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「愛」 ジョージ・ハーバート (日本語訳)





 シモーヌ・ヴェイユの本に出てきた
彼女が愛した詩、
ジョージ・ハーバート (1593-1633) の
「愛」

 さっき岩波のイギリス名詩選を
読み返していたら見つけたので、
友だちに見せようと、
じぶんでも訳してみることにした。






がわたしを迎えてくれた。けれど罪と塵で埃まみれのわが魂は後ずさりした。
 一歩踏み入れて怯んでしまったわたしを、は目ざとく見つけると、
近寄って、やさしく訊ねた、
「なにか足りないものでもあるのかね」


「お客さまが、ここにふさわしいお客さまが足りません」わたしがそう答えると、
は言った、「あなたはお客になってくれないのかい」
「わたしが? 薄情で恩知らずな、このわたし?
おお、主よ、わたしはあなたを見ることさえ出来ないのです」
はわたしの手を取ると、ほほえみながら言った、「だれがお前のその目を造ったと思っているんだい?」


「主よ、確かにそうです。でもわたしはそれを汚してしまった。恥を受けねばならぬ身なのです」
「お前は知らないのかね」は言った。「お前の恥をだれが負うたのか」
「おお、そうでしたのに! いまこそあなたにお仕えしとうございます」
「まあ、お座りなさい」は言った、「そしてわたしの肉を食べなさい」
わたしは席について、食事した。




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