「プロダクトデザイナーが学ぶ、UX/デザイン思考の基礎」 第2/10回 「エスノグラフィと行動観察の振り返り」
「プロダクトデザイナーが学ぶ、UX/デザイン思考の基礎」 第2/10回 のテーマは「エスノグラフィと行動観察の振り返り」についてです。
が、このテーマでは私の思う本質に辿り着けないと思うので、言い換えます。
1、第2/10回 のテーマ(改) 「物事の善し悪しを見抜く目を持て、そうしなければ道具は効果的に使えない」
これを具体的に例えるなら、
「どんなに乗り物の運転が上手だとしても、方向音痴だったりナビが使えなかったりすれば、どこにも辿り着けない」みたいなことです。
自分の現在位置とゴールの位置関係が把握できていないと正しいゴールに辿り着けませんし、そもそも正しいゴール設定ができなかったりもします。
冒頭の「エスノグラフィと行動観察」は、プロダクトやサービスなどの商品単体、ビジネスモデルを生み出すためのツールの一つです。
最初の講義で「UXデザインだけじゃなく、それが生み出すビジネスデザインについて勉強しないと意味ないよ」と言うお話がありましたが、ここに繋がってきました。
講義中は、私には聞きなれない「エスノグラフィと行動観察」にまつわる用語に振り回されていましたが、「物事の善し悪しを見抜く目を持て」が今回だけでなく、全10回の講義の核のような気がしています。
自分のやったことを客観的に判断する目を自分一人で養うのは、ツールの使い方を学ぶことよりも断然難しいと思います。
他にも似たような事例はあると思いますが、客観的な判断基準を養うという観点ではデッサンを習うことに近いです。
講義進行について、「各ツールの使い方の要所は伝えるけど、本に載ってるような細かいことは自分で勉強しといてね。」
あるいは、「UXデザインがメイン業務でなければ、ディレクションのコツだけ掴んでおいて外注しちゃいなよ」というスタンスなんだなと思うと腑に落ちました。
実際にUXの調査を実務でやろうとすると、詳細に勉強し直す必要がありますし、そもそもプロダクトデザインチームだけ実施するには不可能なボリュームです。プロダクトデザインをやりながら片手間でやるような仕事ではありません。
2、物事の善し悪しを見抜く
ビジネスデザインの善し悪しの判断基準の一つは、歪な部分、や「皺寄せ」があるかないかだと捉えました。
ビジネスデザインは仕組みであり、関係するプレイヤーがお互いにwin winでなければいけません。誰かが犠牲になるような関係性ではいずれ破綻してしまいます。
外国人が日本を旅行先として選ぶ理由に「低価格で質の高いサービスが受けられるから」というのがあるそうです。
高価なサービスならまだしも、そうではないファーストフードや日用品のコンビニ接客にまで丁寧なサービスを求めるのは個人的には「皺寄せ」であり、早く消えるべき日本独自の価値観のような気がしています。
先にエスノグラフィはツールと言いましたが、ある事象の善し悪しを見極めるツールにもなります。
ある課題を解決しようとしたときには、大きく2つのやり方があります。
一つは、特定の症状をなくすこと、もう一つは症状の根本の原因をなくすことです。特に後者のやり方では、因果関係をしっかり把握しないと根本の原因を把握することができません。この原因究明にエスノグラフィによる観察と対話が活用できます。
3、まとめ
私がUXデザインを学びたいと思ったきっかけの一つに、本業の商品開発に対する服然とした違和感をなくしたいというものがありました。
UXデザインを体系的に学ぶことで違和感の正体がわかる、違和感を解決できると考えていましたが、違ったようです。
物事の善し悪しを見抜く目を持つことと、その根拠を言語化することがまずは必要なのではないかと気付きました。
言葉にすると簡単なようですが、それを今の仕事に落とし込もうとすると思考が止まってしまうので、まだまだ先は長いです。
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