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川辺にオニユリの花が咲き乱れ、ツクシやイタドリを採っていた頃

私の子供の頃の話です。
私の母親の実家はそれはそれは町中から遠く離れた山里の田んぼの中の農家でした。
私は祖母が大好きで、学校が休みになるとずっと祖母の家で過ごしていました。
実家のそばには川があり、夏になると、川辺にはオニユリの花が所狭しと咲き誇っていました。子供心にも美しいと思いました。いとこの姉とふたりで川辺を散歩し、川の流れも清らかで、浅瀬で水遊びをしてふざけあったものです。夜は川辺にホタルが飛び交い、それはそれは幻想的で、子供たちは大人たちと一緒に眺めを楽しみました。
春になると、家の前の田んぼにはツクシが生え、イタドリが背高く伸びて、子供たちはツクシを摘みながらイタドリをポキンと折ってかじり、酸っぱさを味わいながら、田んぼを歩いたものです。
今、こんな風景はどこにも見あたりませんが、私の頭の中には子供の頃の美しい思い出として残っています。

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