マネタイズ やってるつもりが マネ足らず 【読書日記】 金儲けのレシピ (後編)
今回の結論は
あなただけの「金儲けのレシピ」を
売ることです。
どうも
安全・安心と絆でつながる
キャリアコンサルタントのタルイです。
今回は前回の続きです。
こちらが前半でした。
後半も盛り沢山ですから
もう前置きはこれぐらいで
すぐに本題にいきます!
●〈レシピ7〉 確率をいじる
「ギャンブル」と「保険」
共通項は「確率」
これは「幸運」と「不幸」の確率は
正確には把握できないということです。
この章で手に入れるレシピの中身です。
¥ 射幸心を刺激しろ
¥「損したくない」という気持ちに付け込め
射幸心(しゃこうしん)とは
思いがけない幸運によって利益を得たい
または苦労なくいい思いをしたい
と思う心理です。
つまり、
公営ギャンブル然り、半グレの闇カジノも
射幸心を刺激します。
実は射幸心は
ギャンブルだけではないのです。
古くから存在するは
「ビックリマンチョコ」
チョコはおまけに過ぎず
シールを集めたい欲求が
射幸心を刺激してます。
その一方で、
人間は「🉐をしたい」
という気持ちよりも
「損をしたくない」
という気持ちの方が強いのです。
その代表的なビジネスが「保険」。
普通に考えたら保険は商品だから
保険会社が儲かるように設定されていて
損してしまいます。
にもかかわらず
「ガンになったらどうしよう」と
ガンが起こる確率は低いものの、
起きると膨大な損失が発生する不安を
刺激して購入に導きます。
こういった損失回避性を
利用しているビジネスは他に
高額ハイテク商品などのオプションにある
「一年延長プラン」🤣
「射幸心の刺激」と
「損失回避性の利用」は
表と裏の関係です。
●〈レシピ8〉 空気を売る
「水商売」と「ジュリアナ東京」
共通項は「おねえちゃん」
じゃありません。
この章で手に入れるレシピの中身です。
¥ 原価の低い有形商材に価値をつけて売れ
¥ 無形高額商材の営業を攻略しろ
「水商売」とは本来は
客の人気が収入を大きく左右する点で
本来的に不安定な商売を指します...が、
「水」という高利益率の商品を売る
という意味でも通じます。
ご存じでしたか?
銀座の高級クラブは水のボトルが
なんと一本2000円です!
また、水を売るという意味では
新興宗教の人気アイテム
「教祖のパワーが込められた水」も
水商売ですね🤣
「水を売る」と同等かそれ以上に
「空気を売る」も高利益商品です。
空気洗浄機ではないですよ
一世を風靡した「ジュリアナ東京」は
ディスコという空間に入場料を取って
人を入れてるだけ
つまり空気を売っていたのです。
●〈レシピ9〉 意思決定に介入する
大塚家具と保険の窓口は
同じビジネスモデルでしたが
かぐや姫が見誤りました。
この章で手に入れるレシピの中身です。
¥ 非合理な意思決定に誘導しろ
¥ 顧客満足度と意思決定の合理性は関係ない
「家具屋姫」こと大塚久美子氏
親子喧嘩から大きく業績を悪化させて
最後は親会社のヤマダ電機から
事実上の三くだり半を突き付けられ辞任と
月に帰るどころか
ツキにも見放されていた印象でした。
ところで大塚家具は
何がいけなかったのか?
