【米国株】王座を狙う、ブロードコム
NVIDIAは生成AIの拡大とともに最も恩恵を受けた企業であり、GPU市場における圧倒的な優位性から今後の成長ストーリーも揺るぎないと思われますが、今回は、その座を眈々と狙うブロードコムについて考察してみたいと思います。
事業内容
ブロードコムの事業は半導体ソリューションとインフラストラクチャーソフトウェア事業にわかれております。
最もHotな分野の一つである半導体とデータセンターというAIインフラの両翼を担っています。
・半導体ソリューション
データセンターや、サーバープロバイダーに対しての有線のインフラストラクチャーの提供や、ワイヤレス通信の供給、企業用ストレージを提供しています。NVIDIA一強であったGPUに対抗する形で大手クラウドプロバイダーの半導体(ASIC)製造を請け負い、AI推論でのシェア拡大を狙っています。
・インフラストラクチャーソフトウェア
メインフレームやサイバーセキュリティソリューション、クラウドインフラ等の事業が含まれています。
2024年Q4決算と通期決算ハイライト
2024年第4四半期は、140億ドルを記録し、YoYで51%の上昇でした。
GAAPベースでの四半期EPSは0.90ドルで、0.07ドル上昇しました。
事業セグメントでは、半導体部門で59%にあたる82億ドルの売上をあげ、インフラストラクチャソフトウェア部門では41%の58億ドルの売上を計上しました。
2024年通期では、516億ドルの売上を記録し、YoYで44%の成長でした。EPSは1.23ドルでした。
ブロードコムの下剋上ストーリーはあるか?
ブロードコムがここまで取り上げられるようになった背景として一番大きいのはApple、Google等の大手ハイテク企業からのASICの受注により、スポットライトを浴びたからであろう。NVIDIAのGPUは「学習」では一強であったものの「推論」においては、ASICが消費電力あたりのパフォーマンスが優れているとされており、今後生成AIの普及とともにシェア拡大が見込まれています。一方で、NVIDIAのGPUとCUDAが一体となった最強インフラの牙城は今後も続くと見込まれており、市場拡大とともに同時に大きくなることが予想されています。
市場拡大とともにブロードコムの事業が伸びていくことは想像に難くないですが、現在のストーリーではNVIDIAを凌駕するほどの事業成長は難しいのではないかと筆者は考えます。