能登ボランティアに参加してみて

「令和6年能登半島地震」発生から約半年。私は初めてボランティアに参加した。行った地区は能登町柳田と能登町能都。
 金沢駅からバスでそれぞれの地区のボランティアセンターまで移動した。道路のガタガタ具合や壊れたままの建物が放置されている状況は変わりなかった。

  柳田では主に壁材などの災害廃棄物をまとめて指定のゴミ捨場まで運搬する作業だった。部屋の中は殆どものが無く、災害廃棄物が車庫に置かれた状態だった。障子戸やふすまなど「ごみ」にならないものを捨てないといけない状況に虚しさを感じた。また、生活感のない部屋をみて家主でない私も心に穴が開いた感じになった。
 能都でも主に災害廃棄物をまとめてゴミ捨場まで運搬する作業だった。柳田の家よりも震災の影響がひどく、階段下の床が割れていた。仏壇を処分するため、午後から僧侶が来て魂抜きを行っていた。家がもぬけの殻になっていく状況に心が痛かった。
 
 家を片付けているとき、娘のの資料や釣り道具、掛け軸や仏像などが出てきた。捨てるものか確認すると、「全部捨てていい」と言われた。本当は大切だったものもあると思うが、それが全部「ゴミ」になってしまった。震災ひとつでこんなに状況に変わるんだ、ことを改めて感じた。
 
「震災復興が進んでいない」
ガタガタな道がまだ多いし、建て壊しも進んでいないし、まだ治していない崖崩れ箇所も多い。多くの問題がある中でどれから対処するべきか、まだ定まっていないように感じる。
また、ボランティアした家の人たちは希望よりも不安や諦めの方が強かったように感じる。このような状況を打破するために、私に何ができるのだろう…。私という存在の小ささを実感した。でも、私ができることをコツコツやっていくしかないのだろう…。

 金沢に行った際、百万石祭りが行われていて、ボランティア活動の後に金沢城公園と兼六園に行った。多くの人が祭りを楽しみ、私も兼六園の夜景に心を打たれた。能登にもきれいな海や山があり、昔ながらの民家も残っている。人がたくさん来る観光地に一刻も早くもどってほしい。


兼六園の夜景


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