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生業2023

2023.10.12.thu   at  Zepp DiverCity  vs マキシマム ザ ホルモン
2023.10.25.wed at  Zepp OsakaBayside  vs Dragon Ash
2023.10.26.thu  at  Zepp OsakaBayside  vs Saucy Dog

2マンLiveが大好きな私は、毎年この生業を楽しみにしています。
特に今回は相手がHIPHOPではなく全体的にオルタナティブ/ロック系のラインナップなのでどんな風になるんだろう?とワクワクする一方で、ごく単純に、なぜこの方達なんだろ?意図はなんだろう?とは頭の片隅にチラとありました。

ジャンルが違うけどいいじゃないか

話は少しずれますが生業が始まる少し前の9月、crossfaithというメタルバンドが主催している"NITROPOLIS"というナイトイベントに参加しました。ご本人達はかなり激しいメタルコアというジャンルなんですが、メンバーがHIPHOPやレゲエ含め様々な音楽ジャンルに興味がありラッパーを.featで呼ぶことなんかも多く、このイベントにはralph等のHIPHOP勢が複数組呼ばれていました。
(この日は客演ではなくそれぞれがLIVEを行なっています)

ちなみにこのcrossfaith、以前Rさんが刃牙のトーク番組の司会をやった時に共演していた人達で、メンバーの大部分がRさんの小・中学校の先輩です。ご近所。

主催のcrossfaithのLIVE時、MCでこんな言葉がありました。
(注:だいぶ前のことなのでうろ覚えです)

「今日は横にralphもいるんだけど(客演の曲をやった直後だった)、俺はメタルだけじゃなくてHIPHOPも大好きで、だから格好良いラッパーがいたらこうやってイベントに来てもらったり.featしたりもするんやけど。だって格好良いから一緒にやりたいと思うし自分から積極的に声をかけたりもする」

「俺らだけじゃなくて、例えば他のメタルバンドやロックバンドでも.featしたりフェスにHIPHOPのグループ呼んだりとかしてるの見たことあると思うんやけど」

「逆って見たことない。俺らみたいなのがHIPHOPのイベントやフェスに呼ばれることってそういえばないな と思ってさっきralphに聴いてん。HIPHOPでメタルやロックのバンド呼んでる人っている?って。そしたらいないっすね、見たことないって」

「俺らロックやメタルも逆に呼んでくれやーーーーーー!」

「色々難しい問題もあるかもしれへんけど、せっかく音楽やってるんやから、ジャンルは違っても一緒に楽しもうぜーー!俺はこれからも変わらずやるぞーーー!」

ってな事があったんですが、その時私はかなりの衝撃を受けました。逆のパターンってそういえば考えたことがなかった!!なって。

ロックフェスでのCreepyNuts

CNがロックフェスにHIPHOP勢として単身乗り込み、コツコツと数を重ね1人1人観客の心を掴み、少しずつステージが大きくなる様を胸を熱くして見ていましたし、まるで武士のように体1つマイク1本・タンテのみで、逆境ともいえる状況に立ち向かう彼らの姿を心の底から応援していました。そうして居場所を築いた彼らは、今やたくさんのフェスや対バンで呼ばれるような存在になっています。

そんな彼ら側から見ていた世界ですが、逆側から見てみれば、アーティストの実力や努力があるのは大前提ですが、ジャンルが異なる彼らを認め・見つけ、こういう面白い人達がいるんだ!みんなも聴いてみてよと紹介し、迎え入れてきた方達がいたからこそ今の彼らがあるわけですよね、きっと。

そして、時を経て今。
自分達が呼べる側になれるような経験と実績と力を身につけた彼らは、自らが主催するHIPHOPの2マンイベントに、かつての自分達を受け入れてくれたロック界からアーティストを呼んだ。あの頃に自分達がやってもらったのと同じことを今度は逆の立場で。