大塚家具は
・高価格帯から中価格帯に変更
・会員制の廃止
このようにビジネスモデルを
大幅に変更したことで
大塚家具本来の強みを
失ってしまったのです。
大塚家具の本来の強みは
「高級有形商材販売業」
・会員制によるプレミアム感の演出
・会員制を前提とした密着営業
・結果として高価格帯の家具が販売できる
つまりこれは
販売員が最初から最後まで
お客の横にベタつきで
いかに商品が素晴らしいかを力説する
その仕組みが強みだったのです。
これと同じビジネスモデルが
保険の窓口などに代表される
「来店型保険ショップ」なのです。
来店型保険ショップとは、
そもそも中立的立場の保険相談窓口
ではありません。
正確にいうと来店型の保険代理店。
複数の提携先商品を仕入れて販売する
小売り販売店です。
「保険のセレクトショップ」
のようなものです。
店員も相談員ではありません。
販売ノルマを持った立派な販売員です🤣
今や保険は
「ネットだけでも売れる商品」です。
著者はそれに対して
「リアルで売る」ことの優位性は
「お客の意思決定を捻じ曲げて
儲かる商品に誘導することができる」
と説明されてます。
● 〈レシピ10〉 仕入れで儲ける
ドトールコーヒーと
Starbucksの違いは
コーヒーの仕入れ価格と販売価格です。
この章で手に入れるレシピの中身です。
¥ 安く仕入れられる秘密のルートを作れ
¥ 外から見えないところで差別化しろ
著者曰く、ビジネスには
安く仕入れて普通に売るビジネスと
普通に仕入れて高く売るビジネスの
2種類があります。
この2種類のうち著者は
「安く 仕入れる」ことに
競争優位性を持つ方が
良いビジネスであると考えています。
その理由は
高く売るビジネスは
外から見て観測されやすく
結果として競合の参入を
招きやすいからです。
次に
「俺のイタリアン」と
「いきなり!ステーキ」の
ビジネスモデルの違いについて
俺のイタリアンの基本的な戦略は
① 高単価で高回転させれば、後原価率でも、元が取れる
② 食事を後原価率にしてしまえば、ワインなど飲み物に関しては通常の原価率でも注文が出る
③ 料理の高品質を支えるシェフは、三ツ星レストランなどで定期的に働いている安月給の人間を雇うことができる
ところが「いきなりステーキ」は
立ち食いで高回転という
表層だけの差別化要因を真似して参入した
参入当初は勢いがあったが
その後急速に失速してしまった。
最重要な差別化要因は
高品質を支える
三ツ星レストラン出身のシェフでした。
つまり「 料理人の仕入れ」であると
著者は分析しました。
●〈レシピ11〉他人の財布を狙う
結婚式と葬式も
他人の金を狙うチャンスなのです。
¥ サービス受益者以外が金を払うビジネスを考えろ
¥ もともと安価なカテゴリで高級贈答品を作れ
¥ 客の「与信」をねらえ
この中から
¥ サービス受益者以外が金を払うビジネスを考えろ
つまり
「他人の金を狙うビジネス」
についてまとめます。
結婚式の支払いというのは
親や祖父母、さらに来場者のご祝儀と
他人の財布を前提として
支払われることが多い。
そのために
「みすぼらしい式を行うわけにはいかない」
との配慮から、
ついついプランをランクアップ
してしまうものです。
葬式も、
基本的には遺産が回り回って
支払いが行われる性質のものであり、
香典という臨時収入のもあるため
他人の財布を前提とする支出の1つです。
確かに、「戒名」なんて残された家族が
墓参りに行って恥かかないためのものですよね🤔
人間は自分でカネを使う時は
コスパを意識するが
他人がカネを払うときは
むしろ無駄があるほうが
贅沢が感じられます。
● 〈レシピ12〉高いものはいいものだ
「60分100円の占い師」
と
「60分1万円の占い師」
「標準医療」
と
「代替医療」
これらには「高いものはいいものだ」
と思う心理が働いてました。
経済学の父アダムスミスは
18世紀イギリスで
「需要と供給」を説きました。
需要>供給においては値段が上がる
需要<供給においては値段が下がる
これが今日の経済学の基本的な前提ですが
これをのちに
19世紀アメリカのヴェブレンが
「有閑階級の理論」の中で喝破しました。
<顕示的消費>
必要性や実用的な価値だけでなく、
それによって得られる
周囲からの羨望のまなざしを
意識して行う消費行動です。
簡単に言ってしまうと
高級時計や高級スポーツカーなど
自分が上流階級であることを
示すために購入する
つまり、
「高いことに意味がある」消費です。
商売人からすると、
これほど有難いお客さまはいませんね🤣
人間の心理に
「認知的不協和の解消」があります。
これは矛盾する情報を同時に抱えた時の
