ひとり時間が増加したわけ
Withコロナ施策によって、私達の生活時間は大きく変化しました。
5年に1度実施されている総務省「社会生活基本調査」を紐解くと、生活者を巡る大きな環境変化を見出すことができます。
報道番組などでは、コロナ政策によって「おうち時間」が増え、家族と過ごす時間が増加したといわれています。
ところが社会生活基本調査のをみると全く逆の結果が掲載されています。
家族と過ごす時間は、2021年の週全体で5時間6分でした。前回調査(2016年)よりも26分も減少しているのです。
しかもほとんど全ての年代で減少しています。
反対に、一人で過ごす時間は全ての年代で増加しています。(2021年の週全体で5時間55分 2016年比+49分)
これをどう考えたらよいでしょうか?
考察のヒントとして、同じく社会生活基本調査の「交際付き合い」「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」の時間推移が役立ちます。
どちらも長期的に減少傾向にあります。
対面での交際付き合いは、行動制限がある中では当然といえば当然ですが、それ以前から減少傾向が続いています。テレビ等のマスメディアは行動制限がある中では増加しても良さそうですが、減少傾向が止まりません。
この2つの事象の答えは、スマホの普及にあると考えます。
ひとり1台のコンテンツ受信機器が普及したことによって、いままで我慢して家族の好みに合わせていたテレビ番組から解放されたと考えられます。スマホを使えばSNSによって非対面でコミュニケーションもとれます。
コロナによってYoutubeのアプリ普及率はどの年代でも高まっています。注目すべきは男性です。コロナによって家族が自宅にいるようになり、チャンネル主導権を失ったお父さんが自分のスマホで動画を楽しんでいる様子が目に浮かびます。
コロナ禍がきっかけとなり、ひとり動画視聴時間が増え 個 で楽しむ生活時間増加が加速したのです
マーケティングの重要なキーワードとしてパーソナライゼーションがあります。こうした事象を背景として個のニーズを機微に取り込むことができるかがアフターコロナ成功の鍵と言えるでしょう。
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