フォルケホイスコーレの教師になるには? 唯一のプログラムをもつ Linköping University 訪問
みなさんこんにちは、sweco です。
今回は、スウェーデンでフォルケホイスコーレの教師になるにはどうしたらいいか、についてお伝えします。
フォルケホイスコーレの教師に特別な資格はいらない
留学先のフォルケホイスコーレの先生に、フォルケで教師になるための資格について聞いたところ、特別な資格はいらない、とのことでした。
ただし、Allmän kurs でスウェーデン語や英語、数学などの科目を担当している先生方は、前職が高校教師や Komvux (地方自治体の成人教育機関。小中学校の成績を補うためのコースなどがある)の教師だったりするので、通常の教師免許を持っている、または教師としてのキャリアがある方が多いようです。
芸術系コースの先生方も、大学で教育学部を専攻していたり、Komvux やスタジオなどで教えていたりというキャリアをお持ちです。
ですので逆を言うと、特に教師資格は必要ないけれど、関係のある学位や経験がないと教師として採用されにくいと言えます。
スウェーデン唯一のフォルケホイスコーレ教師育成プログラム
フォルケの教師になるために資格は必要ないのですが、先生方から、教師育成プログラムを提供している大学があるよ、というお話を伺いました。
スウェーデン南部にある Linköping University では、フォルケの教師向けにフォルケホイスコーレ教師育成プログラムを提供しています。
通常の学校の教師育成プログラムは、スウェーデン国内の大学にもあるのですが、フォルケの教師育成プログラムを提供しているのは、スウェーデンで唯一、Linköping University だけだそうです。
Linköping University には Division of Education and Adult Learning という部門があり、スウェーデン政府と設立したMimerという国際的な研究プロジェクトや、職業訓練学校やフォルケホイスコーレなど幅広く成人教育の研究をしています。
そこで、フォルケホイスコーレを研究している Henrik Nordvall准教授に会いに行き、どのようなプログラムか伺ってきました(2019年12月)。
フォルケホイスコーレ教師育成プログラム(Folk High School Teacher Programme)は2年間のプログラムで、成人教育、Folkbildningの目的、フォルケホイスコーレの歴史や組織、学生の理解や評価についての知識などを学ぶことができるそうです。
ここからシラバスを見ることができます。
Folk High School Teacher Programme
このプログラムを受講するには、スウェーデン語必須、さらにフォルケホイスコーレの教師に関連する単位を取っているまたはフォルケホイスコーレに関連する実務経験を問われるようなので、受講したい方は事前に問い合わせることをおすすめします。私が留学していたフォルケの先生もこのプログラムを受講していました。オンラインでの授業と、年に数回、大学での授業があると言っていました。このプログラムを修了すると、雇用条件に有利に働くので、受講している先生が多いそうです。
またHenrik Nordvall准教授から、フォルケホイスコーレについて書かれた研究本をプレゼントしていただきました!
1番奥の本「Nordic Studies in Education」(2017)
1番手前の本「Popular education, power and democracy 」(2013)の概要はこちらから見ることができます。
それでは今日はこの辺で、Hej då!