【ザ・キラーズ フジロック2024ライブレポ】"日本で人気ない"はもう終わり。これからはみんなのキラーズ
フジロック'24初日ヘッドライナー、The Killersが魅せてくれた圧倒的なステージ。
こんな機会二度とないからたまには自分のバックボーン含めて、思いの丈をツラツラと。
初日ヘッドライナーにThe Killersが「代打で」決定したときから(先に結論を言うと、完璧なまでに遅れて登場した主人公だった。まあ彼らのそういうズルいところが大好き🥰笑)、
自分の原点が実はキラーズなのですと、いま時代錯誤なニューウェーブ伝道師をリアルタイムでもないのに勝手にやらせてもらってるけど、こんなニッチな人生にしてくれちゃったのも他でもなくキラーズのせい、と言うかおかげなのですと、ラジオとかYouTubeとかで最近話してた。
2003年中学生の時、あんまり刺激的なロックバンドも少なくなってた時代(でもロックもなんとか頑張ってた頃)、
デビューしたばかりのキラーズに一瞬でノックアウトされ、まさに私が求めてたヤツが現れた!!!!!みたいな衝撃だった。ちょいダサでジェンダーも微妙でギラギラしたファッションとステージ、そして猿でも歌えるくらいキャッチーなメロディでカタルシス満載な曲たち。
この人たちなんでこんなに異様でラブリーなんだろう、と思ってキラーズを深く知るべく彼らのルーツを辿ったらそこが思いっきり70,80年代ニューウェーブ(NW)の世界。知らない時代のちょっとダサくて情念たっぷりで危なくてたまにポップでギラギラした音楽は、まんまキラーズが影響受けてるのが分かったし、理由は知らんけど自分のストライクど真ん中を直撃、かつリアルタイムのどの音楽にも無いファンタジーそのもので、格好の現実逃避材料だった。ゆえにどんどんリアタイ音楽よりもその沼にハマっていき今の自分が出来上がったという流れがあって。
これはアピールしたいとかいう訳じゃなくて何が言いたいかと言うと、多分アーティストのルーツを辿る習性のある人は自分が思ってるよりずっと少ないのかもしれないけど、数人でもそういう若者がいればNWって今聴くと何周か回って面白いんだよっていうのを少しでも次世代に伝えられるっていうのと、昔と今の音楽が世代別で完全に隔絶されてる、古いものが古いまま淘汰される発展性の無いこの国の風潮に少しでも一石を投じれるんじゃないかと思ったりして、希望を捨てずにやってたりするのであります。
キラーズはそのあとNWだけじゃなくて他の音楽も取り入れていったり、美青年ゲイっぽいヴィジュアルを辞めたり、ラスベガス出身の強みを活かしたド派手なショーマンシップと猿でも歌えるポップソングで世界を代表するスタジアムバンドになっていき、結果今回のフジロックでもその場にいた全員をファンにしたんじゃないかってくらいなアクトをしてくれるに至った。
それでも、一緒に苗場入りしてくれたシマザキさんが「初めてキラーズのライヴ観たけど、ボーカルのブランドンってデペッシュモードのデイヴ・ガーンとかU2のボノに憧れてた人なんだろうなってすごい思った」って話してたのが、キラーズの本質の変わらなさを体現してて、初めて観るのにそれを感じ取ってくれたのがすごく嬉しかった☺️
で、今回のフジロックのステージw。
こんなわけで自分でも思ってたよりキラーズに特別な思い入れがあるのと、そもそも思春期からリアタイで唯一今も聴き続けているバンドであるし、何より日本でだけ(熱いファンは多いのに)大ブレイクできない問題が付き纏っているとあり、彼らが15年前にキャンセルしたフジロックの、しかもヘッドライナーで演るのは、古参ファンとしても個人的感情としても相当意味深いものだった。
日本人気の点ではいわく付きのキラーズだから、代打じゃなければヘッドライナーになることは今後おそらく無かったんじゃないかと思ってる。
客入れでは謎なごちゃ混ぜセレクトだけど、Re-FlexとかWang Changとかいう微妙なNW風味の80sポップスとか、Talknig HeadsとかOingo Boingoとかかかってて、1人でずっとニヤニヤしてた。🤭
スタート、場所取りミスったけど1曲目、最近はマネスキンがカヴァーした"Somebody Told Me”でいきなりMAXなテンションからドカン!と始めてきて、大歓声と大合唱で幕開けから会場一体になってる光景に、これマジで単独じゃないよね?フジロックでこれって凄すぎない?てか散々ドタキャンしながら苗場の地と熱いファンたちを15年間も待たせたツケの払い方がこれかよやっぱコイツらやる事違うわ、ていうか今までのどの来日公演より気合いもパフォーマンスも磨かれてるし、その前の、あの頃のキラーズといえば、自分の状況は、こんなだったよな…などなど、、
色んな思いが走馬灯みたく駆け巡って、脳内飽和状態で思考停止になり、無心で歌って没入(笑)
