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尿酸対策サプリを一年飲んだら、尿酸値が下がったお話
タイトルを読んで「どのサプリメントを摂っていたのか知りたい!」という方。
ちょっと一旦落ち着いて最後まで読んでほしい。
そして先に伝えておくと、私はPR系のインフルエンサーではないので、残念ながら最後まで読んでもその健康食品の商品名まで明かすことはない。
ただ、健康食品の正体よりももっと大事なものを持って帰ってもらえるはずなので、ぜひ読み進めていただきたい。
一食品研究者が尿酸と向き合った一年間の記録である。
時は遡り2023年
私も年頃になってきて血液検査の結果で境界域になるようなものもたまに出てくるようになってきた。
遡ること昨年2023年2月、ついにおじさんたちの敵としてお馴染みの尿酸の値がやや高めの7.3 mg/dlを叩き出したのである。
これまでも年々じわじわ上がっていたが、高尿酸結晶への入口を叩いてしまったわけだ。
あのトゲトゲしていかにも痛そうなやつができて、風でも痛くなるなんてごめんだ。
なおトゲトゲ自体が痛いわけではないそうだ(へぇ〜)
これちゃんと知らなかったなぁ
— じゃぐ@食品研究 (@food_juggle) July 9, 2021
痛風をおこす尿酸塩の結晶ってトゲトゲしてるから見るからにチクチクして痛そうだと思ってたけど、それ自体が痛いんじゃなくて剥がれるなり白血球による攻撃なりで痛風の発作を引き起こすのか!
人は見た目だけで判断したらいけないのねhttps://t.co/3YBrrGhkPY pic.twitter.com/DBrTFfiY0t
とはいえ痛風になるような場合はもっと高い値だと聞くし、引き返すなら今しかないと感じた私は、この一年で何かしら対策をしようと試みた。
サプリメントを調べる
数値としてもそこまで高くもなく、薬を処方するほどではないと言われたので、まずはお得意のサプリメントの調査。数年前まとめていた自分に感謝したい。
今日の機能性素材 その6
— じゃぐ@食品研究 (@food_juggle) February 7, 2021
アンセリン🌬😖#食の機能性 pic.twitter.com/VXcBptTFFh
機能性表示食品としてアンセリンの他にも菊花ポリフェノールなど、いくらか存在している。
対象者は尿酸値7未満らしい。7.3の私は残念ながらすでに対象外だ。残念。
しかしこれは「食品の機能性の試験では病者を対象にしない(=病気を治すものではない)ことが多い」という原則があるので、多少範囲外でも大丈夫だろうと自分に言い聞かせる。無論医療関係者には相談してあることは付け足しておく。
アンセリンの場合は12週間で0.12しか下がらないというのはなんとも頼りないが、今ギリギリ超えている自分にとってはありがたいレベル。試す価値はありそうだ。
ちなみに他の成分だったとしても、報告としては12週間で0.1-0.3くらいの下がり幅のものが多いようだ。あくまで事例としてアンセリンを出したが、今回私が摂取した成分が何であったのかはあえて伏せておくこと、ご了承願いたい。
経過を知る
さて、12週間とはかなりの長丁場だ。結果を早く知りたくなるのが人間の性。
とはいえ、尿酸値など簡単に測れるものではないため、翌年の健診まで待つという選択肢もあったが、
前回の人間ドックで尿酸値が基準値を初めて超えてショックだったので色々行動してるんですけど、そもそも年一しか血液検査値を見ないことにモチベーションがわかないと思い、最近セルフキットで検査を試してます。とりあえず月に1、2回の頻度で測ってるから、各パラメータがどこまで動くのか楽しみ😁
— じゃぐ@食品研究 (@food_juggle) April 11, 2023
ということで、自腹をきってセルフチェックキットを買ってみた。
これで尿酸値測定という武器が手に入ったわけだ。人が行動変容をするにはただ行動するだけでなくチェックして振り返ることが重要なのは間違いないだろう。
健診で尿酸値7.3を叩き出したのち、サプリメントを摂取しながら数週間ごとに測定してみた。
摂取前 7.3
↓
摂取4週間後 6.9
下がった。綺麗に下がった。早くも危険域から脱した。12週間摂取とはなんだったのか。
この段階ではそのほかの食生活や運動習慣を一切変えなかった。サプリメントのおかげだろうか。
いやいやここは常に批判的な目で見る私の血が騒ぐ。おそらく測定方法の違いで誤差は生じうるのであろう。採血場所も指先と腕で違うのかもしれない。
同じキットで摂取前の値を記録していなかった自分を恨みつつ、継続して様子を見た。
4週間後 6.9
↓
6週間後 6.9
やはりそうだ、4週も6週もセルフキットなので条件は揃っている。やはりそこまで変化はないのだろうか。4週間で下がりきっていたという可能性もあるが、報告を見るに4週程度では有意差はなさそうなので、測定条件の違いの可能性が高そうだ。続けてみよう。
6週間後 6.9
↓
8週間後 6.0
えーっと、、、喜んで良いのだろうか。いやいや、ここまで下がるのはむしろおかしい。セルフ採血で行う弊害かもしれない。
8週間後 6.0
↓
12週間後 6.8
やはり8週の値はおそらく異常値。ある意味納得だ。
とはいえキットの違いはあれど、6.9から6.8になっているので、当初想定していた下がり方に近い値は出ている。これは効いているのかもしれない。
生活習慣を変える
このまま測定を続けようか悩んだが、キットを買うのは大変だし、そもそも手間もかかる。何より健康診断と方法が違うので、ある程度成果の見えた12週で測定はやめた。
ただ、サプリメントは続けた。そして加えて、生活習慣を二つ変えてみた。なぜなら別にサプリメントの効果を確かめるのが私の目的ではなく、尿酸値を下げることが目的だからだ。
一つは水を意識して摂ること。これは以前書いた通り腎臓結石の疑い(疑いだけだった)があったことから意識して水を増やしてみた。
もう一つはランニング。これも尿酸値のためというより、友人に誘われてリレーマラソンに出るようになったからだ。
10月にジャグリング仲間に誘われてリレーマラソンに参加することになったので、とりあえず走り込みスタート🏃♂️しかもジャグリングしながら走るっていう足枷(手枷)をつけるっていうね。10年前も同じメンツで同じ方法でリレーマラソン走ったけど・・30代になった今の体は果たして持つのか?