不快を解消するために
あえて事実を捻じ曲げて、
自分の言いように解釈しようとする
特性です。
つまり、品質がわからないものの場合は
「高いものの方がいいものに違いない」
と物事を推測するのです。
つまり
「60分100円の占い師」と
「60分1万円の占い師」だったら
高いほうの占い師を信じる傾向にあります。
これは「標準医療」と「代替医療」の
場合においてもです。
「ガンが治るキノコ」のように
エビデンスがいささか怪しくても
・保険診療より高額だから
・命にはいくら払ってもいいから
などの理由から
高額な代替医療に走るのでした。
● 〈レシピ13〉勝手に「権威」になる
つまり自分に「ブランド」を持たせるのです。
「ブランド」とは言い換えれば
「信頼と実績と安心感」
しかし創業したてでは
これは持ちたくても持てないのが現状。
そこで、この状況を一発で解決する方法が
「勝手に権威になる」こと🤣
方法論は2つです。
①謎の資格を作る
「ブランド」がない状況で
勝手に「認める側」に立つことで
極めて有利に事業を展開することができます。
これは一歩間違えると「サムライ商法」です😅
②勝手に格付けする
格付けを始めたことで
格付けをしている側が
権威性を持ってしまうのです。
さて、
資格なり格付けなりで
自分が有利な立場になったら
教える側に立って講師になり
◯◯協会を勝手に作ったり
「アカデミー」や「大学」をつけて
オフィシャル機関かと錯覚させたり
教材を販売し授業を行うことで
利益率を高めていく
この流れはすでにテンプレ化してます。
● 〈レシピ14〉 信者ビジネス
信者と書いて「儲」と書く
儲かるビジネスを考えるときに
欠かすことができないのが
「信者ビジネス」なのです。
いよいよ怪しくなってきましたね😁
私もApple信者なのでよくわかりますが
故スティーブ・ジョブズによる
新製品の発表会は
まるで宗教行事のような
盛り上がりがありました。
宗教構造で考えると、必要なのは
「教祖」「教典」「教会」です。
実はサイバーエージェントも
この基本構造が取り入れられていました。
サイバーエージェントでは
グループ総会という全社員集会を行い、
教祖たる藤田晋社長が全社員に向かってメッセージを発する。
そして「マキシズム」という教典を
社員全員が持ち
トイレにまで張り出すことで
その浸透をい図っているそうです。
ちなみにサイバーエージェントの社員さんは
年収が上がる転職条件でも
なかなか転職しないことで
定評があるそうです。
すごい忠誠心です。
やっぱり高校野球でもそうですが
宗教系の高校は野球も強いのも
「教祖」「教典」「教会」の
力なのでしょうか🤔
●〈レシピ15〉 究極のレシピ
いよいよ最後です。
究極のレシピとは
一体どんなレシピなんでしょう⁈
それは...
あなただけの「金儲けのレシピ」を
売ることである
経済活動における
根源的な欲望(ニーズ)は
「もっと金をたくさん、
効率的に、楽して儲けたい」
このニーズを満たす、
あなただけの「金儲けのレシピ」を
作ることでした。
フランチャイズも金儲けのレシピでした。
本書にはセブン-イレブンの紹介が
ありました。
著者はセブン-イレブンの本質について
こう語ってます。
「セブン-イレブンという店をやるともっと儲かりますよ」と言って地主や既存小売店のオーナーに持ちかけ、のれん代や仕入れ代を巻き上げる、という形式のビジネスである。
はい、最後までブレることなく
口が悪い著者ですが
セブン-イレブンは小売店舗を
経営しているように見せて
実は「金儲けのレシピ」を
コンビニのシステムに乗せて
販売している会社だと説明されてます。
実際にセブン-イレブンは
他のコンビニよりも
ロイヤリティーが高いです!
今、多くのセブンイレブンオーナーが貧困や苦境に立たされている
これはセブンイレブンが
儲からないのではなく
セブンイレブン自体は
儲かるビジネスなのだが
その分ロイヤリティーも
余分に積まれているからと
身も蓋もないことまで書いてあります😅
いかがでしたか?
最後に私から補足したいのですが、
著者が提唱する「金儲けのレシピ」と
ネットで売られている
「情報商材」との
本質的な違いにふれてみました。
著者は本質的な差について
「本当に儲かるかどうか」
と指摘されてます。
これはどういう差なのか?
これについては
私の意見も加えて書いてみました。
◆〈まとめ〉 マネタイズ やってるつもりが マネ足らず
そもそも、
私がこの「金儲けのレシピ」を
あなたに紹介しようと思った理由は
ある男性から私のところに
このようなキャリア相談があったからです。
『SNSで副業』系の情報商材に
手を出したが儲からないし疲れた...