今回の生業は、そういうことなのかなとなんとなく腑に落ちました。

⚠️以下、MCのネタバレあります⚠️




大阪Doragon Ashの日、Rさんが「カッコええやろ。変わらん!やっぱすごいな」
「KJよ。あのKJさんよ」「俺が呼んでん。大阪に、俺がKJさん呼んでん!」ってとってもとっても嬉しそうに言ってらした。
その後「ようやく呼べるようになりました」とも。

その台詞を聞いて、私の見当はそんなに間違ってないのかもなぁと感じました。

だとしたら冒頭に書いたような、イベントを主催できて他ジャンルのアーティストとの繋がりもあり、機材が多くスタッフ数がより多く必要になるバンドを呼べるような規模で活動しつつ、集客もできる実力があるようなHIPHOPアーティストって、もしかしたら彼らしかいないんじゃないでしょうか。

ならば。相当格好良くないですか?
受け取った愛や恩は忘れず何年かかっても必ず返すような義理堅いところも、心意気も。やっぱりCreepyNuts、最高に痺れるな!と思ったのです。

相手の反応

マキシマム ザ ホルモンMCで、ダイスケはんとナヲさんがこう言ってらした。

「CreepyNuts 呼んでくれて本当にありがとうーーー!本当に嬉しい!!!」
「こんな風に呼んでもらえる日が来るなんて、こんな嬉しいことない」

「CreepyNutsにはバンド?ロック?(うろ覚え)の匂いがする」
これは、多分LIVEハウスやフェスで1つ1つ現場叩き上げてきた自分達とCNが重なる故の言葉だと感じましたし、これ以上ない愛に溢れた言葉だと思いました。

Dragon Ashでは「CNとDAは、立っている場所が違っていて例えばチョモランマとエベレストみたいなもんで、それぞれが違う場所を登り続けた結果、今こうやって一緒のステージに立ててるのは最高に幸せで」(うろ覚えすぎる)
何度も自分のステージに呼んだRさんに今度は逆に呼ばれるのって、すごく嬉しかっただろうなと思うんです。

もう1つのSaucy Dogは年齢的には下のようですが、フェスで同じ日になることが多く、知り合ってからの年月はそれなりに経っているとのこと。お2人が今の年齢になって後輩も呼べるような心持ちになったっていうのは、とても良い歳の重ね方をされているんだなと思いました。

決してタメ語になれないところはご愛嬌ですが、先輩でも後輩でも男でも女でも、自分が良いと思ったものをまっすぐ良いと言うのは、私が彼らを好きな理由の中でも上位にランクインするところです。

それぞれ違うけど、そこも良い

この3つに参加してみて、ホルモンの時にはRさんのコラボもありましたし、お互いに全力で盛り上がろうぜ!!!!というような熱を感じ、Dragon Ashの時には自分達が呼んで一緒の板の上に立てる喜びと、ほんの少しいつもより力のこもったかまし合いのステージ。そしてSaucy Dogの時には「沁みるでしょ?すごいでしょ?良いっすよね」という、この歌をみんなにも聴いてほしい知ってほしい気持ちと、ピースな愛に満ちた想いを、それぞれ強く感じました。

3つともそれぞれ違って、どれも本当にとても素敵でしたし楽しかったです!

分かり合えないところもある

TLがざわつき様々な意見が飛び交い、不穏な空気になったロックとHIPHOPの楽しみ方の違いについて。具体的にいえばダイブやモッシュについては正直正解が見つからないんですが、私はこの方の意見に最も近い感覚を持っています。

実際、会場には開演前に「このイベントの特性上、本日は老若男女様々な方がお越しになっております。全ての皆様が楽しめるよう、お1人お1人がお互いに思いやりを持ってご参加頂き、楽しんで頂きますようお願い申し上げます」(うろ覚え)というようなアナウンスが繰り返し流れていましたが、このメッセージは個人的にとても好きでした。

