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外を漂う空気が冷たい

眠ってた川沿いの木々は
少しずつ花開き
枝々を桃色に染め上げてく
そんな頭上に青の広がる
気持ちの良い
昼下がりの散歩道の途中で
ボクは1匹の猫に出会った

真っ白の中に黒縞の混じった
綺麗な毛並みの猫
近づいても
どうせ逃げられるだけなので
遠くから眺めながら
その場を後にした

次の日もまた次の日も
その猫に会った
ある日いつものように
またその猫に会った
その日は歩き去らず
しばらく遠くから
その猫を眺めてた
するとトコトコとこちらに
歩み寄ってくるではないか
足元まで来た時に
ボクはその場に座り込んだ
猫はずっとこちらを伺ってくる
逃げる素振りも無く

声を投げてみた
こんにちは
すると
ミャーと鳴き返してきてくれた
通じてるのだろうか
分からないがボクは嬉しくなって
いくつか声を投げた
その度にまた
ミャーと答えてくれた
可愛いなあ
と思いながらまた声を投げようとすると
小走りで掛けてゆき
距離を取り
ずっとこちらの様子を伺っている
少し歩み寄ろうとすると
歩み寄った分だけまた距離を取られる
ついてきなさい
とゆうわけでもなさそうだ
ボクはその猫に
ありがとう
またね
と声を投げて
その場を後にした

いつしか
ここを通るのが
毎日の日課になってた

やはり今日も
その猫はそこに居た
何度か通ってるうちに気付いた事だが
目の錯覚か勘違いだろうか
猫の毛色の模様が
違って見える事が度々あった
白が占める割合が高かったり
黒が占める割合が高かったり
黒が確認出来ずに
真っ白でツヤツヤな時もあった
ように見える事があった
ボクがそこを通りかかった時
やはり猫はそこに居た
嬉しくなって
こちらから歩み寄ろうとすると
猫はまた同じだけ距離を取った
離れたとこから眺めてると
トコトコと寄ってきて
ボクが歩み寄ろうとすると
また小走りで距離をとる
離れたかと思えば
また寄ってきて
そうかと思えばまた離れて
何とも気紛れな猫だ
いや猫とは
そうゆうものなのだろうか
ボクから寄ってくと
また離れてく

ボクはすっかり
その猫に会うのが
楽しみになってた
その猫の事が好きで
大切に思うようになってた
その猫もまるで
ボクの事を好いてくれているように
ボクの事を大切に思ってくれてるように
そう感じさせてくれた

自分で飼って
家族になる事は出来ないけど
でもまた
その猫に会いに
お散歩に出掛けるのである

風が強く吹いてる
数日前には雨が降ってたな
桃色に染まってた木々も
徐々に緑に染まろうとしてる

そして路上には
桃色が満開に咲いてた

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