ブン家

昨日、久しぶりに友人を家に招いて夜ご飯を囲んだ。人が来るうちではあるけれど、この制作期間はうちに篭って制作をしなければならないと思ってしまう。あまりに会話をしない帰宅後が続き、独り言だけを積み重ねてしまっていた。

そんな中で友人に夕飯を食べようと持ちかけた。

時間を重ねるにつれて集まる友人と増える会話に嬉しさを隠せない。特別な食事ではないけれど、今夏を楽しめそうなそうめんを小さな机の中心に置いてみんなで突く。

「そう言えば私、日に日に性欲なくなっちゃっててさ、」

「友人を仲間って言うのめっちゃ良くない?ルフィーみたい!」

「あーーん、その前髪愛おしい〜」

「ねえ、まだ私食べれちゃう!」

「七味入れると一気に爽やか〜」

何気ないけれど確かで柔らかい会話が私の中の卑しい感情や情けない振る舞いを浄化させてくれる。

もちろん1人の時間が好きでそれを大切にするために一人暮らしをしているし、自分の城が欲しいとずっと思っている。そう思えているのはちゃんと周りに友人がいるという感覚があるからなんだと思う。

この感情は決して不確かでも一時的なものではない。友人が帰った後に感じる寂しさみたいなものはないのだ。空になった部屋を見渡すとその時の多福感や弾けている感情の余韻で口角が上がる。やはり良い家だなあと思う。決しておしゃれでも綺麗でもないし、特別広くも、選ばれている良い物がたくさんあるわけではない。しかし、何となく落ち着けて、疲れた時に安らぐ場所になってくれたらと思う。私にとっても私の愛すべき友人達にとっても。

またいつでもおいでね。

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