実際、ホルモン「普段からこんなライブをしてます。びっくりさせたり怖がらせて本当にごめんね。でも悪い奴らじゃないの!怪我しないようにね」
DA「俺らはこういう楽しみ方だから、気をつけて。そこにいる子は大丈夫?じゃぁ俺が合図をしたら頭守って。怪我しないようにね。でもお前らも目一杯楽しむぞ!」(うろ覚え)などMCで言っていて、実際に合図もしていたし目配りもされていたと感じました。
フロアにいるファンの方の中にも女性に目を配っていた方達がいたことも体感でわかりました。

それでもモッシュに巻き込まれたりダイバーに蹴られたりした方はいらっしゃいましたし、そういう時の身の守り方も慣れてないと難しい上、感覚差や体格差もあるしで、きっと怖かったり痛い思いをされた方もいたと思いますので、こういうのはやっぱりなかなかむずかしいですね。
私も圧で潰される寸前で逃げましたし、モッシュするつもりもなく参加していたので眼鏡を掛けており、位置取りをミスって巻き込まれた時に危うくレンズ落として粉々にするところでした。


⚠️以下、セトリバレがあります⚠️





Saucyの時、私は正直かなり良い位置でRさんを観ていました。
私はデジタルタトゥー〜15才あたりの流れが毎度大好きなんですが、15才に関してちょっと鳥肌立ったというか恐怖を覚えたことが度々あります。

caseツアーの時には、単純にアカペラの凄さ。ラップのうまさ。リリック内容とその鬼気迫る感じにくらっていたんですが、いつの頃からでしょうか?そうじゃないところにぞくっとくることが増えました。恐らく・・最初に感じたのはARABAKI ROCK FESの時。

この時にも割と良い位置で観ていたんですが
「・・・・お前と誓った いくつかを忘れてる..」
で、ピンスポットがすーっと絞られ暗転していく際、少し遠くの方を見ながらRさんが本当に光がなくなるその一瞬、ニヤリと唇の端だけ笑ったんですよ。遠くを上目遣いで睨みがら、片方の口元だけ。
この時ぞっと身震いするような感覚に貫かれたんですが、他の方も同様だったんでしょう。しーーーーんと水を打ったように静まり返り、確か拍手が起きるまでだいぶ長い時間がかかりました。

……・・・・ぅぅぅぅぅううううううおおおおおおおおおおおお!!!!!!と、その後地響きのような歓声と拍手が起きたことを、今でも良く覚えています。

この時はフロホリを経験し、表現力が増したのだと単純に思っていました。

そして今回の生業。
(これ、私の見間違いであったら本当にごめんなさいですし、平謝りですし先入観植え付けたり間違ってたら本当に本当に申し訳ありません)

暗転するその瞬間と光が消えて少し。
ほんの一瞬だったんですが、Rさんとっても優しい顔でニコって笑ったんですよ。

その意味がなんなのかが未だによくわかっていませんが、とにかく胸が締め付けられ、しばらく身動きすらすることができませんでした。ニヤリと笑われた時より、睨まれたあの時より、今回の笑顔の方が数倍凄まじさが増して最早怖かったです。

お子さんが生まれたからなのか、心境が変化したのか、時間的な心の余裕がそうさせるのか全くもって分かりませんが、あれはやばい。やばすぎました。


ここ最近は、以前よりじっくり音楽に取り組めているCreepyNutsが、どんな表現でどんな曲・どんな世界を見せてくれるのか?それが益々楽しみで仕方ありません。

あとこれは余談。
Saucy DogがLIVE最後の曲が終わる時に、全員でジャカジャーン!!って終わらせるのが普通だと思うんですが、だいぶ早めにドラムのせとさん(女性)がスティックを置いて両手をお膝の上に置いてニコニコとヴォーカルの方を眺めていて、それに動じることなく他のお2人がギターとベースで締めておられたのが衝撃でした。笑 普段メタルの激しい終わり方しかほぼ見たことなかったんで、こんな終わり方があるのか!!!!!とマジで目から鱗でした。


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