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数学検定1級の合格体験記

へいよー。いっちです。実は2023年の10月の数検1級の試験で合格をしていたのでその時のレポートとおすすめの対策方法について説明したいと思います。

受験前の数学力と受験動機について

受験前の数学力としては、大学の1、2年の講義で基礎的な解析学、線形代数、確率統計、複素解析の知識はある程度入ってはいましたが、細かい部分まで完璧に理解できていなかったと思います。

 高校一年生の頃に数学検定の準1級を取得していたのですが、それ以来、数学検定には触れてこなかったので、大学二年生の後期に、せっかくだしと思って数検1級を受験することに決めました。勉強期間としては、2ヶ月程度でした。

試験内容の説明

数学検定1級は一次試験と二次試験の二つがあり、両方を同日に受験する形式です。またそれぞれの試験の形式は以下のようになっています。

  • 一次試験
    試験時間:1時間
    問題数:7問
    合格点5点/7点(答えのみ)

  • 二次試験
    試験時間:2時間
    問題数:7問だが内2問は必答、残り5問から2問を任意に選んで計4問
    合格点2.5点/4点(記述)

一次試験の対策について

一次試験は、前節で述べたように7問の計算問題なのですが、5点以上が合格です。過去問を実際にやってみるとわかるのですが、この5点をかき集めるのは意外と難しいです。なぜなら微積分、線形代数、確率統計、複素解析など全ての分野から出題されるからです。一次試験の対策としては過去問をとにかく周回することです。数検1級の一次試験では同じような内容の問題が出ることが多いです。そのため過去問を周回することが重要です。そしてどうやって過去問を集めるのかについてですが、以下のサイトを使うと良いです。

このサイトに40回分以上の一次試験の問題が集まっています!これらの問題を解くことで自分の苦手な範囲などがわかるのでとてもおすすめです。また合格率なども載っており参考になります。私はこのサイトの問題を一周といて、間違えたものは2周ときました。

二次試験の対策について

二次試験では4問中2.5問以上解くことが必要です。私は4問中3問を確実に解けるように対策をしていくことにしました。そして微積分、線形代数、確率統計を重点的に対策することにしました。また線形代数と微積分は必答問題なので、より重点的に対策をすると良いです。私は以下の参考書を使いました。

これらのテキストの問題は数検1級の2次試験で出るレベルとしてちょうど良く、対策にはもってこいだと思います。正直なところこのテキストの全ての問題を解いたわけではないですが、星1の問題を中心に取り組みました(星2の問題は正直難しすぎるものも多いので解かなくても良いと思います)。


次に選択問題ですが、確率統計を選択することを強くお勧めします。なぜなら確率統計の問題は出題パターンが決まっている上に他の分野の問題よりも簡単なことが多いからです。ただし確率統計は覚えることが多いため注意です。対策としては、以下の参考書の推定、検定、最小二乗法の部分を解くと良いです。

また、2次試験の過去問演習については、以下の参考書を解きました。

また、2次試験の過去問演習としては、これだけでは足りないと思ったので、X(旧Twitter)で数検1級の二次試験の予想問題を作っている方がいたので、その問題を解いたりしました。

試験当日の立ち回りについて

この章では、当日どのように試験で立ち回ったのかを軽く述べておきます。

一次試験の立ち回り

まず、試験問題を開いてすぐ1問目から解き始めるのではなく問題全体を見ました。なぜなら5問分の正解をかき集めることが重要なので、解ける問題から解いた方が良いからです。そして問題を全文見た結果正答にたどり着けそうなのは6問でそのうち5問は計算がめんどくさそうという印象を受けました。そして簡単なものから落ち着いて手をつけていき6問答えまでだせました。この時点で残り時間20分残っていたので、ここからは全力で見直しをしました。なぜなら解けるか分からない一問を解くよりも解ける問題でミスしないことが重要だと思ったからです。その結果6問解いて残りの1問は白紙で答案を提出しました。

二次試験の立ち回り

二次試験の場合もまず問題全体を見ました。そして必答問題を見ましたが、線形代数については2n次正方行列の行列式を求める問題で、帰納法を使えば解けそうだなという印象を持ちました。そして微積分の問題ですが、三変数関数の極値を求める問題で、2変数までしか押さえておらず、正直ノーマークで焦りました。そして統計の問題はχ^2分布で、演習で解いていた問題だったので2問はまず解けると安心しました。そして残りの選択問題ですが解けそうなものがあるかを考える前にまず、統計の問題と行列の問題を解ききりました。その時点で残り時間は80分ほどあったと思います。そして3変数関数
については、xyzに関する2回偏微分まで求めて部分点をもらえるようにしました。そして選択問題ですが、ぱっと見で解けそうだと思った整数問題を取り組みましたが、手も足も出ませんでした。そして他の問題にも順番に取り組んでみますが、分からず残り時間が20分ほどでした。そこで選択問題の中で一番難しそうに見えた問題(銀行列という見慣れない題材)を解き始めました。この問題は、銀行列が存在するかどうかを判定する問題だったのですが、銀行列の存在例を一つ見つけてしまえば正解となることに気づきました。そして死にものぐるいで当てはまる存在例を出して、半分くらいは解けたのかなぐらいの感触で試験を終えました。ギリギリ合格くらいの感触でしたね。

試験結果について

以下のような結果でなんとか合格することができました!

試験結果

二次試験は結構ギリギリな予想でしたが、意外と部分点が入ってよかったです。

最後に

最後に伝えたいことは、数学が好きな方は是非数検1級を受けましょう!ということです。正直数学検定は、他の検定などと違って直接人生に役立つ(就活に役立つなど)ということはないと思います。しかし数学検定1級の期間は楽しく過ごすことができたので是非お勧めです!

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