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【米国株】生成AIブームによる半導体市場のキープレイヤー


半導体市場を考える上で大まかにCPU、GPU、メモリ半導体の3つに分けることができます。それぞれの半導体ごとにキープレイヤーが異なり、まずは整理していきたいと思います。

CPU(Central Processing Unit)

コンピュータの「頭脳」とも呼ばれ、中央演算を担います。市場はインテルとAMDでほぼ2分されています。

・Intel: あの「インテル入ってる」のインテルです。長らくPCおよびサーバー向けのCPU市場を支配してきました。近年はそのシェアを減らし約62%となっています。
・AMD: インテルとの競争において、価格比で性能の良いRyzenプロセッサーで市場シェアを拡大し、約33%とシェアを伸ばしています。
・Qualcomm: 主に、モバイルやIoTデバイス向けのCPUです。ARMアーキテクチャを採用しており、省電力性に優れています。Snapdragon XがマイクロソフトのCopilot PCにも搭載され注目を浴びています。

CPU市場は長らく、絶対王者Intelが君臨してきましたが、近年AMDによりシェアを奪われており、また、Qualcommが2024年9月にIntelに対して買収の可能性を提示したというほど、盛者必衰の様相を呈しています。

GPU(Graphics Processing Unit)

画像処理やグラフィックレンダリングを専門的に行うプロセッサでしたが、一度に大量の並列処理を行うことができることからGPGPUが提唱され、機械学習や科学計算で利用されるようになりました。市場はNVIDIAが圧倒的なシェアを占めており、ついでAMDがシェアを持っています。

・NVIDIA: 生成AIの時代の寵児とも言われ市場シェアの88%を支配しており、事実上の独占状態にあります。これまでのPCや画像処理半導体に加え、特にデータセンター市場・生成AI向けのGPUに牽引されシェアを拡大してきました。

・AMD: 約12%の市場シェアを持っており、NVIDIAに次ぐ存在です。主にミドルレンジからハイエンドまでの製品で競争していますが、NVIDIAの支配力に苦戦している状況です。

メモリ(Memory)

コンピュータシステムにおいてデータやプログラムを一時的に保存するために使われる部品で、主にDRAMNANDに分けられます。
DRAMは、PCやモバイルデバイスで広く使用され、データを一時的に保存しコンピュータが現在処理しているプログラムやデータに素早くアクセスできるようにするためのメモリです。近年、HBMという従来のメモリに比べて高い帯域幅を提供する次世代メモリが生成AI需要に牽引され、シェアを拡大しています。以下の3者で市場を取り合っています。

Samsung (サムスン): 約45%の市場シェアを持ち最大のシェアを持つ韓国企業です。DDR5 DRAMを量産しており、牽引していますが、HBM生産で次点のSK Hynixに追い上げられています。

SK Hynix : こちらも韓国企業で約31%の市場シェアを抑えており、データセンター向けHBMの生産でSamsungを猛追しています。

Micron technology: DRAM市場の約20%を占める米国企業です。HBMの生産で苦戦していましたが、一世代スキップしHBM3eの量産に入り、NVIDIAのGPUにも採用されました。

NANDはSSDやUSBメモリで使われる不揮発性メモリで、データの読み書きが可能です。クラウドコンピューティングとデータセンターの拡大によりSSDの需要が高まり市場回復をしています。上記DRAM市場の3社に加え、下記の2社で市場を分けています。

ウエスタンデジタル: 14%の市場シェアを占める米国企業です。HDD市場から、SSD,フラッシュメモリ市場にシェアを伸ばしています。

キオクシア: 14%の市場シェアを占める日本企業です。東芝のメモリ半導体事業として立ち上がり独立しました。半導体市場の好況により上場が見込まれています。

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