フックの法則という人生讃歌が素晴らしい〜F=kx!アォッ!
アニメやゲームのオープニングを彷彿させる、これから何か楽しいことが始まるようなワクワク感。彼女たちのデビュー曲じゃないのが不思議なくらい、この曲はBEYOOOOODSのテーマソング感に溢れている。
そして、「ニッポンノD・N・A!(生物学)」、「ビタミンMe(栄養学)」、「英雄〜ショパン先輩(音楽史)」、「求めよ...運命の旅人算(算数)」に続く、”ビヨと一緒に勉強シリーズ!?”の第五弾でもある。
発売日から、ほとんど毎日(しかも複数回)聴いてるので、56万回の再生回数のうち少なくとも100回は私だ。
物理学徒にはお馴染み、バネにまつわる物理法則「フックの法則」が題材になっている。
単振動が苦手な受験生にこの曲を聞かせても問題は解けるようにならないが、今後は解いている最中に音楽が流れて楽しい気持ちになれるはずだ。
主人公は、押さえつけられて縮んだバネなのである。自分に蓋をしているものを取っ払って、自分というバネを解放したいと願っている。
そして歌詞はこう続く。
慣性とは、力が働かなければ現在の運動状態は変化しないという物理用語であるが、ここではもちろん”現状維持”の象徴である。
現状維持の自分を変えたいのだ。ここから曲はサビに向かう。
私は、サビの歌詞がBメロからの続きになっている(ように読み取れる)のが大好きだ。一番も良いのだが、二番のBメロからサビへの歌詞の流れの方が好きだ。
2番の方は、主語と動詞がサビとBメロで分かれていて、より文をぶった斬っているのが良い。
「超える」という本来の意味、「ビヨーン」というバネが伸びるオノマトペ、そして「beyooooonds」というグループ名。この3つにかかった、”beyond”という言葉の連呼。エモい。
そして、サビの最後の
という部分は、作曲家の星部ショウさんが後から勝手に追加したものらしい笑。今となっては、F=kxがない状態があったことが信じられないほどハマっている。
ところで、物理でバネを扱う際にはバネの持つエネルギーに関する次のような数式も登場する。
$$
E=\frac{1}{2}kx^2
$$
xは縮んだ距離である。これは、ポテンシャルエネルギーと呼ばれる。
つまりバネは縮んだ分の2乗に比例する秘めたるエネルギーを持っているということだ。
まだ見えてないだけで大きなエネルギーを持っている君のばね。
解き放って、高く遠くまで行こう。
フックの法則を通して、そんなメッセージをくれる人生讃歌なのである。