カロリーハーフマヨネーズの罠
カロリーハーフマヨネーズを間違えて買ってしまって愕然としている。冷蔵庫を開けるたびに、お前はもっと痩せるんだよ。と言われている気分になってかなりキモい。
もちもちなヨーグルトを成城石井で買った。大谷翔平ヨーグルトと呼んでいる。1キロ990円。1000円に達していないので安く見えるとでも思ったのか。かなり高い。でもかなり美味かった。
それはそうと、猛スピードな7月だった。肺気胸になりタバコが吸えず悔しい1週間を過ごした。会う約束をしていた友人にも会えず、泣く泣くを家で過ごした。私が寝ている間に友人が家で作業をしていた日。
「ねえ、ブンちゃん、ヒラギノ角ゴシックっていいね」
そう言われて飛び起きたらしい。早口でフォントの話をしてキモかったらしい。私の記憶にはない。
その1週間後望んでいない2連休に岡山へ繰り出した。何というか、ほんの散歩の気持ちだったのだ。岡山で展示をすると言ったものの話を進められてないな、場所が決まってないなと思い、軽く散歩をしたくなった。
学生時代に通っていた喫茶店に行った。ママが私のことを覚えてくれていて嬉しかった。4年ぶりの再会はあんバタートーストだった。20年飼っている恋太郎(金魚)も生きていて安心した。
岡山では深く息をするのがいい。大学進学で望んで行った場所ではなかったが、今では恋しくなるほどである。悔しい思いをたくさんした中で手探りで見つけた楽園が幾つかあること、多くはないがおかえりと言ってくれる人がいること、雨でも晴れでも晴れの国と謳えること。うんと深く息を吐いた。
展示の会場を早々に決め、晴れの国にふさわしい晴々とした気持ちで岡山を後にした。
気付けば7月末に差し掛かり、各方面から請求書の提出を催促される。おぼつかない手つきでせっせと作るのだよ。息をするのを忘れるからタバコを吸うんだなと実感する。
一月から準備していた本が出版された。ちゃんと向き合った。久しぶりに自分の文章を読んだ。何だかかっこいいことを書いていて少し照れくさかった。紙に書き出される自分の文章を悪くないと思えるようになった。
何だか書き記してしまえば、よくやった7月であったが、私の底にある黒い塊をまだ消化できていない。モヤモヤとしている日々を過ごしたんだろう。この正体が、変わらずの金欠なのか、文章への貪欲さの欠如なのか、正義を振り翳して他面の正義を抑制し悪だと罵ることへの怒りなのかはわからない。
あまり後ろ向きなことばかり言うと、ペラペラの善に押し潰されそうになる。私の根底は暗く捻くれているに違いないと信じて疑わない。あんまり適当にポジティブを振り翳しているとタコの入っていないたこ焼きみたいになってしまいそうだ。
せっかく7月を"いい感じで"振り返ろうと思っていたのに、結局こうなってしまう。グッと堪えた7月だった。