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日本タイクラブ研修ツアー参加記録

日本タイクラブの20年アーカイブより(海外活動)
日本タイクラブ研修ツアー参加記録  冨岡 迅夫


平成16年(2004年)11月24日(水)日本からの参加者7名は当初の予定通り成田、関空からバンコクに到着。午後5時半頃にサイアムシティホテルにチェックインした。小生は既にタイに来ていた関係から一行をこのホテルのロビーにて待ち受けた。昨年のツアー参加のなつかしい顔に出会い一層なつかしさと親しみを感じた次第である。

午後6時半からの日本タイクラブ主催の一行歓迎会へ出席のため、小生を含め全員ホテルを出発、歓迎会会場のレストラン「ワンナカム」(スクンビット通りソイ23を入り、150m位の所を右に入る)に到着。阪口理事、川島夫妻、野村さんの歓迎を受け、参加者8名(冨岡を含む)は会席に着き、阪口理事の歓迎の挨拶のあと、タイ料理を味わいながら旅の一行はお互いの再会と共に旅の予想などを交えて、出発前夜の一時を楽しく歓談し、あとホテルに帰った。

尚、今回の旅の参加者は(敬称略)小谷寛三夫妻、花安清志、江見和昭、山本育、上田敏行、花上常緑、冨岡迅夫、以上8名。タイ国内旅行の協力旅行社は「NARA TOUR社」。

添乗員は昨年からのおなじみのチャリン氏と南タイ出身のエカラ氏の両名。旅の手段はミニバンを二台連ねて走ることになった。


<第一日目(11月25日)バンコクからホアヒンまで>
バンコクを午前8時に出発、ナコンパトムを通り過ぎラーチャブリには午前11時過ぎに到着。ラーチャブリ県の歴史的な説明はさて置くとし、この町で有名なワットカノンを旅の最初の訪問地とした。この寺は影絵で有名である。南タイの寺には猿が沢山住みついていると聞いていたが、この寺には猿300匹と僧8名がいて、猿が人間を圧倒しているのも如何にもタイらしい気がした。

旅の途中で小谷さんが作られた各地の故事来歴の説明書が皆に配られ、その説明書を見ながら各地を巡った。それ故これからは各地の詳しい説明は紙面の都合上、省略させて頂く。

もっとも読者の中で是非説明書を見たい方は、別途事務局に申し出て頂きたい。このような状況でラーチャブリ県では次にカオヌグー(蛇山)ワットアランジカ、ワットマハタットを順次訪れた。ただ寺には猿が横行しており、小生は閉口した。

次に南下しペッチャブリー県に入り、ラーマ4世の建てたカオワン宮殿、ホアヒン離宮を訪れた。朝出発した時からタイ国南部に低気圧が接近するとの情報もあり、ホアヒンの海岸は波が高くてしぶきを上げていた。離宮には到着時間が遅く中には入れてもらえなかった。

話は後先になったが、例のワットカノンの影絵であるが、寺の博物館には由緒ある物語の影絵が大切に保管されており見応えがあった。影絵の由来は元々インドのヒンドゥ文化から来たもので、歴史の深さを影絵が示してくれた。ホアヒンのヒルトンホテルには夕刻6時に到着し、旅の初日の宿に泊まることになった。

<第二日目(11月26日)ホアヒンからラノーンまで>
朝からホテルの外は低気圧の影響で強風が吹いて、海は荒れており先行き心配されたが、ホテルを午前8時に出発した。訪問先のカオサムロイヨー国立公園には一時間程で到着。幸いにして公園内では雨には会わず、公園内の水路を船で遊覧した。この公園は300峰という名前が示す如く、色々な形をした山々が見学者を楽しませてくれた。午前中は例の低気圧のため雨も降っていたが、午後からは陽も差して来た。

プラチュアップキリカンの海沿いのレストランにて海岸に打ち寄せる波を見ながら昼食をとった。タイ国では珍しく白波の立つ海であった。

食後、タイ国空軍基地を訪ねた。この地は太平洋戦争勃発時に日本軍が上陸した所で、日本軍、タイ軍双方に戦死者を出した古戦場である。ここには記念碑が建てられていて、我々一行はその前で記念写真を撮り、双方の戦死者の冥福を祈って一同合掌。

この辺りで時間を食っていると先の長いラノーンには何時頃に着くかと、そろそろ時間が心配になり、訪問地のチュムポーンは素通りにすることになり、チュムポーンからラノーンまでは真っ暗闇の山の中を脱兎のごとく、ラノーンへと駆け走った。

ラノーン到着午後7時。夕食を済ませて、さあ、温泉で一浴びしてと云う望みは無くなり、温泉は明日に延期となってしまい、小生ガッカリ!

