私じゃない誰かが勝手に私のように振る舞っているんだってさ



冬だ、冬だ、冬だ、(大きく叫んでいる)


いつしか許しすぎることをやめたらもっと楽になるのにと友人と話していたことがある。冬は好きだ。しかし、私の中の許せない気持ちや下手な気持ちがどんどん膨れ上がる季節でもある。単に人肌が恋しくなるとか、寂しいとかなら簡単な話なのだがそうではなさそう。



最近はホットミルクを飲むようにしている。沸騰直前まで温めて、蜂蜜をたらりと。甘く、ふわっと香る。演出用にミルクパンなるものを買おうとも思っている。


勝手になりきろうとしている人がいた。
私の気持ちを代弁するふりをして平気で私の土俵に入ってきた。すごく悔しい。


咳をしている時にクッキーを食べてみて。もっと咳が出るから。やってみて、結構辛いから。




 今までもこれからもずっとフィクションです。   


ドアをノックする音が冬の冷たい空気を纏って、縫ったように私の足元に響く。
彼はこう言った。
「僕さ、文字が読めないんだ」

「そうなの、どうやって手紙のやり取りをしているの?」

「点は読めるんだ、点で読むんだ」

「句読点のこと?」

「そう、点は良くも悪くも、どの平面から測っても同じ距離だからね。」

彼のそういう感覚がたまに怖くなる。
文字が読めないというのはきっと嘘だ。
しかし、精神的な意識のどこかでそういう感覚があるのだろう。
なんだか恐ろしい。

「カナちゃんは文字が読めるの?」

「読めるよ。義務教育出てるからね。」

「じゃあなんでも分かっちゃうんだね」

「読むと理解するは別物でしょ?」

「読むのその先に理解するがあるから、理解するまでが読むなんだよ」

「あーーだから、カオルくんは文字が読めないって言うんだね」


ここいらで私はホットココアをいつも飲む。
豆乳で作るホットココアさ。
角がない婉曲のホットココアさ。





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