身に余る雫



会いたいと思っても会えなくて、
電車も全然来なくって、
靴紐は解けたまんまで、
チョキで負けちゃって。








二の腕をギュッと一掴み。
血管が少しずつ鮮明に浮き出てくる。
考えるのをやめてみる。
蔦が体にまとわりついている感覚をずっと回避できないまま。

卵ボーロを口に入れた瞬間に唾液で形が崩れる
雪が降る、手のひらに結晶として落ち、体温で溶ける
水彩絵の具で色を塗る、たくさんの水分を含んだ筆に吸収される

ずっとそんな感覚に支配されている。

歪なハートと目が合い、戸惑う
何にも悪いことなんてしてないのに、早口で弁解する
肌に張り付く髪の毛を無理にシャワーで流す


ひどく崩れやすい私に太陽は容赦ない
ずっと私の縄張りを探している
誰も来ず、誰も来させず、雨は強くなるばかりよ。

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