<第三日目(11月27日)>
今日の行程はミヤンマー最南端の町コートンに渡り、その後ラノーンに戻ってその周辺を見学してその晩はラノーン泊。
連日決まったように午前8時にホテル出発、ミヤンマーへの出国のため、ラノーンのイミグレーションに全員出頭し、出国手続きを済ませる。その後、渡し船の待つ船着場(プライベート波止場)に直行。チャーター船に乗って一気にコートンの船着場に到着。入国手続を済ませて寺(ワットビトエ)へと直行した。この国境の町には何の特徴も見出せないが、我々が国境を越えて隣国にやって来たと云うところに意義を見出すことである。いつもの事ではあるがミヤンマー側の町で何か土産品がないかと探すのではあるが、まあ殆んど見つからないのが常である。紅茶を一服飲んでコートンを離れ、正午過ぎにラノーンに戻って来た。

昼食後、コースーチャン(中国福建省出身の中国人でラノーン県で初めてゴム園と錫鉱山を開発した有名人)の廟を見学。一度ホテルに戻り、ミヤンマー側に沈む夕日が見られる絶景の場所にあるレストラン「パクナム」にて夕食の海鮮料理に舌鼓を打ち楽しい時間が過ぎて行った。

ここで温泉の話を少しばかり。宿泊のホテル「ジャンソンタラホテル」には温泉の設備がちゃんと整っていた。温泉の大浴場(ジャグジ)は円形で直径が8m位で周囲から階段状になって真ん中に行くに従って深くなり大人の胸位の深さになっていた。入浴には入浴用のパンツを穿いて入る。温泉は通常42℃で中々快適であった。ただ温泉の効能書などは無く、温泉の成分表も何もなく、これがいわゆるタイ式かな?と思う。それでも日本の旅行者に推奨できる温泉のひとつである。

<第四日目(11月28日)ラノーンからナコーンシータマラートまで>
この日も朝8時にホテルを出発し、2時間程でチュムポーン県のランスアンに到着。鍾乳洞のあるタムカオガンを見学、ここはラーマ5世に由来された所でラーマ5世のサイン入りの銅板が残されており、仏塔も同5世が建てたものとして知られている。その後スラータニ県のチャイヤーに着いた。

このチャイヤーの町はタイ国内では最も古い都市の一つであり、又インドから仏教が伝来した土地とも云われている。それ故にチャイヤーには古事の伝わる寺が多く存在する。その寺の一つプラブラマタット寺を訪ねることになった。この寺には1300年以上の昔に建てられた仏塔があり、その時代の芸術的建物の中でも最も保存状態が良いとされている。

この寺の周囲にはロン寺、ウイン寺、ケオ寺など由緒ある寺があったがチョイと覗き見しただけでチャイヤーの東にある回教徒の住む町を訪れ、ショッピングをして息抜きをさせてもらった。車は更に南下し、スラータニを経て一路ナコーンシータマラート県に入り、途中、太平洋戦争時に日本軍が上陸したターチャンの町を通り、戦時記念碑(タイの兵隊が銃をかざしている記念像)に合掌した。

この時間になると周りは日も沈み暗くなりナコーンシータマラート市へと車はどんどん進んで行った。午後6時20分目的終着地ナコーンシータマラート市のツインロータスホテルに全員無事到着した。即ちバンコクから南へ約800キロ、四日間の車での旅はこうして終わったのである。

ホテルにチェックインの後、ホテル内のレストランで参加者全員、中華料理を食しながら今までの旅の話に花を咲かせながらほろ酔い加減も加わり、楽しい時間を過ごした。

<第五日目(11月29日)>
最終日の行程は、バンコクに戻る6名と更にマレーシアに向かう花安さん、江見さんの二組に分かれることとなる。

バンコク組は午前中の自由時間を満喫、市内見学などで過ごした。この地もスリランカからの仏教伝来の地である由緒あるプラブラマタット寺の仏塔がひときわ高く聳え建っていた。また市内には西暦2001年に日本公園が造られ、「山田長政この地に眠る」の碑が建てられた。

バンコク組の6名は、午後空港に行きバンコクへ向けて出発、午後2時50分バンコクに安着、空港にて解散した。

マレーシア組は午前8時にホテルを出発し午前11時頃にサトーンに到着。ここからマレーシアのランカウイ島に船で渡った。所要時間約1時間。ランカウイ到着後、一泊してクアラルンプールに移り、その後バンコク経由にて帰国した。

以上が今回の旅の全行程の詳細であるが、この紀行文の締めとして一言付け加えさせてもらうならば、旅行中全員これと云った事故に会う事も無く、無事に日本に帰国したこと、そして今回の旅は花安さんの企画の最後の旅でもあり、全員花安さんの過去のご苦労を思い、皆相互に協力し合い和気合い合いで旅を終わった事、また小谷さんの綿密且つ見事な旅の計画書(解説付き)を貪欲に実行に移した旅でもあった事、更にまた花安さん、小谷さんの両氏のご努力があった事に全員が感謝感謝であった。

小生は生憎、前回と今回の二回だけの参加で旅の批評をすることはおこがましいが二回の旅を通して思われることは、この様な意義のあるタイ国ツアーは、普通一般の旅行社の主催するツアーと比較にならぬ内容と高度な歴史観と文化的要素を持った旅であり、さすが日本タイクラブを冠した旅に相応しい旅と思わせるに充分な意義ある旅であったと感銘した次第である。お陰でタイ国の歴史、文化を充分に勉強させてもらった。最後に改めて参加者全員にご協力方感謝申し上げる。








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