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日本の官僚および官僚制度が再び一流になるために
1. 日本の官僚制度の現状
縦割り行政 前例主義 過度な文書主義
そしてモチベーションの低下など……
いまの官僚制度は、硬直化がひどいと言われていますよね。
実際、縦割り行政 や 前例主義等により、日本の足を引っ張っている面は、正直大きいのではと思います。
「政治家より、官僚のほうが 実権を握っているんじゃないか」という声も多く、改革が必要だと国民から言われ続けています。
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2. 官僚は、本来極めて優秀
しかし、そもそも日本の官僚はとても優秀です。
たとえば明治維新の頃、欧米の先進制度を短期間で取り入れて、あっという間に近代国家の土台を作り上げました。
さらに、太平洋戦争後の復興期は、経済成長のプランをしっかり立てて、官主導で企業を支援して、日本を世界有数の経済大国に押し上げもしました。
これは、官僚が本来持っている優秀な実行力があったからこそ、成し遂げられたことですよね。
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3. 制度が硬直化しやすい
ただ、組織は長く続くとどうしても硬直化します。
官僚制度は、その典型かもしれません。
太平洋戦争前の陸軍などは、派閥争いや縦割りで暴走し、政治も外交もおかしな方向に持って行ってしまいました。
バブル崩壊後も同じように、官僚が前例主義で、過去の成功体験にしがみついたり、失敗を怖れて変化を避けたりして、結果的に改革は非常に遅れています。
しかも、官僚は選挙で引きずり下ろされるわけではないから、政治家以上に強い権力を持ち続けることも多いです。
明治維新 や 太平洋戦争 の 敗戦直後のように「国が根本からひっくり返る」ほどの出来事があれば、官僚制度も一気にリセットされて、また優秀さを取り戻す可能性は当然あります。
しかし、それは国民にとって、大不幸以外の何ものでもないはずです。
ですから、平時の現状で、官僚機構が もう一度活力を持ち 優秀な組織体質を取り戻す、というのが大事ですよね。そのためには
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4. 官僚制度の 仕事の「見える化」を 行う
そこで提案したいのが、官僚の仕事を可視化することです。
例えば、コロナ禍のときに、都道府県別のワクチン接種率が毎日ニュースで出てましたよね。
あれって各自治体が「うち、もっと頑張らないと」と思うきっかけになったでしょうし、
国民も「いま何%くらい進んでるか」を毎日把握できていました。
( このことに伴う弊害も、かなりあったかもしれません。しかし ワクチン接種推進という観点 だけ から見ると、大変な効果 があったはずです )
同じことを、官僚の仕事について行えばどうでしょうか。
もちろん、差別や非難につながらない範囲で、です。
例えば、1か月に1回 などのペースで、官僚の仕事を 項目を決めて SNS や テレビ・新聞 などで 公開する。
そうすると、官僚自身も「成果をきちんと出さないと、公開データに現れてしまう」となるし、
逆に、頑張ったときには 数値の伸びとして評価されます。
いい意味での、競争意識とか当事者意識が高まると思えるのです。
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5. 仕事の見える化
( 公開内容の具体例 )
具体的には、各省庁それぞれで、例えば 次のような指標を 定期的 ( 一ヶ月毎など ) に出すのがいいのではないかと思います。
厚生労働省
保育園 や こども園 の 受け入れ可能数/未就学児数
病児保育の施設数や利用件数
男性の育児休業取得率
文部科学省
学童保育 の 受け入れ率
小中学校のICT整備率( 例えば1人1台のタブレットなど )
こども家庭庁
こども関連政策の進捗( 待機児童ゼロの取り組み状況など )
児童虐待に対する通報・対応件数 と 対応速度
国土交通省
公共施設 や 駅のバリアフリー化率
交通インフラの老朽化対策の進捗
経済産業省
地域ごとのデジタル化・テレワーク導入率の推移
中小企業支援策の利用率
❗【 財 務 省 】❗
日本国の「 損益計算書 」を 毎月 公表する
( 国レベルでの 歳入歳出 の 速報値 を公表 )
貸借対照表 および 正式な損益計算書
を 年1回 公表する
当然 かなり大きく 複雑な数字になるので、なるべく 噛み砕いた解説付き で 出してほしいですね。
こういった定期的な公開をすることで、私達国民も「どこがうまく進んでいて、どこが遅れてるんだろう?」というのが見えるし、
官僚側も「目標数値をきちんと達成しないと」と考えるでしょう。
さらに、このデータ公開が習慣化すれば、「公開されてない領域はどうなんだろう?」という声も上がるはずで、
それがまた、官僚組織全体 の 意識改革につながるのではないでしょうか。
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