海外研修ツァーに参加して
日本タイクラブの20年アーカイブより(海外活動)
海外研修ツァーに参加してブア・トンのお花畑の景観に接しての思い出 冨岡 迅夫
日タイクラブ発足後いわゆる研修ツァーと称する少し肩の張った団体旅行は1993年までは記録としてはありませんでした。
第1回目として花安清志さんが、日タイクラブの事務局長に就任されてから始まったと記録に残っています。第1回目は「古都を訪ねて」1993年、第2回以降は事務局の記録に譲るとして、私が参加した度重なる旅行の思い出の中から特に印象に残るものを1つ選んで、その感想を述べることにします。
その1つ「少数民族とミャンマーを探る旅」に参加した時のことをお話させてもらいます。 この旅の旅程の中の1つメーホンソンからチェンマイに到る途中で、私はお寺の訪問も良いけれど此処まできたら、ブア・トンへ騙されたと思っていって見たらと提案しました。時期的にもその季節である今、少し冒険しても良いではないか、途中でもあるし、このブア・トンの花は有名で、花が咲く時が限られていること、11月中旬頃、また山の天気が良いこと,メーホンソンは霧が多く中々、からっと晴れてくれない。例えば飛行機でメーホンソン、チェンマイはたったの35分程度で行けるが、車では6時間程度かかると提案。私自身も少しリスクが高いかなと思ったが、いつもの癖で、良いと思えばすぐ実行の精神で、ツァーリーダーとガイドを説得して、さあ実行と言う事になった。
そこへ行くためにチェンマイに帰る途中で、別の道にそれて一路、ブア・トンに車は走りました。私は、天気さえ良ければ花は見られると確信していましたが、途中で天気が悪くなることだけを心配しながら車中で今か今かと到着を待っていました。次々と山また山の中に道路は続いて行きます。そのうちに前がパーと開けるように明るくなったと感じた時、遠くの山の一面が黄色になっている所がかすかに見えてきました。ああ!あれがブア・トンのひまわりの花畑、見事に私の予感が当たりました。
そして車は、ついにブア・トンに到着。ツァーの皆々一同、車から降りて、周りの花に圧倒された様子、花花花、我々の周りは花でそれ以外の物は何も無い。花の中に、人の頭がチラホラ見えるというような状態、この様な花の群生が山の斜面一面に咲いている様は見事と言うよりは、何か不可思議な桃源郷に入った感覚を覚えました。ツァーの皆の喜んでくれた顔を今でも思い出します。花に満足するだけでなく、その環境のすごさに圧倒されたようでした。山の斜面のあちこちに我々のツァーの面々がうれしそうに写真を撮る姿がみられました。
ブア・トンはタイ人の中でも有名であるが、実際に見た人に会ったのは稀である。大抵は素晴らしいことは知っていても見たことは無いという。我々が見たその日はトラックに乗ってタイ北部からやって来た若者たちのグループ等、タイの各地からやっとたどり着いて、自分たちの幸運を喜こんでいた。
この時は玉田さん,松重さんも一緒で3人とも、お寺参りよりも、この方が良かったな!と言うことでした。しかし、もし山が霧で覆われていたら、見えなかった訳で、私の面子丸つぶれになるところ。しかし、一般に日本人は1人でリスクを張ってリードする事に欠けており、私のような人間が少ない日本はある意味寂しい限り、若い人の中からリーダーシップを持った人が多く出てくるのを夢見ています。
日本の将来をいささか心細く感じている昨今です。いずれにしろ、いい思い出でした。
、