前回の来日、2018年に武道館で見た時は私もDJをやり始めたばかりで、今みたいなニューウェーブ伝道師とやらもやってなかった。
だからこそ最近は、過去を振り返れば振り返るほどキラーズの有り難みを感じてて、人生の色んな分岐点にキラーズが居たんだなぁと、、
キラーズがいなかったら今自分何してたんかなぁ、きっと私にしか出来ないことを見つけられたのはキラーズのおかげなんだよなぁ、ああ、、あ、
とかそんな思いが、脳裏に刻み込まれた"Somebody〜”の歌詞を叫びながら怒涛のように押し寄せてきて、まだ1曲しかやってないのに、ずっと雄叫びあげながらうおおおって号泣してて、周りの人たちから「アハハ…」って笑い声が聞こえてきて、気づけば自分の周囲半径2メートルくらいに空間ができていた(笑)
まあいいやと思い理性と本能の狭間で戦いながら、乗せ方盛り上げ方がうますぎな曲のアレンジやブランドンの大英雄なパフォーマンス、だけど根っこはあのデビュー当時の、80'sNWへの情景をピュアに表してたあの頃の情熱を忘れてない彼の様子に、ただただ泣きながら圧倒されるだけの私、、
。
熱いファンたちも若い世代からオジサンまで幅広くて、もうキラーズ、、すごいやばい😭(思考停止)
途中、私が2番目に好きな曲”Running towards a place”(2020)をやってくれたけど、唯一観客がピンと来てない曲で、本来ならアガるべき場所で静かだったりして(笑)
また本能剥き出しでうおおーって絶叫しそうになったけど、さっき大号泣してドン引きされたのがちょっと恥ずかしくなり、頑張って我慢。
でもやっぱり我慢できず、ひとり大声でフル熱唱。w
ここで私の嗜好はどうも世間一般とはズレがあるんだなということも冷静に再確認。
その後プレスリーのカヴァーなど有り、ダンスホールやキャバレーみたいなグレイテストショーマンシップを見せる。さすがベガスの血。
極め付けアンコールの"Mr.Brightside"ではついにフジロックで禁止されてるはずのモッシュを起こすことに成功するキラーズ。もう伝説化確定。
私も最前線に加わり、スマホの充電も切れたし、息も絶え絶えに、17年前Zepp Tokyoの楽屋前でハグした時とは違う気迫にまみれたブランドンの勇姿とショッキングピンクのジャケットを、網膜に焼き付けた。
久しぶりに決死の覚悟で挑んだ激しいモッシュでは隣でかわいい女の子が私と同じように"ジェ〜ラシ〜!!♪"って熱唱しながら体当たりしてて、感極まってついその子の肩を思いっきり抱きしめながら私も"ジェ〜ラシ〜!!"って叫んでたんだけど、めっちゃ笑顔で抱きしめたらちょっと失笑されて、モッシュしてんのに冷静かよコイツ、という気持ちが一瞬よぎったものの、構わず肩組んで叫んでた。
終演後に客電ついた中で後ろを振り返ったら、そのかわいい女の子だと思ってた子はフツーに長髪サラサラ髪の男だった。
あーーーー、、w
そんでモッシュのおかげでカバンにつけてた4ADの缶バッヂは無くすし、カバン自体もぶっ壊したんだけど、誰か敬虔なキラーズファンが4ADの缶バッヂを拾ってキラーズ経由で4AD好きになってくれたらそれで嬉しいや、と謎の博愛精神に心を満たしながらモッシュピットを後にした。
日本のキラーズファン一同、これほどキラーズを再び大好きになった日は無いほど、マジでいちばんメモリアルなステージになったのは間違いない。キラーズの実力を、デビューから20年かかってようやく日本に知らしめた日。
薫城カオルちゃんも20年フジロック来つづけた中でいちばん最高のステージだったと興奮してた。
キラーズ古参ファンってたぶん、日本でだけ大ブレイクできない現象に、心の底で"俺だけのキラーズ"感みたいな、ここまで来るとファン同士マイノリティパワーで結束するみたいな所って、実際あると思うんだよね。「日本でだけ人気ないんだよね〜」とか言って。
でもそう思ってるマイノリティたちは我々の予想以上に多く存在したことも分かり(笑)、このステージを機に話題を集めてファンが増えることも考えると、もう"みんなのキラーズ"っていう海外では当たり前のイメージが、いよいよ日本でも定着し始めるんだな。
もう来ることは無いのかもと思ってた、新世紀の幕開けって感じ。
若干寂しくなるのは否めないけど(笑)、これで洋楽ロックの面白さを知る人が増えるといい。そしてまたキラーズにはNWライクな曲をたくさん出してもらって、ww
あー書いててまたずっと涙が、
これくらい感極まってるファンいっぱいいたと思うけど、うん、無理やりキラーズに一言いうなら、全部にありがとうだなぁ🥹
ありがとうと大好きとありがとうしかないよ🥹✨✨
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