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10000kmの距離を超えて

セロリちゃんと私の友情は、奇跡のようだと思う。

セロリちゃんは勉強のために日本から約10000kmも離れた国、エリトリアからやってきた賢くてかっこいいナイスガールだ。恥ずかしながら彼女と会うまで私はエリトリアという国の存在すら知らなかった。全部わからないから、聞けることがたくさんあって話題が尽きなかったのかも。だとしたら、私たちが友達になれたのは私が無知だったおかげってことで胸張っちゃってもいいよね、セロリちゃん?えっへん!
まずは、エリトリアという国について彼女から得た知識をひけらかしていく。

エリトリアは場所によってかなり高低差があり、その気候も場所によってかなり変わるらしい。あとは、国民がコーヒーを飲みまくるお祭りがあるけど、セロリちゃんはコーヒーが苦手。それから…あ、国の片側から反対に行くまでにはジャングルを通らなくてはいけない、とか?あとは…えっと…、まあ、私からはこれくらいにして皆の知的好奇心を刺激してみようかな?
エリトリアは許可証がなければ旅行できない激レア国なので、ネットで出てくる情報はほかの国に比べて少ないけれど、気になる人は調べてみてほしい。食文化は野菜や豆類、魚など結構ヘルシーで、ヘルシーなのに辛いからもうカロリーゼロどころか毎日カロリーマイナスだよね。なのに太った女性の方が美しいという美の基準がある。0カロリー理論が不利に働くなんて!


わたしとセロリちゃん

まあともかく、こんな感じで遠い遠い違う国からきたセロリちゃん。とっても賢いセロリちゃんだけれど、最初のころは文化の違いに混乱してた。電車で電話をしはじめたセロリちゃん。日本では公共交通機関での通話がNGだって教えなきゃ!でも、いやな気持ちにしてしまったらどうしよう。ドキドキ。なんていろいろ考えていた私だったけれど、
「あ、電話だめなの?だからみんな見てたのかあ!私って外国人だから目立っちゃってんのかなって思ってたわ。」
なんて腹抱えて笑いながら言われたときには、案ずるより産むがやすしってこのことか、なんて納得したものだ。

文化の違いに驚いたのは私だけじゃない。セロリちゃんと話しているとき、
「私の国だと徴兵制があるんだよね。銃の練習なんかゲームみたいで面白くて妹と一緒に写真撮っちゃった!」
笑いながらそう言われたときにはもうほんと、びっくりだった。もちろんセロリちゃんにとっても、徴兵がいいことなわけではないのだが、全部を笑って乗り越えているそう。かっこいいぜ、セロリちゃん!
どこかの選択が違ったら絶対に会うことがない私たちが同じ時空で出会って友達になるなんて、なんだか壮大。私って、映画の主人公みたいじゃない?

賢くて優しいセロリちゃん、私にアフリカの料理を教えてくれたり、おすすめの本や映画を教えてくれたり、一緒に旅行に行ってくれたり。たくさんの時間を過ごしたが、彼女の一番のすごさは読解力だと思う。会ったばかりの頃の私の英会話能力はほぼゼロ。にもかかわらず、私が
「I, I, I'm going to….」
といっただけで
「Oh, okay. you'd love to say about something like …. It is good because ….」
全部理解してくれるのだ。いや、誇張じゃなくて、まじ。

でも、そんなセロリちゃんのことで気になってしまうことがある。会話の途中で、そろそろオチが来そうだなあってとき!彼女は絶対に言うのだ。
「The funny thing is….」
言っちゃうの!?直訳すると、
「そんで、この話のおもしろいとこはさ…。」
これからオチを言う予告をするのだ。必ず。英語の文法的に仕方ないのだろうが、これが気になって毎回オチを聞き逃してしまう。え、ちゃんと話聞けって?まあ、確かに…。
私はまだ一回もこの話し方を使っていないが、そのうち使う日が来るのだろうか?
ザ・ファニーシング・イズ、私はこの文法に惑わされてオチを聞き逃してしまうけど、そもそもこの話し方が好きすぎてオチが面白いか面白くないかに関わらず絶対笑ってしまうこと。

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