牧者のもとへ (短歌)
子羊が街の灯りといふ唄と
泣く子とともに夜半に目覚める
感覚に流されやすきわれを主よ
汝がみことばで固く留めよ
*
歌つくるそれも虚しい、もの書くもすべて虚しい、なにも残らぬ
なにもかも虚しくなりぬそんな日に
立ちて帰らむ牧者のもとへ
*
この世界地獄であると思ひ出す
主よ主よ我と共にゐたまへ
日常もいのちももろく頼りなく
この虚しさよ骨に沁みゆけ
わたしが日常に慣れ、なまぬるい水の温度に馴染んでしまうたびに、神はわたしを突き落とす。突き落とされれば、戦わざるをえない。わたしはふたたび、神の武具をとる。賛美すること、祈ること、みことばを食べること。
遠い隣国が戦車に踏みにじられるのを、衝撃とともにみたあの日、いのちはもはや漠然と与えられたものではない、とキリストが語るのを感じた。どうぞわたしがそれを忘れることがありませんように。