見出し画像

短期目標の更新~整形靴を広めたい~

こんにちは靴手鳥です。

ドイツの冬は寒いぞ!とさんざん脅されて怯えていたものの、2月に入った今日も私の住むStuttgartはいまだに日中6-7度まで上がる日が多く、たいへんに助かっています。

去年の3月末、整形靴の知識と技術を学ぶため本場であるドイツに越してきました。まだまだ落ち着いたとは言い難い現状ですが、この10ヶ月でやりたいことはなんとなく輪郭を持ってきました。

去年、短期目標として掲げていた渡独とAusbildung(職業訓練)については、去年の9月から整形靴技術者のAusbildungがスタートしたことで、半分程度は達成できたのかなと思います。

後は約3年後の卒業試験まで、工房で技術を学んだり、学校で座学を受けたりして、決められたプログラムとテストを受けてGeselleと呼ばれるドイツの国家資格を取るだけです。

落とす試験はしないと聞いているので、真面目にやっていけばきっと大丈夫なことでしょう。


「整形靴を広めたい!」とは言うものの、肝心の「どうやって?」の部分がはっきりとしないまま、とにかくもっと勉強をしようと整形靴の本場ドイツに来た私ですが、工房や学校で勉強を始めて気付いたことが…

実はドイツも思ってるほど進んでない!

ということでした。もちろん、制度(特に保険関係)や普及率の高さなど、日本もこうなればいいのに…と思うことも多いのですが、私が期待したほどではありませんでした。


具体的には、「なんか足痛いからインソール作って!」というお客さんが気軽に来店する一方で、「整形靴の勉強してます。」というと「え?なんて?」と聞き返されることが多々あるような…

知っている人は知っているけど、知らない人には説明してもわかってもらえない。(私のドイツ語力の問題も大いにありますが。)ドイツって、もっと整形靴が身近なものになってるんだと思い込んでいました。

せっかくドイツに来たのに…と残念に思う反面、まぁ、そうだよねと思う部分もあるなかで、自分の目標と改めて向き合い、新しい短期目標を立てました。


「論文を書きたい」
新しい短期目標は「論文を書く」ことです。

短期というよりは中期目標になるかもしれないと思いつつ、整形靴の論文を書こうと決めました。

理由は現在の整形靴が職人技であることが、整形靴が広まらない大きな原因であると思ったからです。


日本の専門学校で勉強していた時にも薄々感じていましたが、ドイツで整形靴の職業訓練学校に通い始めて、改めてこの業界の技術の特殊性を痛感しています。

教科書がない

基礎の基礎となるセオリーはある程度共通で認識されていると思いますが、技術を教わるときにはマイスターによって言うことが変わる上、「なんかだいたいこんな感じ」のオンパレード。

「なんで?」と聞いても「これで上手く行ってるから」と返ってくるばかりです。ついでに、「何年かすればはわかる」とも。

つまり職人の勘というやつですね!

と、思うしかありません。


仕方ない部分はそれなりにあると思います。靴を作る作業は元々職人の領域で、現在でも機械化できない部分も多いと聞きます。

整形靴も靴ですから、複雑な作業が多いのです。

足に問題を抱える方に作る上では、左右異なる形、足の変形に合わせた形、靴の一部を柔らかく、反対に硬くするということもあります。

足の問題は複合的であることがほどんどで、単純に「この問題にはこの機能」と決められるわけでもありません。

そうわかった上で、それでもやはり「「勘」だけでない証明が必要なのではないか」というのが私の考えです。


とはいえ、ただの職業訓練生にがっつり研究ができる環境があるかといえば、残念ながら……

ということで、レビュー論文を書こうと思っています。


私は大学を出ていないので、論文の書き方から勉強する必要があり完成がいつになるかはわかりませんが、1年後くらいにはゴールが見えているといいなと思います。




(いつかは整形靴の機能について、どの素材の組み合わせでどれだけ除圧できるかとか、高さ何mmの革製のカウンターにどれだけの矯正力があるとか、、自分でも調べてみたい…!)


できれば今後は週1くらいで、noteを投稿できたらいいなと思います。整形靴の楽しさ、面白さ、今読んでいる論文について、日々思うこと…書きたいと思うことはありつつ、今までやってこなかったぶん、アウトプットはなかなか骨の折れる作業……頑張りたい…

長々と読んでいただいてありがとうございました。
また読みに来ていただけたら、とても嬉しいです。

いいなと思ったら応援しよう!