見出し画像

絶滅危惧種の小売市場

海外へ行けば、スーパーマーケットをあちこち巡る私も、今回はサボってあまり見てません。品揃えなどは大きく変わらないなぁと見ながら、もちろん、その裏ではデジタル化とかオンライン化とか進んでいるはずです。
ひとつ気がついたのは、フランスやドイツのスーパーで、以前は、必ず会ったデリカテッセンや温惣菜の対面販売が減っているようです。対面販売は、人手もかかり、若い人には(多分)人気のないでしょう、パンデミックを機会に辞めたところも多いのではないでしょうか、徐々になくなっていきそうです。

神戸市小売市場連合会による「神戸小売市場宣言」ポスター

日本では、小売り市場は、どんどん姿を消しています。先日、神戸市内、実家の近くの市場で見つけたポスターでは、昭和のピーク時には、110近くあった小売市場が今は10ほどになってしまった、書かれていました。生鮮品がひしめく市場というのが、絶滅危惧種となっています。一方、京都の錦市場や大阪の黒門市場のように、観光客の増加で立ち食いフードコートと、機能を変えてしまったところもあります。
多くの人は、ワンストップで買い物できるスーパーを利用するのが当たり前になってしまいました。が、このポスターに書かれているように、対面での会話、また個々の店主のこだわり、楽しい場ではありましたが、どこの小売市場も瀕死状態です。

便利で安価なことだけがいいのかなぁ。同様の思いを「デカい、安いは、うれしいけれど・・」と題した神戸新聞の記事に見つけました。広岡麿璃さんという女性記者が書かれたもので、地域外の資本が市場を席巻してしまうことへの疑問を呈する内容です。近視眼的に買い物していると、結局、長い目でみると、選択肢を失ってしまっています。とはいえ、安くて量が多いのがいいに決まっています。

フランスやイタリアでは、街のあちこちに市が立ち、青果物や肉加工品や乳製品、またパンなどが並びます。まだ、街には小売市場があり、まだ地域の人たちに支持されているようです。食文化や調理の考え方も日本とは違いますが、なんとなく心豊かな感じがします。

ディジョンの小売市場 屋根付きの市場は欧州の都市に多いです。
生鮮品だけでなく、デリカテッセンも。向こうのはブーダンノアール(血のソーセージ)
イタリアトリノの市場、戸外では青果物。こちらはちょっと訳ありで安めかな
市場の真ん中をトラムやバスがガンガン走るトリノの市場 アジアの線路脇市場を彷彿

いいなと思ったら応援しよう!