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fusae
2023年5月19日 20:50
*この小説は作り話であり、実際の団体や人物とはなんら関係はありません* 「ばぁ ぺんしぇーろ、 すらーり どらああて」 そう歌が口をつきそうになって、鷲尾夫人は自分を嗤った。六十幾つになるくせに、黄金の翼に乗って、故郷に飛んでいきたいだなんて。彼女の乗った特急は、いま故郷の信州に向かっている。これだって黄金の翼と言えるかもしれない。 年を取ったからかしら、夜ごとに故郷の夢を見る。あ