将来の夢のこと
「好きなことを仕事にしよう!」みたいなキャッチコピーを聞いたこと、あるよね。
世間の働く人は、「好きなこと」を仕事にしているのだろうか。
「将来の夢」ってどうやって決めているんだろうか。娘の進路指導を見ていると、なんでもいいからとにかく志望校決めろ!!みたいな感じで、大学に行くことが正義になっている。そこで何かに出会えるとも限らないのに、ただ漠然と通うだけの学校に大金払えないよ・・・と思ってしまう。
あたしは仕事としてのやりたいことなんか何もなかった。
10代の頃、まだサービス業でしかバイトしてないような年齢では、『仕事』のイメージがなかったんだろうな、と思う。実際今やってる仕事なんか、学生の頃に考えも及ばなかった。
仕事としては何もなかったけど、あたしは『若いお母さん』になりたかった。
自分が末っ子だったから、母親は当然若くなかった。友達の『若いお母さん』がうらやましかった。それから『髪の毛をかわいく結んでくれるお母さん』『子供が家に帰った時に家にいてくれるお母さん』もうらやましかった。
つまり、あたしの『夢』は、その『若くて髪を結んでくれて おかえりを言ってくれるお母さん』になることだった。
21歳のあたしは、当時別れていた彼氏と結婚することを決めた(経緯割愛)。その時彼氏(現旦那)は20歳。よくもまぁ結婚することにしたもんだと思う。実際旦那の親戚には、「どうせすぐ別れるよ」と言われたものだった。
入籍してしばらくすると、妊娠した。娘が無事に生まれて23歳の母になった。16歳で子供を産むようなお母さんに比べれば若くないが、まぁまぁ『若いお母さん』である。近年の晩婚化や高齢出産の多さを考えれば、それなりに『若いお母さん』である。
実際は生んだだけで終わりでなく、そこからが長い『お母さん』業であるが、あたしは見事夢を叶えたと言えなくもない気がする。『かわいい髪形』は、娘の希望だったかどうかはわからないけど、発表会なんかのイベントがある時は頑張った(1回ドレッドのごとく編み込んだら娘に泣かれた)。
だけど今現在フルタイム勤務である。「おかえり」を言ってもらう側である。だって子供が4人もいるんだもの。「おかえり」は言ってあげられないけど、その代わりお腹いっぱい食べさせることにした。
キャリアも積んでないし、家庭の事情で数回転職している。おかげで知識は広く浅く持てたが、なにかのプロフェッショナルにはなれていない。人がうらやむような職にもついていなし、称賛されるような仕事もしてないない。
だけどそれらよりも、『若いお母さん』になりたかったんだから仕方ないじゃない?