— じゃぐ@食品研究 (@food_juggle) August 30, 2023
健康的な習慣を続けるのは難しい。なので尿酸値以外目的があるのは継続の力になるはずだ。
そのほかの食生活は特に変えず、アルコールやプリン体など特に気にしなかった(元々摂取量も摂取頻度も少なめ)。
そして一年後
ついに今年も健康診断の季節がやってきた。
今年は結果の送付を待つのではなく、現場ですぐに聞けるよう医師からのフィードバックも含めて行うことにした。
そしてついに結果発表。
昨年7.3だった尿酸値は0.8下がって6.5という値を示していた。下がり幅もさることながら基準である7.0も切ることができた。医師からもお褒めの言葉をいただき、大成功といっても過言ではない結果だろう。
2023年に至るまで毎年少しずつ上昇していた尿酸値だったが、一気に下げることに成功した。努力が報われたというよりは、努力の方向性の仮説が正しかったことに安堵した。
健康食品が効いたのか?
さて、ここまで読んでいただいて、皆さんはどう思われただろうか?
サプリメントが効いたのだろうか?サプリメントの効果は0.1くらいで、残りの0.7は運動と食事だったのだろうか。
その結論を出すことはこのデータだけからはできず、サプリが効果的だったか無駄だったのか、どちらも断定は不可能だ。ただし、少なくとも私個人の尿酸値が下がったという事実は確かであり、それは否定されるものではない。
さて、ここからは個人の感想として聞いていただきたいが、私の中で今回の健康食品は『効いた』と感じている。それは二つの面からだ。
一つは文字通りで、この機能性成分が報告されていた通り私にとって『有効性』の観点だ。
ほかの生活習慣を変えていない(つもり)なので、(意識の外で習慣が変わっていたり、体質が変わっていたり、季節の変動があったり、仕事の変動があったりなど、ほかの要素を除き切ることはできないという長ったらしい註釈付きで)、セルフチェックや健診の結果を見るにおそらく効いたのではないかと思う。
0.1-0.3下がると想定された値も、あくまで平均値であり個人差はあるものだ。12週以上継続もしているし、それ以上下がる可能性も否定はできない。
そしてもう一つ、この健康食品が行動変容のキュー(きっかけ)になっていたという、『有用性』の観点だ。
健康食品は決して安い買い物ではないし、どうせ頑張るのなら結果を出したいという気持ちにつながる。このサプリメントのパッケージにでかでかと書かれた「尿酸」の二文字を見るたびに、運動や水分摂取も合わせて想起され、行動するキューになっていたのは間違いなかった。
結局何が効いたのか分からない。もちろん私以外の人への再現性があるかは分からないし、それを確かめるのが疫学であり科学である。
しかし、今の私にとっては私自身に効果的だったという事実さえあればそれで良いのであって、私の中でそれが起きた以上はメカニズムなどどうでも良いのである。
健康食品の効果効能を針小棒大に伝えようとする輩がいるのは承知しているし、期待しすぎることは決して良いことではない。
健康食品と聞いて「すべて眉唾物だ」とか「本当に効くなら薬になってるはずだ」とか毛嫌いされるのも理解はしているし、リスク面を考えるとそれは正しいかもしれない。
しかし、有用性の観点も考えた時に伴走者としての健康食品という存在は案外大切であろうということは、最近お客様と話していく中で感じていたことだし、今回自分自身も強くそう感じた。今回の話のように伴走者であり行動変容のきっかけとしてのサプリメントにもぜひ着目して、こういった合わせ技で健康食品と付き合ってみてほしいと切に願う。
健康食品、まだまだ面白いし行動変容の学問としても広がる余地のある分野かもしれない。
最後に念の為書いておくが、個人の一感想に過ぎないのはすでに伝えた通りで、健康食品を過信してはいけない。適切な付き合い方は消費者庁がまとめてくれているので、こちらを参照されたい。