その時が来たら全部教えてあげる

夜中にふと目が覚めた。

隣で蘇枋は眠っている。

…また付けてないのか
一緒に布団に入った時は確かに眼帯を付けていたのに、いつの間に取っているのだろう。

俺に見られても問題ないってことか?

今日に限って魔が差した。
気づけばさらさらの前髪を払っていた。

え…
普通じゃん

左目と変わらない瞼
傷なんてない
なんだ…
拍子抜け

てことは、瞳か?
俺みたいに左右で色が違うとか
他には…
蘇枋が目を隠したい理由

しばらく蘇枋の寝顔をじっと見つめていた。
その目が開けばわかるのに

起きないな…

いや…

ふっと笑みをこぼし、そっと前髪を元に戻す。

蘇枋の胸のあたりに顔を埋めた。

知ってるよ
狸寝入りしてることくらい

お前が目を開けないってことは、やっぱり見られたくない。
そういうことだよな。

ほんと、面倒くさいやり方するよなお前
まあ、そいうとこ、蘇枋らしくていいけど

ぽかぽかと温かな気持ちになりながら蘇枋の胸にぐっと頭をくっつけると、上ので小さく息がはかれた気がした。

彼が俺の眼帯の下に興味を持っていることは気づいていた。
夜中に何度も視線を感じたから。

俺の右目は君と同じ金色だ。

これが何を意味するか、君はまだそれを知る覚悟を持ってない。

数ヶ月前まで独りぼっちだった君がようやく手に入れた温かな日常
俺はそれをもう壊したくない
今までできなかった分、君にたくさん笑っていてほしい
俺の隣で

俺のことは、眼帯の理由も含めて
その時がきたら打ち明けるよ、全部
それはつまり、君が俺との関係性を知る時になる

その時がいつなのか
そうだなあ、君が総代になった時かな

やっと出会えた俺の片割れをもう離さない



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