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"ベルサイユのばら"とニューロマンティック。10年おきに読み返すと新しい物語が見えてくる
連載50周年記念ベルサイユのばら展 2年の巡回の最終日に神戸まで滑り込んだよ🌹
今年はフジロックのキラーズ然り、何でだか自分のルーツを振り返らされる出来事が相次いでて、小学生の頃狂ったようにループして読んだベルばらも再々燃中❤️🔥
がしかしこの熱を共有できる相手がいないゆえ不完全燃焼中…😂(泣笑)
普段は平成生まれの後追い世代的に80年代ニューウェーブ・ニューロマンティック伝道師をしているのだが(YouTubeも良かったら見てみてね)、実は最近、もしやこれこそ私の原点なんじゃないかと、ニューロマとかにもベルばらの面影を感じて好きになったんだと思い出し、リアタイじゃなくても三つ子の魂百までってとこかぁと、最近80'sニューロマとベルばらの繋がりを考察したり、新しい見方をしてみてるのである。
撮影NGだった大量の原画は、雄々しいフェルゼンの線の少なさ、アンドレの黒髪の艶、涙浮かぶ瞳の線の揺れ。原画の中の皆んなが生きて訴えてきて泣けた🥹
ストーリーもそうなんだけど、フランス革命の波が押し寄せてくる蠢きとか、原画は余計に躍動感あった。
いや、というか15年ぶりくらいに原作読んだけど、今読むと1972年にこんな作品を少女漫画でやってヒットしたなんて日本のカルチャーはやっぱ凄い。凄すぎる。そりゃ世界中を驚かせる名作になるのも頷ける。
ぜひ女の読み物と一蹴せずに男性諸君にも今から読んでみてほしい。歴史物としてもかなり詳細な案内をしてくれてるし、映画みたいなコマ割りでセロトニンもアドレナリンも出まくる。意外と青年や中年のおっさんファンも多いのです。
今読むとキャラへのイメージが思いっきり変わるのも面白くて、そのぶん自分の価値観が変化したという確認にも(笑)
ただオスカルはずっと理想の女性像だし、今もアニー・レノックスとかパティ・スミスとかマレーネ・ディートリッヒ(男装の麗人)とか岡田茉莉子さまみたいな女たちにばかり惹かれるのもなるほどなと(笑)彼女たち全員自分と誕生日が近いのも、なんだか見過ごせないのである。オスカルなんか架空なのに、、w
小学生のときは「歴史上の偉人研究」みたいな企画で、ベルばらに登場する大好きな実在キャラ、カリスマな革命煽動者ロベスピエールのことをプレゼンしたのも良き思い出🇫🇷
あとは凛々しくスマートな貴公子フェルゼンとかが好きで、一番人気と後で知ったアンドレのことは、好きなんだけどその暴走ぶりが余りにも生々しくて痛々しかったので、なんというかダサいしコイツやべーやつだなと警戒していた、とはいえ最後にいちばん泣かされたのもアンドレだったってのも事実、、てことで複雑かつ強烈なイメージを植え付けられていたのである
(ちなみにアニメではキレイなキャラだったが、原作のアンドレは色々スゴイ。恋煩いを拗らせての強姦未遂に心中未遂、恋敵へのショコラ攻撃など、1972年の少女漫画でよくぞここまで生々しく不器用な男の情念を描いたなと驚嘆するレベル)
だけど今読むと、アンドレの大海のように広くあたたかい心に、その痛い暴走すらも身をつまされるように同情するし、シーンを追うごとにいちいち感動してしまうのである(笑)単純なようで分からなかったそのピュアすぎる尊さに今やっと気づいたというか、これに気づけなかった私はなんてバカだったんだろうかと、これ20歳のころに読み返してたら私の人生違っただろうなと、実体験の後悔含めて、人の愛を何もわかっていなかった子供の頃の自分に、結構ショックを受けたりした(苦笑)。
これは分かってくれる人が果たしてどれだけいるか謎だが、今改めてアンドレを見ていると、なんだか私の中でブライアン・フェリーの姿と被ってくる。
カッコいいんだけど決してイケてる訳じゃないどこか余裕のないダサさ(まあ失明の恐怖や歴史的背景もあるしここは大目に見たい)、でも常に全力で捨て身でお耽美に生きているところ(ポエムとか)…
特にフェリーがジェリー・ホールをミック・ジャガーに寝取られた挙句結婚までされた、おそらくフェリーの人生でどん底だった時期の一つであろうあの時期のフェリーとアンドレの苦悩はちょっと重なる部分があって、遠巻きに笑いつつ愛おしく思いながらも泣けてくる自分がいた。この気持ち、そっと誰かに共感してほしいところだが、ビョーキな観点であることも一応は承知している。
あと、か弱くて良い子すぎ優等生ロザリーのことも昔はツマンネとスルーしてたのだが、実は一番芯が強くてもしかしたらオスカルよりも打たれ強くて、火事場の馬鹿力で潜在能力発揮するとこも天晴れだと大きく見直したり。
その異母姉ジャンヌ姉さんは、歴史上有名な「アントワネットの首飾り事件」の首謀者として描かれる。なんとも魅力的な悪女だなぁと子供ながらに思ってたのだが、それがなぜなのか彼女の目的はなんなのか、昔は分からずモヤモヤしてた。
でも今はっきりした。彼女は一流貴族で贅沢三昧したかったわけじゃなくて、広い世界で自分を試したかったんだなと。完全に「人生はゲーム」系。かっけー。痺れるほどかっけー。おそらくゲーム・オブ・スローンズを見過ぎだせいでこの視点に辿り着けた私。そしてある意味いちばん非現実的なキャラ。役者やってた頃はこんな役ばっかりやってたのに(反省)
子供の頃に夢中になったものって今読み返すとほんとに新しい発見がありすぎて別の作品に感じるほど。いや、それが不朽の名作たる所以なんだろうな。
宝塚のほうは食わず嫌いで触手が伸びないのだけど、日本にいる間に一回は観ておこう。
アニメもアニメで最高だけど、男性プロデューサー目線でオスカルがかなり女らしく描かれてるイメージ。原作、読んだことない人ぜひ読んでみると良いよ!!!
とりあえず24歳でこれ描いた池田理代子は天才としか思えない。
来年春には初の劇場版アニメも公開予定で、50年越しってのがなんともレベチ。
ちなみに1979年アニメ放送と同年に日仏合作で実写映画化もされてて、そのスタッフがやばい。監督ジャック・ドゥミ、製作総指揮アニエス・ヴァルダ、音楽はミシェル・ルグランと、ガチで本気のフランス映画を作りにきてる文句ないメンツ。それが日本の漫画の映画化なんてエモい時代だ。まだ観てないんだけど(笑)これも最近ディスク化されてるから要チェック。
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