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いらない天国譲れない地獄

負けないように負けないようにと思って買ったヒールは意味がなくて、負けはしなかったけど勝つこともできなかった。身包み剥がされて細い糸のようにほつれほつれほつれ、ついには真っ裸にされてしまった。今までひた隠しにして守り抜いてきたものがほんの数回の相槌で打ち崩された。意味のない合いの手に本当に意味はなくて、それは共感でも何でもなくて、ただただ声を合わせたいと思っているだけなのだ。毎日戦っているものに絶対勝てる日はこないと分かっている。あまりにも野心がありすぎて自分は人間を忘れた動物なのかと思ったり、動物を忘れた人間なのかと思ったりを行ったり来たり右往左往。あなたは1人じゃないよと言われるよりは、ハッキリとあなたは1人でこれからも独りでその大きな塊と闘って壊れまくって挑み続けるしかないと言ってくれ。生温くて居心地がいいはずの温室では嘔吐を繰り返して、1000度を超える地獄で生き生きとする。勝手にファイティングポーズをとって食われないように食い続けれなければいけないと思い常にナイフとフォークは常備。それでも愛のあるもの・愛を持って接し続けたいものにはずっと丸く柔らかく対峙していきたい。目に見えるものが全て本当であるならば、綺麗だとかかっこいいだとか楽しいだとかを私に伝えてくれるだけでいい。教えてくれるだけでいい。気付けば寝ず4回目の朝を迎えたり、大切に育てたものを無下にするかのように投げ捨てたり、カタカナのヲの書き方が分からなくなったり、崩れて壊される可能性は大いにある。それでもこれがこれであるべきだと信じて疑わないから、疑えないから蛇行しながらもかなりの速度で走り抜けているのだ。

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