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こんな本はいかが㊳ 鎖国 ゆるやかな情報革命 市村佑一+大石慎三郎

歴史シリーズ。
江戸幕府が鎖国という体制を取ってから、どのような体制で海外情報を仕入れていき、開国までの海外情報流布が広まっていったか、というのを語った一冊。

正直、前半の幕府の海外情報管理システムのあたりはつまらない。
中盤からの江戸の知識人たちが海外に目覚めどのように情報(主にオランダから)を得るに至ったか、文法や辞書の必要性などの解説の下りから面白くなってくる。新井白石、杉田玄白や青木昆陽など知った名前が次々出てくるからだろうか。
その後、江戸に医学(やはりここでも解体新書が出てくる。本当に先進的な1冊だったのだ!)はじめ地学や風俗など受け入れる内容が徐々に幅広くなり、少しずつ世界(主に西洋文化)に目覚め受け入れていく。

サブタイトルにもあるが、この緩やかさが日本史独自の、本当に良かった点なのだろう。
(急に海外/海外技術と触れた国は、往々にしてアンバランスなので)

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