きっとそれはパーティ

腰は曲がるためにあると言うのに、全く曲がってやくれない3日間。なんなら少し身長が伸びた気分。秋晴れをいとも簡単に成功させたのが岡山。大学時代とはまた違う私で降り立った。1ヶ月前は渦に飲まれていてどんなに足掻いても何にも出てきやしなかった。声は出ているのに届かず、私のお腹は鳴るばかり。睡眠とは遠く離れた場所にいた。一週間前にやっと形が見えてきた。せっせと文字を背中に担いでいざ鬼退治。そもそも鬼なんてものはいなくて、その空間はただの遊び場に過ぎなかった。岡山の言葉で言うならばパーティだった。各々の姿勢で、文字を読んだり眺めたり。たまには話してふと笑いが込み上げる。言葉たちも踊っていた。ここに来ている人は、きっと読んでいるんだと思った。かぼちゃやさつまいもをスープにしながら書いた文章を、終電を逃したあと、2時間かけた帰路で書いた文章を、きっと読んでくれていたんだと思う。本当は、1オクターブくらい下げた声で、かっこよく作品についてぽろっと話してみたいものだけれど、人間そう上手くできていない。本当はスカしたふうに背筋を伸ばして歩き回りたいのだけれど、人間そう上手くできていない。この空間で私ができるのは、大きな声で「いらっしゃーい!」と言うことくらいだけだ。あなたの中で私の言葉が踊りますようにと傲慢にも考えてもいた。いつも通りに書いて、踊らせて、終わると燃やす。それの繰り返しで私はずっと遊んでいくのだと思う。私の空間に来てくれてありがとう。上手くやろうなんて本当は思ってなくて、今日が深い眠りになればと思い、いつも書いている。

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