昨年末、10大ニュースで振り返ったわけですけれども、
実は、何人かの方から
『病気の動物の思い出とかはないんですか?』
と聞かれました。

たぶん、「獣医師で診療してるんだったら、もっと動物のこととかがランキングになるべきなんじゃないの?」と言いたげな言い方だったんです。

確かに、語弊を恐れずに言うならば、
『動物への思い出はほとんどありません』

まず、10大ニュースって言っても、私がすごく感動したこと、心動かされたことをランキングにしています。
「じゃあ、一生懸命治療した動物のこともランキングになるんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、治療というのは、獣医師はめちゃくちゃ理性的になるべきだと考えています。
理性を発揮するには、自分の感情をしっかりとコントロールする必要があります。つまり、動物の命を救う、苦痛を取り除くのに、感動している暇はないんです。
感情を出している暇があれば、もっと動物とそのパートナーの方の幸せのために何ができるのか、一生懸命考えたほうが良いのです。

そして、それ以前に、動物の治療って、ランキングするものじゃないと思っています。
私にとって動物への医療は、大学を出てからの人生のほぼ全てをかけて取り組んでいます。そのメインである診療については、もはや別格。ランキングするものじゃないんです。
もちろん、広い意味では10大ニュースのほとんどが診療に関係しているので、言ってることが矛盾してるように聞こえるかもしれません。でも、病院全体のことを抜きにランキングすると、ほぼ出来事がないという非常に寂しい人間ですので、その辺りはご容赦を(笑)

ということで、私の10大ニュースには、動物のことは入らないようにしている、というお話でした!


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