時代で歌い継ぐことの尊さを知っている。
30秒長くなってしまった、と言って大木さんは帰って行った。
本当にそれだけ?と思うくらい真っ暗な館内を抜けて外に出ると、小雨が降っていた。まったく予報になかったのに。