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こんな漫画もどうぞ② ヨコハマ買い出し紀行 芦奈野ひとし

ちょっとだけ未来のお話。

地球規模の気候変動、海面上昇が起きて
かつての海岸沿いの街は軒並み海に沈む。

人々はより陸の方にあがり、インフラも少しずつ衰退し細々と暮らしていた。

のちに「夕凪の時代」と呼ばれる、人類が衰退する少しだけ前の時代。

そんな中、女性型ロボット「アルファさん」は
旅に出たマスターの帰りを待ちながら、西の岬で「カフェアルファ」を営むのでした…

というお話なのだが、とにかくのんびりしている。
世界観は人が滅亡に向かっていく中の物語のはずなのだが、それを解決しようとする救世主もいないし、人々は少し不便になったインフラを受け入れ過ごしている。

当のアルファさんも近所の爺さんや子供たちと仲良くなったり、月琴を弾いたり、自分以外のロボットと出会い刺激を受けたり、四季折々の行事を楽しんだり、相棒のスクーターで少し遠出旅行をしたり…

フィクションにありがちな世紀末論や破滅論、自然を壊す人間は悪!とかの諸々の課題を主人公勢で解決しよう!という流れがよくあるが、本作は一線を画している。

変わりゆく世界に文句を言う訳でもなく解決しようとする訳でもなく、緩やかに受け入れ日々を過ごしていき、ちょっとずつ成長し、時は過ぎていく。

その世界に浸るのが、なんとも心地よい。

ひとコマひとコマ味わいながら
ゆっくりページをめくりたい。

そんな漫画です。

アルファさんはいつもこんな感じ。
10年後も、きっと20年後も。
(第30話「カフェ アルファ」より)

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