この男性の話から
出品者の口上をまとめると
・現代は「資本主義経済」が終わって、「信用経済」の時代がきた!
・これからは多くのフォロワーを持つインフルエンサーの時代
・まずは初級編の「SNSを使って月5万円を稼ぐ方法」をどうぞ!
で、この情報商材を手に入れて
実際にやってみたところ...
月5万円を稼ぐために
なんと!月50時間以上を費やしてしまう
時給に換算すると1000円/時を下回る
これだったらコンビニでバイトしたほうが
遥かに稼げることに気づいてしまう。
それを出品者に指摘したら
逆ギレされて「SNSを舐めるな!」
と一蹴されてしまったとのことです😅
誤解なくお伝えしたいのですが
ここで私は
副業をやるなとは書きません。
「副業解禁元年」といわれた2018年以降、
本業とは別の仕事である
「副業」を推進・容認する企業が
増加してます。
ローリスクでできる
新しいマネタイズ方法として
「SNS」を使うことも理解できます。
問題として挙げたいのは...
このSNS副業とやらに
持続可能性があるのか?
それをここで問いたいのです。
まずこの副業には3つ疑問があります。
●そもそも、「資本主義経済」は終わってません🤔
資本主義とは「資本を第一として稼ぐ主義」ということで
所有する何らかの資本を回して資産運用していくことです。
資本とは金融資本や不動産資本だけではありません。
人も資本です。
あなたの知識や信用や人脈も
立派な資本です。
この信用経済とやらも
インフルエンサーとして
自己の信用で成り立っているのならば
その資本を回してマネタイズするのであるならば
これは立派な「資本主義活動」です。
●そもそも、自分の時間を切り売り出したら儲かりません。
ワークライフバランスとは
単純にお金と時間のバランスを
両立しようとしても取れません。
なぜならば
サラリーマン的発想だと
自分のライフである
「時間」を切り売りして
お金を稼ごうとするからです。
確かにあなた自身の資本価値を上げてから
お金と時間を回すことで、
資本が爆上がりすることはあります。
ですが、スタートアップに多少は時間を投資するにしても
半永久的に時間を切り売りするのなら意味がありません。
●そもそも、プレイヤーより数が増えたら情報商材は売れません。
情報商材の売り文句は
毎回「ゴールドラッシュの教訓」が
例え話に登場しますね。
1848年に米国カリフォルニアのある山で
金が見つかったことから、
全米中の人々が金持ちになることを夢見て殺到した。
だけど、実際にお金持ちになったのは
金を掘る人ではなくツルハシを売った人だった。
ゆえにサポートの側に回れという
教訓なのですが、
私はこの教訓で本当に学ぶべきことは
別にあると思います。
金を掘る人よりツルハシを売る人が
多くなってしまったら
儲かるわけがないのです。
これこそ本書にも書かれていました。
儲かるとは
需要に対して供給が少ない状況が
発生していることなのです。
ノーリスクで始めるのは構いませんが
「誰でも、簡単に必ず儲かる」
はあり得ないのです。
大体において
こういった情報商材のノウハウは
買った人が、次に売る側に回る
リノベーションで成り立っています。
この構造だけみると
マルチ商法やネットワークビジネスと
なんら変わりません。
以上3つが疑問点でしたが、
この方法に代わる提案としては
起業することを提案したいです。
資本には「自分自身」「金融」「不動産」だけではなく
起業して「事業」を資本とする方法もあります。
著者が本書で伝えたように
あなただけの「金儲けのレシピ」を
売る事業をされることです。
私もコンサルタントですが
起業して15年やってます。
私が売っている商品は「金儲けのレシピ」です。
ただネットでHPを作ったり、広告を売ったりしないで
こっそりと売ってます。
理由は外から見えづらくして
パクられて陳腐化しないようにすること
スモールメリットを活かして
自分自身を資本として
最大限に回せるからです。
今の時代は起業家にとって競争が少ないので
有利な時代でもあります。
これで本当に最後にします。
最後に著者からのメッセージを引用して終わります。
「圧倒的に儲けるビジネス」を作るためには、各店のカレーのレシピが秘伝であるように、あなたも自分だけのレシピを作り、そして、それを秘伝のものとしながらビジネスを拡大する必要があるのだ。
著者はこのレシピを、転用、悪用しながら、
是非あなただけのビジネスを作り上げてほしいと願ってます。
前後編にわたり、
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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