こんな本はいかが⑱ 秘密の動物誌 ジョアン・フォンクベルタ/ペレ・フォルミゲーラ
ルポライターである筆者の二人が、偶然宿泊した宿にて、謎の失踪を遂げた異端の動物学者ペーター・アーマイゼンハウフェン博士の残した資料を発見。世界に公表する。そこには空想上の生物か奇形か新種か判断のつかぬ様々な動物が記録されていた…
という体のフィクション。(ググったけど支弁動物学?っていうんですか、こういうの)
正直デザインはちょっとちゃちいと思ってしまう。剥製屋が頼まれて作ったような趣味の悪いキメラ生物&その骨格。
のはずなのだが、博士の生涯、発見に至るまでの経緯、淡々と語られる詳細かつリアルな観察・生体の記録、逆に写真のみで一切記録のないものなど…
それらがちゃちいはずのキメラ生物たちの存在感をどんどんと肉付けし読み手に迫ってくる。
こういうのは「フューチャーイズワイルド」とかディノサウロイドとか好きだけど、あちらはこんな生物が生まれるかもね/生まれたかもね というワクワク感が楽しいのだが、こちらは読みすすめているうちにゾワゾワしてくる。
思考にねばりつくような
「見てはいけないものを見てしまった」感覚。
架空だとは分かっているはずなのに。
他にもこういうの読んでみたいけど、精神衛生上に悪そうだから控えめにしておこう。